遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

村瀬秋水『水墨淡彩 養老瀑布図』

2024年12月27日 | 文人書画

先回に引き続き、江戸後期から幕末、明治初期に活躍した美濃の南画家、村瀬秋水の山水画です。

全体:64.1㎝x211.5㎝、本紙(紙本):48.0㎝x170.7㎝。明治五年。

有名な養老の滝を描いた水墨画です。

古くから歌に詠まれ、画題としても多く取り上げられてきました。さらに孝行息子のお話しも、さして大きくないこの滝を全国版に押し上げました。

瀧脇の楼には、文人墨客が集い、浮世の憂さを晴らしたそうです。

ブログで2回にわたって紹介した水墨画は、いずれも村瀬秋水、晩年の作です。先回の『寒江獨釣図』は、地元、美濃の長良川に、今回の『養老の滝図』は、西濃、養老山地など身近な風景を基に、文人が隠棲する理想郷を求めた村瀬秋水は、地味ながらも、美濃を代表する文人画家といえるのではないでしょうか。


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6 コメント

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Unknown (ぽぽ)
2024-12-27 12:53:36
遅生さんへ
白と黒の濃淡だけで表現しているのに迫力がありますね!
前回と紙の色が違うのは材質ですか?
それとも状態なんでしょうか?
因みに養老の滝は美濃だったんですね!
居酒屋さんの名前の印象ばかりでした。
私も水を汲みに行って親父に飲ませてみます笑(^^)
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ぽぽさんへ (遅生)
2024-12-27 14:03:22
先回の作品とは紙質が異なるようです。もちろん、100年以上経ってますから、保存の状況も影響していると思います。
養老山脈は600mほどの山々ですが、東西(京<->江戸)の往来を完全に遮断しています。なので、行き来するには南の海側を通る(東海道)か、関ケ原辺りで山並みの間を抜ける(中山道)かしかありません。養老の滝は、中山道寄りにあります。この辺りは、古くから歴史的出来事が勃発した所です。
滝へ行く道沿いの売店には、瓢箪がずらりとぶら下がっています(^.^
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遅生さんへ (Dr.K)
2024-12-27 15:25:59
恥ずかしながら、「養老の滝」は、伝説の中に登場する滝とばかりに思っていました(~_~;)
現実に存在する滝だったのですね。
遅生さんの周辺は、古くからの歴史の宝庫ですね(^_^)
この掛軸も、現実の「養老の滝」の存在を世間に知らせることに役立ちそうですね(^-^*)
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Dr.Kさんへ (遅生)
2024-12-27 16:16:48
養老の滝は現実の滝です。
奈良時代、女帝元正天皇がこの滝を訪れて感銘し、元号を養老と改めたと言われています。
養老伝説ができてからは、瓢箪が名物になりました。ここの水を瓢箪に汲んで念ずれば、ひょっとすると名酒に変わるかも知れません。左党の聖地ですね(^^;
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Unknown (みこと)
2024-12-31 19:57:50
池大雅は出光美術館でやっていた生誕300年記念展に行ってきました。
今はなき文人たちの優雅で浮世離れした暮らしが、あの世のものに感じられました。

今の世のなんと殺伐としたことか。

今年も大変お世話になりました。
どうぞ良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。
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みことさんへ (遅生)
2024-12-31 20:53:58
生誕300年記念展へ行かれたのですか。
羨ましいです。
文人画のなかでも、池大雅は別格ですね。元々は農民の子らしいのですが、早くから書、絵に並々ならぬ才能を発揮していたそうです。いわゆる天才ですね。
しかし、彼らが文人画を描いたのは、やはり、現実が理想とはかけ離れていたからではないでしょうか。
いつの時代も息苦しい、けれど、その度合いは増加の一途ですね(^^;
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