酒田の人さんやぽぽさんのブログで、梵字がデザイン化された江戸前期古伊万里皿が、相次いで紹介されました。例によって、一足遅れで参入の遅生です(^^;
径 14.1㎝、高台径 9.2㎝、高 3.1㎝。重 177g。江戸前期。
高台に小欠けがありますが、釉がのっています。
裏底には角福、そこに針支え跡一つ。
造りや染付の色調から、いわゆる藍九谷に分類される品といってよいでしょう。
今回の品の特徴は何といっても文字。
見込みには大きな文字。
周囲には、4種類の文字が、中央の大きな文字を取り囲むようにびっしりと配置されています。
裏面にも2種類の文字がグルっとめぐらされています。
この皿に描かれた文字は、いったい何を表しているのでしょうか。
文字には意味があるはずです。今回の文字尽小皿には多くの文字が書かれているので、何か手掛かりが得られるかと思い、色々調べましたが、全くダメでした(^^;
梵字という確証さえ得られませんでした。
以前に、同じように中央に文字が書かれた初期伊万里小皿(下写真、右)を紹介しました。
両者を並べてみても、謎は深まるばかりです。
これまで、この手の文字は、梵字とされてきました。
しかし、案外、他の文字、例えば、篆字をデザイン化したものかもしれません。Dr.Kさんの陽刻輪花皿の是武字などは、その例でしょう。いずれにしても、中国の陶磁器を含めて、さらに検討が必要ですね。
梵字は、解読不能確定されていると、学校で習いました。
現代知識に持ち込んでいない事柄を表す文字だったようです。
この品私もウォッチしていました!
遅生さんだったんですね(^^)
しかも高台ホツは釉薬がのっているとなれば嬉しい誤算ですね!
私も持っている本を少し読み返したのですが、なかなかこの文字紋の記載がなく???でした。ただ私も思ったのはそもそも梵字じゃないんじゃないかということです。
言い回しで品に箔がつくようにもっともらしく梵字と業者さんの誰が言っただけだったりしてなんて思っています。
案外陶工が文字っぽいデザイン描いてみようだったりするんじゃないかと。笑
例えば裏銘の誉や福も見ていて全然読めないやつあるなあと私は思っていました。因みに山下先生はこの誉の銘は著書で寿だと思っていると書いていました。
この時代結構適当に書いてんじゃないか!?と思うわけです。笑
私の浅い考察でした。是非遅生さんには続報をお願いします(^^)
それにしても偶然とは言え故玩館にはなんでも揃っていますね!流石でございます(^^)
直線が多用された形のものが多いので、篆字をさらにデザイン化したものでないかと思っています。
今度は、遅生さんと酒田の人さんとぽぽさんとで、「古伊万里 梵字文 合戦」になったわけですね。
残念ながら、私は、その後、これに類似したものを入手しておりませんので、参戦できません(><)
知の巨人の遅生さんにしても、この文字様文については解明できませんでしたか!
それはそうと、このお皿には、文字様文が表・裏にビッシリと描かれ、しかも、それ以外の文様のようなものが描かれていないのですね。珍しいですね。
それに、一瞬、もっと大きなもので、20cmくらいはあるのかと思いました(^-^*)
梵字はインド由来ですから、中国をルーツとする伊万里焼にとってみれば、アラビア文字みたいなもので、馴染みは薄いと思います。
漢字圏の品としては、やはり古代漢字の篆字の方が自然だと思うのです。もう少し、篆字を調べてみます。
また、江戸中期以降、焼物から消えてしまったのも、何故なのか、単なる流行ではない理由を見つけてみたいです。
今なら、ぽぽさんも交え、さしずめ、四つ巴の混戦ですね(^^;
陽刻合戦も渋い戦いになると思います(^.^)
文字ばかりで出来上がった皿は珍しいと思います。真ん中の大字と周辺のたくさんの小字の対比が、よけいに皿を大きく見せています。その点でも、この皿の意匠は優れていると思います。