今回の品は、不思議な古伊万里の皿です。
径 19.0㎝、底径 12.3㎝、高 2.7㎝。江戸時代後期。
わずかに輪花になった古伊万里の染付中皿です。底に目跡が1つ。
染付の描き方、裏の唐草模様など、典型的な江戸後期の伊万里焼です。
この皿の見どころはただ一つ、奇妙な図柄です。
右に大きな芭蕉のような植物。
中央に三星(北極星)、左にあずま屋。
そして中央に・・・
ヒョロヒョロの人物が二人。
唐人でしょうか。一人はこちらを向き、もう一人は空を見上げています。
何とも奇妙な皿です。
柳腰の唐人が二人描かれた古伊万里皿は時々見かけます。それらと何か関係があるのでしょうか。
もう一つの謎は三星です。
これまで、三星(北極星)が描かれた陶磁器を2種、紹介しました。
そして、今回の品。
『古伊万里染付ヒョロヒョロ人物中皿』
三星と奇妙奇天烈な図は、どんな関係にあるのでしょうか(『古染付魁星点斗図煎茶碗』の場合は、極星が傑出した人物、魁星を象徴しています)。