遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

祝!ブログ5周年!『陶胎七宝蝶紋コンポート』

2024年01月08日 | 陶磁胎七宝

今日で遅生の故玩館ブログも、yahooブログから通算5年となりました。

節目の一品ということで、とっておきの陶胎七宝を紹介します(実は、年賀ブログの写真でした(^^;)

径 21.5㎝、高 11.3㎝、重 805g。明治初期。

陶胎七宝は、通常の金属胎七宝と異なり、陶磁器の上に七宝釉薬を焼き付けた物です。

これまで、いくつかの陶胎七宝をブログにアップしてきました。未紹介の品も含め、故玩館所蔵の陶磁胎七宝のうちで、今回の品が美術工芸品として一番優れているので、紹介する次第です。

器のほぼ全面に七宝が施されています。七宝釉は、近代七宝以前に使われていた艶の無い、いわゆる泥七宝です。

器の外周と足部は、金彩が塗られています。

底に、「日本京都錦光山造」と書かれています。

明治初期に作られた陶胎七宝の主要産地は京都でした。そして、その中心が京焼の錦光山、象牙色の胎土表面にハート形の植線をびっしりと配置して地模様とし、花蝶紋を散りばめたデザインが特徴的です。

今回の品は、その代表作と言っていいでしょう。

中央に四匹の蝶。

そのまわりを、牡丹と桜の花が取り囲み、

さらに外を多くの蝶が舞っています。

 

蝶は、大蝶が11匹、小蝶が9匹、計20匹です。

裏面やステム部にも手抜きがありません。

表面と類似の模様で七宝が施されています。

大きな蝶が、表面より密度濃く飛んでいます。

やはり、牡丹と桜の模様も。

脚下部も、蝶とハート形地模様がビッシリ。

裏面、脚部の蝶は、大蝶が14匹です。

驚くことに、コンポートに描かれた蝶の色模様は、全部異なっています。

京焼の雄、錦光山の意地を世界に示そうと、気概にあふれていますね。

徒然なる時に、いったい何個のハート形地模様があるのか、数えてみたいと思います(^^;

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする