遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

金工11 古錫蓮葉ニ蝶紋茶托

2020年05月01日 | 金工

古い錫の茶托、5枚です。

 

     径 12.2㎝、重 122g (5枚、618g)

蓮の葉の上に蝶がのっています。

前回の茶托とよく似ていますが、少し薄造りで軽いです。

 

裏側には、前回の茶托と同じく、轆轤目が見えます。

裏の銘は、「点銅 乾茂造」。「乾茂」は、唐物の古錫製品に最もよくみられる銘です。時代は、清朝後期でしょう。

 

この茶托のポイントは、何といっても、中央の蝶模様です。

女性に注目していただける、数少ない一品です(^.^)

 

中央の蝶ですが、5枚の内、2枚はこちらの図柄です。

触覚が太く、蛾のようにも見えます。

まさか、蝶と蛾を描きわけている訳ではないとは思いますが・・・・・・・・

いずれにしても、味わいがあります。

 

この茶托、作りが薄い分、いろいろ細工がしてあります。

まず、外側が輪花になっています。

さらに、蓮葉は、葉脈に囲まれた部分がいくつかのブロックになっていますが、それぞれが少し凹型に成型されているのです。

 

日本では、明治時代の蓮の葉のデザインが流行しました。その理由ははっきりしませんが、唐物の影響があったのかも知れませんね。

 

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2020-05-01 08:30:55
一瞬、更新されているとは思いませんでした(-_-;)
前回と同じと思ってしまいました。

錫の茶托も沢山所蔵されているんですね。
私は、前回の物より、こちらのほうが好きです(^^;
無教養のため、漢詩にカンシンがなく、漢詩文が無教養をあざ笑っているように思えるてしまうからです(笑)。
蝶も触角の細いほうが好きですね。
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Dr.Kさんへ (遅生)
2020-05-01 08:49:05
確かに漢詩文は敷居が高いですよね。昔は、これが教養だったんでしょうが、今は受けません。かつて骨董屋が、もう山水の掛軸はダメだ、わかりやすいもんでないと、と言っていたのを思い出します。まあ、その分、買いやすくなったのも事実ですが(^^;)

蝶か蛾か迷うところですが、酒田の人さんによると、蝶と蛾の明確な境はないそうです。それを聞いて何となくホッとしました(^.^)
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Unknown (tkgmzt2902)
2020-05-01 12:45:26
こんな古美術品でなく、昭和30年前後に家庭では普通使いの錫の茶托がありました。子供心にも薄汚れて見えて、その頃出回り始めたピカピカ光るプラスチックのえんじ色の茶托に、新鮮さと新しい時代を感じました。

愛嬌のある蝶に親しみを感じますが、日本の超絶技巧の細工だったらもっと繊細な蝶になっていた(*^o^*)かも。
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tkgmzt2902さんへ (遅生)
2020-05-01 13:51:31
プラスチックも、あと200年もすれば、けっこうなアンティークになるかも知れませんね。実際、ある人から、いずれそうなるから故玩館に集めておいたらどうかと言われたこともありました。もう一杯ですからと断りました(^^;)

確かに味わいのある蝶ですね。描けそうで描けない(^.^)
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Unknown (つばめ)
2020-05-01 23:37:50
錫の茶托、沢山お持ちなのですね!
存在感があるのに、蝶との調和がいい
私は、なぜか現代のものよりも、古い絵柄が好きです。繊細で緻密、そしてセンス抜群なものが多いように思うからかも知れません♪

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つばめさんへ (遅生)
2020-05-02 06:27:47
古いものには、ハッとする品やなるほどと納得する品が多くありますね。
手抜きがなく、作為も小さいので、今の我々にとって、デザインなど新鮮に感じ、すなおに受け入れやすいのかもしれません。
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