茨城・鹿嶋市、県産食材の給食使用を見合わせ
茨城県鹿嶋市教育委員会が、福島第一原子力発電所事故による
放射線の影響を不安視する声を受けて、学校給食に県産食材の使用
を見送っていることが28日、分かった。
県内の農畜産関係者らは「風評被害を助長する」として、市教委
の対応を疑問視している。
市教委の担当課によると、県産食材の使用を取りやめているのは、
市内17小中学校のうち市学校給食センターで調理している16校の
給食。肉、野菜、魚など給食に使う食材の大半を関西や四国地方
などから仕入れているという。学校給食が再開された4月中旬以降、
保護者から給食の安全性について不安の声が相次ぎ、市教委は県産
食材の使用を見合わせる措置を取った。
市教委はホームページでも、学校給食の食材について「摂取制限
や出荷制限が出されている食材は使用していない」「当面は、西日本
産を中心に食材を発注」「牛乳は福島産や茨城産原乳は使用して
いない」などとうたっている。
(2011年5月29日03時05分 読売新聞)
------------------------------------------------------------------------
上の記事を読んでとても嫌な気分になりました。
我が子を心配する親たちが、まるで風評被害の”加害”の一端を担って
いるかような書き方です。
これまでの経緯を考えれば、学齢期の子を持つ親が茨城県産の食材を
「なるべく食べさせたくない」と考えるのは、ごくごく自然だと思わ
れます。
そもそも畑や牧草を汚したのは東京電力福島第一原子力発電所
から飛んで来た放射性物質であり、生産者も消費者も被害者です。
なのに生産者と小さな子どもを持つ親の対立をことさら煽るとも
とれる記事を掲載するのは、どうしてなのかなぁ?
------------------------------------------------------------------------
分割統治(ぶんかつとうち)日本大百科全書(小学館)
divide and rule
支配者が被支配者を分割、すなわち被支配者の団結を妨げて分裂
させ、それをもって統治を容易にさせようとすること。「分割して
統治せよ」ということばは、元来は古代ローマ帝国のその支配地域
における統治術をさしたものである。そこでは被支配部族・民族が
互いに離反・対立するように策し、ローマの支配に対する彼らの
敵愾心(てきがいしん)を分散させ、被支配者の連帯よりもローマ
への忠誠心を生み出すようにした。そうすることでローマ帝国の
統治を容易にした。こうした統治術は植民地時代に欧州列強に
よって用いられ、イギリスやフランスなどは分割統治を原則として
植民地住民を統治した。(後略) [ 執筆者:青木一能 ]