今回の旅のクライマックスは、なんといっても
島の北東側にポツンとある「頭ヶ島教会」
橋で海を渡り山をまわりこんで急カーブを下ると、
大地に根を下ろす石造りの教会と小さな集落があらわれた
現在は、13戸20人で支えている教会、高齢化で今は維持するだけでも大変だそうです
今まで、木造建築やレンガ造りの教会を見てきたが
この頭ヶ島教会は、目の前の小島や島内、中通島などから、
採石した石で造られている、珍しい教会であり とても風格のある教会であった
1軒をのぞいて皆キリシタンだったという頭ヶ島。
五島崩れの時、信徒は牢から全員逃げ出して島を離れ、迫害が終わってからこの地に戻ってきた。
頭ヶ島天主堂は、鉄川与助の設計施工によって建設され、近くの石を切り出して、
1917(大正6)年に完成し、2年後の1919(大正8)年にコンパス司教により祝別・献堂された。
2001(平成13)年に国指定重要文化財、
更に世界遺産暫定リストに掲載さた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する教会堂のひとつである。
『五島列島 教会めぐり』より
中央の扉を開き、中に入ると
外観の厳しい印象とは対照的に
壁や柱、天井の飾りなどは
ピンク、空色、淡いグレーといったパステル調の色合いで
ふんわり、柔らかな印象であり
一気に、冬から春を迎えたような錯覚さえ感じた
柱の各所には、島の花である白い椿の花の装飾があり
この内部は
迫害から逃れてきた者達の、安らぎの空間であった事が良くわかる
多少、歪みのあるステンドグラスも歴史を感じさせる
天井を眺め、物思いにふけていると
大空高く羽ばたいてるトンビの鳴き声が聞こえ
寄せては引く、波の音が聞こえてくる
静かな集落である
海を見下ろし、近くにあるキリシタン墓地を見守り
どっしりと構えた、頭ヶ島教会
世界遺産として、是非とも残してもらいたい教会ですね
五島列島・新上五島 教会めぐり
完