ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

将来の産婦人科医療を支える新人医師の育成

2006年02月15日 | 地域周産期医療

従来は、医学部学生の産婦人科への勧誘、新人の育成などは、すべて大学医学部の役割でした。従来、われわれ市中病院に勤務する医師には、医学部学生との接点は全くなかったし、医学部卒業後の医師の初期研修に関わることも全くありませんでした。

しかし、最近、卒後臨床研修制度が大きく変更されて、医学部卒業後の2年間で主要な科をローテートする卒後初期臨床研修が義務化され、医学部卒業後の最初の研修先として、従来の大学だけではなく、市中病院も多く選ばれるようになりました。当院でも多くの初期研修の医師が在籍し、6週間ずつ当科で産婦人科研修をしています。また最近は、医学部学生の臨床実習を市中病院で実施することも多くなり、当科でも医学部学生の臨床実習が行われています。

ですから、われわれ市中病院に勤務する医師も、医学部学生と多く接するようになったし、医学部卒業後の医師の初期研修にも深く関わるようになりました。せっかく学生や研修医達との接点ができたので、できるだけ魅力的な産婦人科研修ができるように努めています。産婦人科入局の勧誘も熱心に行っています。私の勧誘の具体的な成果はまだ全然でていませんが...

また、大学医局から1~2年間のローテーションで派遣されてくる若い産婦人科医達は、毎日ここで様々な症例を経験しています。当産婦人科チームの一員として思う存分に働き、大いに学び、多くの基本技術をしっかりと身につけて習熟してほしいと思っています。多くの若い産婦人科医達がここから巣立って、さらに大学などで大きく成長して、現在、県内各地で大活躍しています。

今後も、我々のできる範囲で、将来の県内の産婦人科医療を支える新人医師の発掘・育成に大いに協力していきたいと思っています。また、基本資格である産婦人科専門医資格を取得した中堅医師達に対して、大学やこども病院とも密に連携して、周産期(母体・胎児)専門医や婦人科腫瘍専門医などのサブスペシャリティ専門医資格を目指して修練する場を提供できるように、病院の体制をしっかりと整備してゆきたいと考えています。