コメント(私見):
佐藤教授が日経メディカルオンラインに寄稿された文章に、今まで私がずっと疑問に思っていたことが非常に詳しく記載されていましたので、ここに引用させていただきます。特に、
①子宮後壁の癒着胎盤であったことが、福島県立医大の病理検査で確認されている。
②県の医療事故調査委員会の報告書は県の意向に沿って作成されたもので、佐藤教授が県に訂正を求めたが、「こう書かないと賠償金は出ない」との理由で却下された。
の2点は非常に重要だと思います。
子宮後壁の癒着胎盤とのことですから、帝王切開の既往とも関係ありませんし、癒着胎盤と手術前に診断することも予測することも不可能だったと考えられます。
私自身も県の事故報告書を最初に読んだ時に、「こう書かないと賠償金が出ない」という県の強い意向に沿った形で作成されたものではないのか?との疑念を抱きましたが、今回そのことがはっきりしました。
そもそも、正当な医療行為に対して、医療過誤があったということにして賠償金を出そうという考え方が根本的におかしいし、そのために一人の医師の人生がめちゃくちゃにされ、日本の産科医療を崩壊の方向に加速させているこの事件の意味するところは非常に重大です。この裁判の行方を注視してゆく必要があります。
参考:県立大野病院・事故報告書