ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

産科・小児科・麻酔科医 研究資金貸与で県内へ呼び込み

2007年02月04日 | 地域周産期医療

産婦人科診療も、大勢のスタッフを擁するチームでやっていれば、それほどの激務にもならないし、毎日、楽しくやっていけます。各自、自分の専門領域の学会にはしっかり参加し、周産期医学、婦人科腫瘍学、生殖医学、内視鏡手術などの自分の専門性に磨きをかけることも可能ですし、家族と一緒に過ごす時間も大切にし、プライベートの趣味の時間も確保して、楽しい充実した人生を送ることも可能だと思います。

勤務先の諸般の事情などによって、今は一時的に産婦人科の診療を中止してはいるけれど、条件さえ整えば、産婦人科の診療にまた従事してみたいという意欲のある先生方もいらっしゃると思います。そういう方々には、一つの選択肢として、ぜひとも本制度を活用して我々の仲間に加わることも検討していただきたいと思います。

しかしながら、他県でも医師不足で困りきっているのが現状ですから、他県から当県に医師が移動すれば、当県にとっては非常にありがたいことですが、逆に、医師が去った方の県にしてみれば非常に大きな痛手です。

また、いくら他県から当県に医師が入って来たとしても、それ以上に当県から他県に多くの医師が出て行ってしまうようでは、トータルの医師数ではマイナスとなってしまいます。

従って、現時点で、県内の病院に何とか踏みとどまって辞めずに頑張っている医師達が、今後、辞めないでも済むような対策(例えば、医師の中核病院への集約、勤務環境や待遇の改善、ワークシェアリング、院内保育所の整備、など)が非常に重要だと思います。

****** 医療タイムス、長野、2007年2月2日

産科・小児科・麻酔科医 研究資金貸与で県内へ呼び込み

~県 来年度、予算に医師確保で9300万円計上へ

 県は、2007年度当初予算のうち衛生部分の知事査定を 1月31日までに終え、1日結果を発表した。目玉となる「医師確保等総合対策事業費」では、今年度当初予算の約5.5倍にあたる9275万円を当初予算案に計上する。

 医師確保対策では、今年度スタートした医学生への就学資金貸与、家庭医養成塾、臨床研修病院合同説明会への産科に加え、 ▽産科・小児科医療提供体制再構築促進事業 ▽医師確保緊急対策事業 ▽県ドクターバンク事業 ▽女性医師就業環境整備事業--の4つの新規事業を行う。

 「産科・小児科医療提供体制再構築促進事業」(518万円)は、産科・小児科医療を、中核病院を中心に集約化したシステムで対応する方向で再構築するため、県民シンポジウムを開催して集約化に理解を求めるほか、現在議論が進んでいる「県産科・小児科医療対策検討会」の検討結果を受け、各地域で具体策の検討を進める。助産師外来などの支援も行う。

 「医師確保緊急対策事業」(3100万円)は、医師不足が顕著な産科、小児科、麻酔科の医師を確保するため、県外から県内医療機関に着任する医師に、インセンティブとして研究資金を貸与する。貸与額は県内での勤務期間 3年以上で300万円、 2年以上で200万円を予定している。また、県内の後期研修病院で研修を受ける後期研修医に対して、研修奨励金として 1人30万円を支給し、県内への若手医師定着を誘導する。

 「県ドクターバンク事業」(282万円)は、県外の医師や医学生に対し、県内医療機関の求人をあっせんする。

 「女性医師就業環境整備事業」(322万円)は、女性医師ネットワークの交流支援、出産や育児で現場を離れた女性医師の再研修に対する助成、ワークシェアリングなどの柔軟な勤務体制を導入するモデル医療機関への助成を盛り込んでいる。

 今年度から継続する「県医学生就学資金貸与事業」では、継続分15人に加え、来年度新たに 5人分に貸与する予定。予算額は4800万円となる。

(医療タイムス、長野、2007年2月2日)