国神が 国を離れた
国神が 国民に与えていた
誇りの衣が 消えた
あれほど 大きく見えた
国の人間たちが 寂しい嘘に見える
最後の真珠と 同じように
消えたものは 二度と帰りはすまい
もう時は来たか
扉は開いたか
ボレアスは笛を吹いたか
十字架の立っていた丘に
ひとり立ち 復讐の刃を磨く者はだれか
おのれの首を 自らとり外し 犬に預け
何千年と馬鹿の仮面をかぶり続けてきた
そのひとの真意は何だったか
孤独の刃の影に隠していた
あなたの本当の魂は何だったのか
ウラヌス 氷の影の星よ
国神が 国を離れた
とうとう 離れた
国の誇りが 萎えた花のように
幻に消えてゆく
あれは 何だったのかと
夢の記憶に すべてが吸い込まれていく
虹が刃のように空を切る
人々が気づくのは
何もかもが終わった後だ
それでも気づかぬ者もいるだろう
主よ ごらんあれ
何千年の間 犬の中に隠していた
その誇りを
すべてかけて行う
わたしの技を
国神が 離れた
国に 背を向けた
とうとう 始まる