幸せは
遠い山影のようなもの
すぐ近くに見えるからと言って
それに向かってただ進んでいるだけでは
たどりつけません
あの山に行くには
途中に森があり 川があり
海がある
時にあなたがたは
森をよけるために道を曲がらねばならず
川にぶつかって橋を探さねばならず
海に出会って船を造らねばならなくなる
時には激しい風雨に出会い
後退せねばならないこともある
あなたがたが
思うように幸せにたどりつけないと
苦しんでいるなら
右や左に道をそれてみなさい
後ろに下がってみなさい
時にはあきらめもしてみなさい
そうやってたくさんの道を探っているうちに
思わぬ自分の本当の姿が見えてくるでしょう
なぜあの山にたどりつけないのか
それはまだあまりに自分が小さいからなのです
幸せの山にたどり着いても
そこからまた登る道がある
人間の生きる道は果てしない
では幸福とはいったい何なのかと
考えてみなさい
あの幸福は
本当の幸福ではないのだろうかと
疑ってみなさい
では自分はどこに行こうとしているのか
一体何なのかと
考えてごらんなさい
そうすればあなたがたは
いずれ自分の中にある
確かな幸福を見出すことができるでしょう
人間の幸福とは
自分が自分であることなのだと
わかることができるでしょう