チャン イーモウ監督の映画を初めて見た。「あの子を探して」
ヴェネチア映画祭でグランプリを獲った作品だけあって、深く深く心に残る素朴でとてもいい映画だった。
ストーリーは、中国の農村の壊れかけた小学校を舞台に、教師の代理を務めることになったまだほんの15歳くらいの少女が、家の借金返済の為、学校をやめて街に出稼ぎに出てしまった11歳の男の子を連れ戻しに街に出る話。
まず村自体、学校自体に驚く。現代と思えないほど、周りに緑のような色もなく灰色の世界。
大丈夫なの?と思えるような、突然学校に連れてこられた、歌さえまともに歌えない代理教師の少女。それに、置かれた境遇に嘆くこともなく、ただただ純粋で賢い学年もマチマチな生徒たち。
一見とても可哀想に思える話なのに、全編通して、そんな憐憫の情は不要とばかりにどこかユーモラスで、諦めない。見てるこっちが、何度も、もう諦めちゃいなよと言いたくなるのに、少女は諦めない。そんなつもりもない。だって、そもそも、苦労を苦労と思っていないんだもん。
不平不満をすぐにこぼしたがる、しょうもない私にとって、この映画のウェイ先生の「苦労を苦労と思わない」姿は、まさに「目から鱗」だった。
見終わってからも、あまりにじわりじわり心を離れないので、翌朝家族に話して、話を聞いた夫が見たがって、家族でもう一度見た。子供たちの心にどう映ったかはわからないけど、
私の心には未だにじんわり来ていて、忘れられない。
忘れたくもない。
私もせめて、苦労を苦労と思わない、ウェイ先生の爪の垢でも煎じて呑みたい。
『あの子を探して』 日本予告篇
ヴェネチア映画祭でグランプリを獲った作品だけあって、深く深く心に残る素朴でとてもいい映画だった。
ストーリーは、中国の農村の壊れかけた小学校を舞台に、教師の代理を務めることになったまだほんの15歳くらいの少女が、家の借金返済の為、学校をやめて街に出稼ぎに出てしまった11歳の男の子を連れ戻しに街に出る話。
まず村自体、学校自体に驚く。現代と思えないほど、周りに緑のような色もなく灰色の世界。
大丈夫なの?と思えるような、突然学校に連れてこられた、歌さえまともに歌えない代理教師の少女。それに、置かれた境遇に嘆くこともなく、ただただ純粋で賢い学年もマチマチな生徒たち。
一見とても可哀想に思える話なのに、全編通して、そんな憐憫の情は不要とばかりにどこかユーモラスで、諦めない。見てるこっちが、何度も、もう諦めちゃいなよと言いたくなるのに、少女は諦めない。そんなつもりもない。だって、そもそも、苦労を苦労と思っていないんだもん。
不平不満をすぐにこぼしたがる、しょうもない私にとって、この映画のウェイ先生の「苦労を苦労と思わない」姿は、まさに「目から鱗」だった。
見終わってからも、あまりにじわりじわり心を離れないので、翌朝家族に話して、話を聞いた夫が見たがって、家族でもう一度見た。子供たちの心にどう映ったかはわからないけど、
私の心には未だにじんわり来ていて、忘れられない。
忘れたくもない。
私もせめて、苦労を苦労と思わない、ウェイ先生の爪の垢でも煎じて呑みたい。
『あの子を探して』 日本予告篇