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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

夏目漱石三部作を読んでみて

2016-11-28 22:55:38 | 私の読書日記
今年で、夏目漱石の没後100年になるらしい。

そんな事とは知らず、夏頃、なんだか急に読みたくなったので、「三四郎」「それから」「門」と三部作と言われる三冊を読んだ。

まず「三四郎」は今でいう東大の大学生。故郷の熊本から東京に出てくる汽車から話が始まる。
興味深かったのは、その汽車で向かい合わせた子供のいるらしい女性と、途中下車した駅で別に恋に落ちたとかでなく、同じ宿屋の部屋に泊まったりしたことだとか、東大近辺の街の様子、当時の暮らしぶりなんかが新鮮に感じられて面白い。必ず下女がいて、身の回りのことをやってくれる住み込みのお手伝いさんってことだと思うけど、「下女」って言葉がなんだかイヤねえ、、、

2作目の「それから」が正直一番苛々しながら読んだ。
主人公の代助がいい年してとにかく働かない。日毎思索に耽ってばかり。
私、働かない男が何より嫌い。だから、もう最初から最後まで煮え切らない親のすねかじりの代助が腹立ってしょうがなかった。


3作目の「門」が一番面白かったような気がする。
三部作だけど、主人公の名前も違うし、何となく続いているようで違う。
「門」では、宗助が(今度はちゃんと働いている)親友の妻を奪って結婚し、
夫婦二人で、裏切ったことをずっと負い目にしながらも、慎ましく暮らしている中でのことを描き、
「それから」は、代助が、親友に、自分も好きだった女性と結婚させてしまったことを後悔して悶々とする様を描いている。

「門」はなんだか切ない。
そんなに裏切ったことを負い目に思ってるなら、最初にどうしてそうしたのよ、と怒りたくもなるし、
そうまでして一緒になったんだから、あとはもう責任とって幸せにおなりなさいよ、と叫びたくもなる。

漱石って、どうしてこういう横恋慕して親友の妻とかを奪っちゃって罪の意識に苛まれる話が多いの??

女なら、砂の数程もいるのに、どうしてよりによっていつも親友の妻??

他人の物が欲しくなるのかなあ。。。