DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

対処に問題あり(スーパーバンタム級ほか)

2022年12月06日 05時55分59秒 | 世界ボクシング

先週末3日・土曜日、韓国で行われた試合結果です。
スーパーバンタム級戦(10回戦):
前WBOバンタム級王者ジョンリエル カシメロ(比)無効試合2回2分25秒 元日本バンタム級王者赤穂 亮(横浜光)

*試合が終わるまで、打ち合い満々の両者がキビキビとしたパンチの交換を繰り広げていた好試合。2回早々には、強引に攻撃を仕掛けていたカシメロに赤穂がパンチを合わせダウンを奪っています。

ダウンによるダメージが全くなかったカシメロは、試合再開後に攻撃の手を強めていきます。何度もライバルにクリーンヒットを当てていった比国人でしたが、勢い余って赤穂の後頭部を打ってしまいました。レフィリーはそこで試合を一時中断し、赤穂に休息時間を与えます。数分のインターバルの後、赤穂は試合再開に応じることが出来ずにそこで試合終了。結果は無効試合という消化不良のものとなってしまいました。

今回の結果は、主審(レフィリー)の判断ミスが大きいように思われます。カシメロのパンチが赤穂の後頭部に当たっていたことは紛れもない事実。そして、赤穂に休息時間を与えた判断も間違っていませんでした。しかしその後の対応が不適切でした。

赤穂の休息時に、レフィリーはカシメロに注意を与えるか、少々厳しいですが、減点を科すべきでした。そして同時に、赤穂には1分ないし数分の休息時間を与えることを明確に伝え、試合の続行が無理な場合はTKO負けになることを伝えるべきでした。今回の無効試合はレフィリーの判断ではなく、「赤穂の試合継続は無理」とい意思を尊重した本末転倒といったものと言っていいでしょう。

海外メディアやファンからは、日本国外で行われた試合で、日本レフィリーが日本人選手を救ったという非難が殺到しています。赤穂がラビットパンチ(後頭部へのパンチ=反則打)以前のカシメロの攻撃により、ダウンを受けていたことは試合を見れば明白。日本人にとり、命拾いした結果となっています。両者による早期の再戦を行い、明白な勝敗を付ける事に期待しています。

 

スーパーフェザー級戦(10回戦):
元WBOアジア太平洋スーパーフェザー級王者渡邉 卓也(Dragon Aoki)判定2対0(97-93、96-94、95-95)元WBOバンタム級/WBCフェザー級王者ジョニー ゴンザレス(メキシコ)

*これまでにWBOアジア太平洋をはじめ、いくつかの地域王座を獲得してきた渡邉ですが、日本とOPBF(東洋太平洋)王座への挑戦は何度も失敗してきました。そんな苦労人が、僅差の判定ながらも元世界2階級制覇王のジョニー ゴンザレスを破る大金星を挙げています。

敗れたとはいえゴンザレス、本当に息の長い選手です。プロデビューは前世紀末の1999年8月末まで遡ります。2005年10月にWBOバンタム級王座を獲得し、その王座は2007年8月にジェリー ペニャロサ(比)のボディーブロー一発にやられ手放しています。2009年5月には、地元メキシコで行われたWBCスーパーバンタム級戦、対西岡 利晃(帝拳=引退)の強打の前に逆転TKO負け。しかし2011年4月に、神戸のリングで長谷川 穂積(真正=引退)に圧勝しWBCフェザー級王座を獲得。2015年3月に、2度目の世界フェザー級王座から陥落した後も定期的に試合を重ね、今回の敗戦後の戦績は69勝(56KO)12敗(4KO負け)1引き分け。世界王座への返り咲きは難しいでしょうが、まだまだ頑張る姿を見せて貰いたいですね。

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