昨年2022年の大晦日(と言っても僅か6日前ですが)、東京都大田区総合体育館で行われた試合結果です。
2団体スーパーフライ級王座統一戦:
WBA王者ジョシュア フランコ(米)引き分け(1対0:115-113、114-114x2)WBO王者井岡 一翔(志成)
*6回までの前半戦を見ると、左ジャブとボディーをピンポイントに当たていた一翔が「後半戦にストップ勝ちするのでは?」と思わせる試合展開でした。しかし後半戦になると、フランコがその体力とタフネス、そして手数を十二分に発揮。WBA王者が驚異的な追い上げを見せ、両チャンピオンが痛み分けという結果となりました。
フランコの粘りというか、体力/タフネスにはただただ驚かされました。一翔のパンチを物ともせず、ラウンドを重ねるごとにエンジンの出力を上げていきました。相手がガードが固く、技術もしっかりとしたものを持った一翔だったから生き残ることが出来ました。しかし並みの選手だったら、米国人の勢いに飲み込まれていたでしょう。
フランコ、一翔にとり残念な試合結果となってしまいましたが、両者の持ち味が見れた素晴らしい試合でした。客観的に考えると、地元で何とか王座を死守した一翔より、敵地で引き分けまで持ち込んだフランコに軍配、といった所ですね。そのためか、WBC王者ファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ)とフランコによる対戦話が持ち上がっているようです。しかしこれだけの熱戦を演じたフランコと一翔。両者が指名挑戦者との防衛戦クリア後に、再戦を見てみたいものです。
引き分けという結果、二人の世界王者が共に防衛記録を伸ばしたスーパーフライ級戦線。下記は2023年1月6日現在の同級の王者たちとなります。
WBA:ジョシュア フランコ(米/防衛回数3)
WBC:ファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ/0)
IBF:フェルナンド マルティネス(亜/1)
WBO:井岡 一翔(志成/5)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:空位
日本:空位
*一翔は前WBOフライ級王者中谷 潤人(M.T)との防衛戦が待っています。出来ればその試合の勝者とフランコとの一戦が実現してほしいですね。今回の試合結果から、田中 恒成(畑中)のスーパーフライ級での世界再挑戦は延びる事になるでしょう。WBO王座に固着せず、WBCやIBF、もしくはフランコへの挑戦も視野に入れていくべきでしょう。田中本人は望まないでしょうが、現段階では日本やOPBF王座狙いもアリではないでしょうか。