DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBCフライ級:1993年12月13日)

2023年12月13日 05時12分45秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1993年12月13日、京都市立体育館で行われた試合結果です。
WBCフライ級戦:
王者勇利 アルバチャコフ(協栄)判定3対0(118-111、117-113、116-112)挑戦者車 南勲(韓国)

*この年の3月に、「ユーリ 海老原 アルバチャコフ」というリングネームで敵地タイに乗り込み、見事なボクシングで前王者ムアンチャイ キティカセム(タイ)を返り討ちにしたユーリ。7月には「ユーリ アルバチャコフ」の名で神戸のリングに登場。指名挑戦者イサイアス サムディオ(米)との接戦を制し3度目の防衛に成功。サムディオ戦は、世界戦としては初の米露対決として注目を集めました。

1993年の師走に日本の古都京都で行われた対車戦では、「勇利 アルバチャコフ」という名でアナウンスされました。この名がこの試合以後のユーリのリングネームとして定着する事になりました。ここでは、便宜上から「ユーリ」で統一していきます。

(ユーリの4度目の防衛戦の相手を務めた車)/ Photo: BoxRec

ユーリにとり4度目の防衛戦となった一戦。OPBF(東洋太平洋)王者でもある挑戦者は、22勝(13KO)1敗1引き分けの好戦績を持つ実力者。そんな強豪相手に、ユーリはフルラウンドに渡り安定したボクシングを展開していきます。

初回から、左ジャブからの右ストレートのワン・ツーを中心とした多彩なコンビネーションで車を圧倒していくユーリ。中盤戦になると、挑戦者も王者のマウスピースを飛ばすなど、アジアの代表としての意地を見せます。しかし終盤戦は再び王者のペースに。

11回、スリップ気味ながらもダウンを奪ったユーリは最終回、コンビネーションで挑戦者をあと一歩の所まで追いつめます。残念ながら時間切れで挑戦者にとどめを刺せなかったユーリ。しかし明白な判定勝利で防衛記録を伸ばすと同時に、名実ともに安定王者の仲間入りを果たしました。この時期からユーリは、日本の枠を超え、世界的な実力者として海外メディアにも報道されていくことになりました。

「ロシアン・スナイパー」が日本が世界に誇る京都で、充実した一年を締めくくっています。

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WBA暫定戦再び!?、などなど(色々:12‐12‐23)

2023年12月12日 05時40分06秒 | 世界ボクシング

最近(2023年12月12日ごろ)のニュースです。

1)消滅した筈だったWBA世界暫定王座戦が新年早々に行われる予定です。来年/来月6日に予定されるスーパーライト級王座決定戦。その試合に出場するのはオハラ デイビス(英)とイスマエル バロッソ(ベネズエラ)。

2)減量苦から、それまで5度の防衛に成功していたWBOスーパーウェルター級王座を返上したハイメ ムンギア(メキシコ)。その後ミドル級で7連勝を飾り、今年に入りさらに階級アップをしスーパーミドル級に主戦場を移しました。このムンギアが来月27日、前WBOスーパーミドル級暫定王者ジョン ライダー(英)と対戦するという好カードが実現します。この一戦は下手な世界戦より、余程注目度の高い一戦です。

3)10月末に敵地メキシコに乗り込み、大逆転劇を演じWBCスーパーフェザー級王座の防衛に成功したオシャキー フォスター(米)。来年2月16日、米国ニューヨーク州にあるボクシングの殿堂マジソン・スクエア・ガーデンのリングに登場。アブラハム ノヴァ(米)を相手に保持する王座の2度目の防衛戦を行います。

4)大晦日での井岡 一翔(志成)との対戦が消滅したファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ)。結局、今年は実戦を行うことなく終えてしまいました。エストラーダは今後、スーパーフライ級でのビックマッチに加え、バンタム級での世界3階級制覇をも視野に入れていく方針のようです。

5)今年10月に比国のリングで空位だったOPBF(東洋太平洋)ライト級王座を争った鈴木 雅弘(角海老宝石)とロルダン アルデア(比)。その試合は引き分けで新王者誕生なりませんでした。この両者が来月20日、後楽園ホールのリングで再び同じ王座を賭け対戦します。

6)元日本スーパーフェザー級、OPBFスーパーライト級王者内藤 律樹(E&Jカシアス)が今月2日、豪州のリングに登場。パプアニューギニア出身のルイ マカイバと5回戦(!?)で対戦し、4回TKO勝利を収めています。この試合は内藤にとり2年ぶりの実戦で、実に3年ぶりの勝利となりました。

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ガルシア、再起に成功(スーパーライト級ほか)

2023年12月11日 05時07分16秒 | 世界ボクシング

今月2日、米国テキサス州で行われた試合結果です。
スーパーライト級戦(12回戦):
ライアン ガルシア(米)KO8回2分51秒 オスカル ドゥアルテ(メキシコ)

 *今年の4月に、ジャルボンテ デービス(米)との同世代+次期スーパースター対決に敗れたガルシア。8ヶ月のインターバルを経て、これまで主戦場としてきたライト級から一階級上げ、再起戦に臨みました。

ガルシアが再起戦の対戦相手に選んだのは、26勝(21KO)の戦績を持つドゥアルテ。ガルシアはそんな強打者を相手に、フットワークを駆使した新たなスタイルを披露しました。自身の打たれ脆さを意識してのスタイルチェンジか、ポイントではリードするものの、メキシカンの攻撃に「逃げ腰」のアウトボクシングを展開することになってしまいました。

8回終了間際に、右の強打でライバルを仕留めることに成功したガルシアですが、新たな船出は万々歳という内容ではありませんでした。まだまだ注目度が高い選手なだけに、今後の活躍に期待しましょう。

面白い存在が参入してきたスーパーライト級戦線。2023年12月8日時点での、同級のタイトル保持者たちを確認しておきます。

WBA:ローランド ロメロ(米/防衛回数0)
WBC:レジス プログレイス(米/1)
IBF:スブリエル マティアス(プエルトリコ/1)
WBO:テオフィモ ロペス(米/0)
OPBF(東洋太平洋):永田 大士(三迫/0)
WBOアジア太平洋:井上 浩樹(大橋/0)
日本:藤田 炎村(三迫/1)

 

ミドル級戦(10回戦):
シェーン モズレー 2世(米)TKO6回終了 ジョシュア コンリー(米)

*元世界3階級制覇王シェーン モズレー 1世を実父に持つモズレー。ミドル級とスーパーミドル級の2階級を行き来しながら、世界挑戦の機会を狙っています。モズレーは今回、中堅選手コンリーを相手にミドル級10回戦に登場。無難なTKO勝利を収めています。

世界まであと一歩何かが足りないモズレー。戦績を21勝(12KO)4敗としています。来年2024年にはどれだけ飛躍することが出来るのでしょうか。

下記はモズレーが主戦場とする階級の一つであるミドル級の王者たちとなります(2023年12月11日現在)。

WBA:エリスランディ ララ(キューバ/防衛回数1)
WBC:ジャモール チャーロ(米/4)
WBC(暫定):カルロス アダメス(ドミニカ/1)
IBF:ジャニベック アリムハヌリ(カザフスタン/0)
WBO:ジャニベック アリムハヌリ(カザフスタン/3)
OPBF(東洋太平洋):竹迫 司登(ワールドスポーツ/0)
WBOアジア太平洋:空位
日本:国本 陸(六島/2)

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意見番(12‐10‐23)

2023年12月10日 05時16分03秒 | ボクシングネタ、その他雑談

*試合実現まであと半月になりました。注目は、対抗王者がどれだけ頑張れるか、でしょうな。

Photo: Amazon.co.jp

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今週末の試合予定

2023年12月09日 05時46分41秒 | 世界ボクシング

2023年12月第二週末の主な試合予定です(2023年12月9日から12月15日まで)。

9日 土曜日
米国カリフォルニア州
WBCスーパーライト級戦:
王者レジス プログレイス(米)対 挑戦者デビン ヘイニー(米)

米国フロリダ州
WBOフェザー級戦:
王者ロベイシー ラミレス(キューバ)対 挑戦者ラファエル エスピノサ(メキシコ)

10日 日曜日
英国
WBOクルーザー級戦:
王者クリス ビラン スミス(英)対 挑戦者マテウス マスレルナク(ポーランド)

12日 火曜日
後楽園ホール
日本スーパーライト級戦:
王者藤田 炎村(三迫)対 挑戦者関根 翔馬(ワタナベ)

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マティアス、大激戦を制す(IBFスーパーライト級ほか)

2023年12月08日 05時08分21秒 | 世界ボクシング

先月25日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
IBFスーパーライト級戦:
王者スブリエル マティアス(プエルトリコ)TKO6回開始2秒 挑戦者ショージャホン エルガシェフ(ウズベキスタン(ウズベキスタン)

*試合開始早々から18分間、両者がリング中央で打っては殴られ、打っては殴られという激戦を演じた一戦。最後は体格で一回り大きかったマティアスがエルガシェフをギブアップに追い込むことに成功。カリブの新たな倒し屋が、2月に獲得した王座の初防衛に成功しました。

同胞の偉大なる先輩、フェリックス トリニダードやミゲル コットと比べると、まだまだの感があるマティアス。しかし20勝全KO1敗という記録が示すように、魅力的な選手であることには変わりありません。

下記はその新たなプエルトリコのスター候補生が君臨するスーパーライト級の、2023年12月8日現在の王者たちとなります。

WBA:ローランド ロメロ(米/防衛回数0)
WBC:レジス プログレイス(米/1)
IBF:スブリエル マティアス(プエルトリコ/1)
WBO:テオフィモ ロペス(米/0)
OPBF(東洋太平洋):永田 大士(三迫/0)
WBOアジア太平洋:井上 浩樹(大橋/0)
日本:藤田 炎村(三迫/1)

 

WBAスーパーフェザー級戦:
挑戦者ラモント ローチ(米)判定2対1(116-111、114-113、113-114)王者エクトール ガルシア(ドミニカ)

*昨年2022年初頭、ほぼ無名の存在から世界王座への挑戦権を獲得したガルシア。その年の夏には、その勢いを維持したまま世界王座奪取に成功。世界王座が膨れ上がった最近では珍しく、シンデレラボーイ誕生となりました。その活躍を評価されたドミニカ人は、今年の1月に現役最強戦士の一人であるジャルボンテ デービス(米)の対戦者に抜擢されました。その時は如何せん相手が悪く、それなりの頑張りを見せますが9回TKO負けを喫しています。

本来のスーパーフェザー級に戻ってきたガルシアは、指名挑戦者ローチの挑戦を受けました。実力拮抗者同士の対戦となったこの試合は、一進一退の攻防が続いていきます。迎えた11回、挑戦者の右でピンチに陥った王者。最終回に、バランスを崩すような形で不運なダウンを喫してしまいました。

結局は最終2回のポイントが勝敗を分けた結果となった一戦。ローチが僅差の判定で世界のベルトを獲得しています。

10月末から主要4団体の世界戦が順次行われたスーパーフェザー級戦線。結果は3人の王者たちが防衛に成功し、1人の新王者が誕生しました。下記は一段落した2023年12月8日現在の、スーパーフェザー級のタイトル保持者たちとなります。

WBA:ラモント ローチ(米/0)
WBC:オシャキー フォスター(米/1)
IBF:ジョー コルディナ(英/1)
WBO:エマヌエル ナバレッテ(メキシコ/2)
OPBF(東洋太平洋):森 武蔵(志成/0)
WBOアジア太平洋:力石 政法(緑/0)
日本:原 優奈(真正/0)

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WBOはNo、などなど(色々:12‐07‐23)

2023年12月07日 05時34分18秒 | 世界ボクシング

最近(2023年12月7日ごろ)のニュースです。

1)先日、WBAがWBCに続いて、ヘビー級とクルーザー級の間に新たな階級を設ける事を発表しました。これに対しWBOは、これ以上の階級の増設は「必要なし!」とキッパリ。IBFも是非、WBOに続いて貰いたいもですね。

2)今週末9日に、WBCスーパーライト級王者レジス プログレイス(米)に挑戦するデビン ヘイニー(米)。ヘイニーはこれまでに、ライト級の4つの王座統一に成功してきました。プログレイス戦を前にヘイニーは、既に手元から離れていたWBC王座に続き、IBF、WBC、WBO王座を返上しました。

3)WBCライト級王座にはすでにシャクール スティーブンソン(米)が新王者として君臨。WBAはレギュラー王者ジャルボンテ デービス(米)が唯一王者となりました。IBF王座決定戦は、来春に豪州で行われるとの情報アリ。その試合に出場が予定されているのは、ワシル ロマチェンコ(ウクライナ)とジョージ カンボソス(豪)の元王者たち。2人ともヘイニーには苦杯を喫しています。WBO王座の行方は現在のところ不透明です。

4)来年2月22日、OPBF(東洋太平洋)スーパーライト級王者永田 大士(三迫)と、同WBOアジア太平洋王者井上 浩樹(大橋)がそれぞれの王座を賭け対戦します。両者は3年前の2020年7月に対戦しており、その時は永田が7回TKOで勝利を収めています。

5)先日WBOアジア太平洋フェザー級王座を返上した松本 圭佑(大橋)も登場。前田 稔輝(グリーンツダ)を間に、保持する日本国内王座の2度目の防衛戦を行います。

6)同じ興行には、武居 由樹(大橋)が返上したOPBFスーパーバンタム級王座決定戦も組み込まれています。この試合に出場するのは中嶋 一輝(大橋)と中川 麦茶(一力)。

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べナビデスが強豪アンドラーデを粉砕(WBCスーパーミドル級:暫定王座ほか)

2023年12月06日 05時36分27秒 | 世界ボクシング

先月25日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
WBCスーパーミドル級戦(暫定王座):
王者デビット べナビデス(米)TKO6回終了 挑戦者デメトリアス アンドラーデ(米)

*世界暫定王座戦ながらも好カードが実現しました。以前からその能力を高く評価されていたべナビデスが、これまでにスーパーウェルター級とミドル級の2階級で世界王座を獲得してきた実力者アンドラーデを迎え撃ちました。

アマチュアの名選手で、プロでも全勝記録(32勝)を伸ばしていたアンドラーデが持ち前のスピードと技術で好スタートを切ります。しかし両者の体格差とパンチ力は大きく、4回から本腰を入れ始めたべナビデスはあっさりとダウンを奪います。

5回、6回と時間を追うごとに追いつめられていったアンドラーデは6回終了後にギブアップ。べナビデスが予想以上の力の差を見せつけてアンドラーデを退治してしまいました。

べナビデスが望んでいるのは、当然の如く同級の4つのベルトを保持しているサウル アルバレス(メキシコ)との一戦。べナビデスがビックイベントの雰囲気に飲み込まれないのであれば、スーパースターもこの大柄の暫定王者には苦戦を強いられることになるでしょう。

下記は2023年12月6日現在の、スーパーミドル級の世界、そして日本関連のタイトルホルダーたちとなります。

WBA(スーパー):サウル アルバレス(メキシコ/防衛回数7)
WBA(レギュラー):デビット モレル(キューバ/5)
WBC:サウル アルバレス(メキシコ/6)
WBC(暫定):デビット べナビデス(米/2)
IBF:サウル アルバレス(メキシコ/3)
WBO:サウル アルバレス(メキシコ/4)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:ユン デオクノ(韓国/0)
日本:帝尊 康輝(一力/0)

 

スーパーミドル級戦(10回戦):
ジャモール チャーロ(米)判定3対0(100-90、99-91、98-92)ホセ べナビデス(米)

*本来ならミドル級ウェートで対戦する筈だった両雄。しかしチャーロが大幅に体重超過する失態を演じてしまいました。それでも、ミドル級から3階級下のスーパーライト級の元世界王者を相手にワンサイドマッチを演じたチャーロ。2年5ヵ月ぶりの実戦を無事に白星で終える事が出来ました。

今後はビックイベントへの出場を目論んでいるチャーロですが、ホセの実弟デビットとの対戦が実現すれば、話題を呼ぶ好試合になるのではないでしょうか。

下記はチャーロが主戦場とする2023年12月6日現在の、ミドル級王者たちとなります。

WBA:エリスランディ ララ(キューバ/防衛回数1)
WBC:ジャモール チャーロ(米/4)
WBC(暫定):カルロス アダメス(ドミニカ/1)
IBF:ジャニベック アリムハヌリ(カザフスタン/0)
WBO:ジャニベック アリムハヌリ(カザフスタン/3)
OPBF(東洋太平洋):竹迫 司登(ワールドスポーツ/0)
WBOアジア太平洋:空位
日本:国本 陸(六島/2)

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あの試合から30年(WBAフェザー級:1993年12月4日・その2)

2023年12月05日 05時36分32秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の昨日にあたる1993年12月4日、韓国で行われた試合結果です。
WBAフェザー級戦:
挑戦者エロイ ロハス(ベネズエラ/帝拳)判定2対1(115-111、113-112、111-114)王者朴 永均(韓国)

*この試合が行われる半日後に、同じくフェザー級のWBC世界戦が米国ネバダ州リノで行われ、ケビン ケリー(米)がグレゴリオ バルガス(メキシコ)を破り新王者となりました。

太平洋で挟んで行われたWBA世界フェザー級戦もWBC戦同様に、王者対指名挑戦者の一戦として行われました。ロハスと朴は約2年前の1991年9月にも対戦しており、その時は朴が得意の乱戦に最強挑戦者ロハスを巻き込み判定勝利。異常なタフネスと手数を見せつけ王座の防衛に成功しています。

(師走の韓国で再び拳を交えた朴(背中)とロハス)/ Photo: Youtube

初戦では、初回から朴の第3のパンチ(頭突き)でダウンを奪われてしまい、そのままの流れで判定負けを喫してしまったロハス。この再戦では前回の失敗を繰り返すことなく、初回からその強打で朴を追いつめていきました。

先制攻撃が功を奏したロハスは、ペースを緩めることなくラウンドを進めていきます。朴も徐々に調子を取り戻していきますが、如何せん初回に被ったダメージから回復する事は難しく、その攻撃には普段通りの迫力としつこさがありませんでした。しかしそれでも王者の意地を見せつけた朴。体ごと当たるようにして攻撃の手を緩めず、最後の最後までロハスに食い下がります。

 

(念願の世界のベルトを腰に巻いたロハス)/ Photo: Pinterest

結局は前半戦の貯金を守り切った形でロハスが僅差の判定勝利。インテリとして知られた秀才は、29戦目にして念願の世界のベルトを腰に巻くことに成功しました。ロハスは日本の帝拳ジムと契約を結んでおり、世界王座獲得前に4度その雄姿を日本のリングで披露。そのすべての試合をKO/TKOで勝利しています。

同じ日に、2人の新王者が誕生した1993年師走のフェザー級戦線。IBFにはケリーの親友で、地味ながらも中々の実力者トム ジョンソン(米)が君臨。まだまだマイナー団体だったWBOには、スティーブ ロビンソン(英)がその王座を守っていました。この数年後、ロハス以外の4人は、フェザー級戦線を風靡するナジーム ハメド(英)の軍門に下ることになります。

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あの試合から30年(WBCフェザー級:1993年12月4日・その1)

2023年12月04日 05時08分06秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1993年12月4日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
WBCフェザー級戦:
挑戦者ケビン ケリー(米)判定3対0(116-111、115-112x2)王者グレゴリオ バルガス(メキシコ)

*この年の4月に、敵地アイルランド(実際は両者にとり第3国)で強豪ポール ホドキンソン(英)を破りWBCフェザー級王座を獲得しているバルガス。世界王座を獲得する以前から非常に評価が高く、王座獲得後は長期政権も期待された実力者です。バルガスが初防衛戦に迎えたのは、指名挑戦者でこちらも高い評価を受けていた実力者ケリー。初冬にラスベガスのリノで、屈指の好カードが実現しました。

序盤戦をリードしたのは「フラッシングの閃光(The Flushing Flash)」の異名を持ったスピードスター・ケリー。そのサウスポー(左構え)スタイルからのスピードに乗ったボクシングでバルガスを翻弄していきます。「このまま挑戦者のペースで試合が終わってしまうのでは?」と思われましたが、バルガスが中盤戦からエンジンを上げていきました。王者は6回からボディーに攻撃の的を絞りだし、試合の流れが大きく変わっていきます。

(スピーディーなボクシングで、前半戦を支配したケリー(右))/ Photo: Ring Magazine

強打者であり、好打者のバルガスのボディー攻撃はすぐに功を奏し、7回には挑戦者はロープを背負うなど明らかにダメージを被り始めました。しかし最強挑戦者の呼び声が高かったケリーも意地を見せます。続く8回、ケリーにとり苦しい場面が続きましたが、その回の後半にはバルガスのお株を奪うボディー攻撃でポイントを奪い返します。

8回からはバルガスの右目下は腫れ始め、挑戦者がペース奪回したかに思われました。そんな中続く9回、ケリーがジャブ・ストレートのワンツーを放つと、そのパンチの後にバルガスがワンツーをお返しし、見事なダウンを奪うことに成功。王者が再度ペースを取り戻すという、何とも目まぐるしい主導権争いが続いていきました。

(右目下を腫らせながらも、ケリー(左)を激しく攻め立てるバルガス)/ Photo: Pinterest

その後も一進一退の攻防を繰り広げたバルガスとケリー。バルガスはクリーンヒットで上回り、手数でもそれほどケリーに劣っていなかったため、ダウンをも奪った王者の防衛と思われましたが、結果は僅差ながらも明白な3対0の判定で挑戦者を支持。どちらが勝者となってもおかしくないほどの接戦だったため、ここまではっきりとした結果が出たのは意外に感じました。ちなみに私(Corleone)の採点では、114対113でバルガスの勝利と見ました。

バルガスは非常にレベルの高い選手でした。しかし、タイトルを奪取したポール ホドキンソン(英)との一番やこのケリー戦など、前半に相手にペースを譲ってしまい失点を重ねるなど、試合運びに改良点があったように思えます。もしその弱点を克服していれば長期政権や世界複数階級制覇も可能だったのにと、今でも悔やまれます。

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