勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

生と死は隠れたコンビ

2006-01-04 23:13:07 | Weblog
 牛を売る者がいた。買う者は明日代金を払って牛を引取ると言った。
その夜、牛が死んだ。買う者は代金を払わずにすんで得をし、売る者は損をした。

 それを聞いていた男が言った。
「売る者は損をしたことになるも、一方で大きな得をしたのだ。この牛の死によって、一日の命はどんな大金よりも貴重であり、牛の代金なんぞ鵞鳥(がちょう)の羽よりも軽い事を悟ったのだ。」

 そして更に続けた。
「人間誰しも死ぬのがいやならば、今ある命を愛するべきだ。命ながらえる喜びを、毎日大切に楽しまなくてはいけない。愚かな人間は、この楽しみを知らず、物欲に振り回され、命という宝を忘れて、やたらと別の宝ばかり追い求めている。」
                            徒然草より抜粋


  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 死は生を引き立てる伴侶だと兼好は言う。死があるからこそ、生の価値はいよいよ輝く。こうした自覚を持たず、ただ死を恐れ憎むのは、本物の生ではなく、欲望にまみれた偽者の生だからだ。死といっしょに生きる覚悟が、生きるありがたさを自覚させる。死をおそれ憎むのは、筋違いで、むしろ人生の心理を自覚させてくれたことに感謝すべきだと。

   ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆   

 「命は大切とみんなが言う、でも一人でもいい、あなたが大切といわれたほうがうれしい」
最近こんな意味のCMをみたような気がする。

 あなたにとって大切な人は誰ですか?

 新しい年が明け、日々の命に感謝し、いい一年を過ごしたいものだ。
2006.01.04