競技選手のことをAthlete(アスリート)と呼ぶ。
スポーツの世界では、勝ち負けにこだわって精進する競技者たちの美しい姿がある。
このアスリートという言葉には、そんなイメージを感じて好きな言葉である。
反対に大嫌いな言葉がある、「勝ち組」「負け組」という言葉。マスメディアはこぞってこの言葉を使いたがる。
誰が言ったのか、なにを基準に勝ちと負けを決めるのか。
勝ち組として時代の寵児の如くもてはやされたIT企業のトップが逮捕された。
かつて彼の顔がテレビに写らない日はないほどだった。
そしてメディアはこれでもかこれでもかと彼のサクセスストーリーを美化して取り上げた。
ところがである、いったん不正が疑われるや否や、手の裏を返したようにその「負」の部分をクロースアップしてまたもや騒ぎ立てる。
株をやらない僕にとって、彼の逮捕が直接影響することは何もない。彼の今後がどうなるかということにも興味がない。
彼には彼の生き方と、彼が作ってきた人生があるのだから。
それよりもメディアがこだわる「勝ち組、負け組」という言葉のほうが不愉快である。
人の人生を勝ちと負けで分けるのは失礼だ。
幸せとは人それぞれが感じることであって、他人が決めることではないだろう。
世界一の長者になることがはたして幸せなのか?
それを幸せと感じる者はそれでいい。それに向って精進すればいいのだから。
しかし、もっと身近にある幸せを本当の幸せと感じる人もいるだろう。
爪に火を灯すような生き方をして大金を残し、ひとりで死んでゆく人にとっては、それが幸せと感じたのかも知れない。
幸せの価値観は人によって違う。どんなに些細な事でも、それを幸せと思えることが本当の幸せなのかもしれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『山のあなた』
カール・ブッセ
上田敏訳 『海潮音』より
山のあなたの空遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
噫(ああ)われひとと尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
手元に「60歳のラブレター」という本がある。
「長い人生をともに歩む夫から妻へ、妻から夫への素直な気持ち」「感謝の思い」をキーワードに募集して集まった作品を本にしたものである。
その中から一編を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●夫から妻へ
敏はんへ
早いもんやな、僕が交通事故に遭い、車椅子生活になってもう20年も経つんや。お腹の中にいた娘も成人。これもみんな敏のお陰や。ほんまにおおきに。
そういえば事故当時、親戚の間で離婚させる話が持ち上がったな。あの時はもうあかんわと思ったんやけど、それをガンとはね返し、二年間も子供を背負って病院へ毎日欠かさんと来てくれたんは、ほんまに嬉しかったわ。そして、どんなに勇気づけられたかわからへん。やっぱし僕が愛した敏やと思ったわ。
今も敏の縁の下の力があるさかい、僕も障害者として恥じることなく活動できるんやと思うてる。
ほんまにおおきに。そして心から愛してるで!
糀谷終一さん(55歳)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここには小さくて大きな幸せがある。本当の幸せは、案外すぐそばにあるものだ。
この「60歳のラブレター」には、この他にも涙なくして読めないような、感動的なラブレターがいっぱい詰っている。
折をみて紹介しようと思います。
2006.01.26
スポーツの世界では、勝ち負けにこだわって精進する競技者たちの美しい姿がある。
このアスリートという言葉には、そんなイメージを感じて好きな言葉である。
反対に大嫌いな言葉がある、「勝ち組」「負け組」という言葉。マスメディアはこぞってこの言葉を使いたがる。
誰が言ったのか、なにを基準に勝ちと負けを決めるのか。
勝ち組として時代の寵児の如くもてはやされたIT企業のトップが逮捕された。
かつて彼の顔がテレビに写らない日はないほどだった。
そしてメディアはこれでもかこれでもかと彼のサクセスストーリーを美化して取り上げた。
ところがである、いったん不正が疑われるや否や、手の裏を返したようにその「負」の部分をクロースアップしてまたもや騒ぎ立てる。
株をやらない僕にとって、彼の逮捕が直接影響することは何もない。彼の今後がどうなるかということにも興味がない。
彼には彼の生き方と、彼が作ってきた人生があるのだから。
それよりもメディアがこだわる「勝ち組、負け組」という言葉のほうが不愉快である。
人の人生を勝ちと負けで分けるのは失礼だ。
幸せとは人それぞれが感じることであって、他人が決めることではないだろう。
世界一の長者になることがはたして幸せなのか?
それを幸せと感じる者はそれでいい。それに向って精進すればいいのだから。
しかし、もっと身近にある幸せを本当の幸せと感じる人もいるだろう。
爪に火を灯すような生き方をして大金を残し、ひとりで死んでゆく人にとっては、それが幸せと感じたのかも知れない。
幸せの価値観は人によって違う。どんなに些細な事でも、それを幸せと思えることが本当の幸せなのかもしれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『山のあなた』
カール・ブッセ
上田敏訳 『海潮音』より
山のあなたの空遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
噫(ああ)われひとと尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
手元に「60歳のラブレター」という本がある。
「長い人生をともに歩む夫から妻へ、妻から夫への素直な気持ち」「感謝の思い」をキーワードに募集して集まった作品を本にしたものである。
その中から一編を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●夫から妻へ
敏はんへ
早いもんやな、僕が交通事故に遭い、車椅子生活になってもう20年も経つんや。お腹の中にいた娘も成人。これもみんな敏のお陰や。ほんまにおおきに。
そういえば事故当時、親戚の間で離婚させる話が持ち上がったな。あの時はもうあかんわと思ったんやけど、それをガンとはね返し、二年間も子供を背負って病院へ毎日欠かさんと来てくれたんは、ほんまに嬉しかったわ。そして、どんなに勇気づけられたかわからへん。やっぱし僕が愛した敏やと思ったわ。
今も敏の縁の下の力があるさかい、僕も障害者として恥じることなく活動できるんやと思うてる。
ほんまにおおきに。そして心から愛してるで!
糀谷終一さん(55歳)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここには小さくて大きな幸せがある。本当の幸せは、案外すぐそばにあるものだ。
この「60歳のラブレター」には、この他にも涙なくして読めないような、感動的なラブレターがいっぱい詰っている。
折をみて紹介しようと思います。
2006.01.26