勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

生きとし生けるもの

2006-01-29 23:18:28 | Weblog
 夫婦愛に満ちた「60歳のラブレター」の中には溢れるほどの愛が詰っている。
その愛を、蚤虱(のみしらみ)をはじめ蚊、蠅、蛙などの小さな命にまで注いだ俳人がいた。
言わずと知れた小林一茶である。

 一茶は幼い頃に親を亡くし、わが娘にも満二歳を待たず「天然痘の神に見込まれて」先立たれているのだそうです。

 親が子を守り育て、強いものが弱いものをかばう、そうした温かい関係を心から望んでいたが、必ずしも得られなかったという。



     雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る

    む(う)まさ(そ)うな 雪がふうはり ふはり哉

    やせ蛙 負けるな一茶 これにあり

    やれ打つな 蠅が手をすり 足をする

    雪とけて 村いっぱいの 子ども哉

    飛べよ蚤 同じ事なら 蓮の上

    露の世は 露の世ながら さりながら


                                   小林一茶 

               ~「声に出して読みたい日本語」から~
 
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 一茶は、生きとし生けるものは、蚤虱(のみしらみ)に至るまで命が惜しいのは人と同じだとも言っている。

 ☆「歴史の中で吟味され生き抜いてきた名文、名文句を声に出して読み上げてみると、そのリズムやテンポのよさが身体に染み込んでくる。そして身体に活力を与える。それは、たとえしみじみしたものであっても、心の力につながってくる。」と、この本はいっている。

 声を出して読んでみるとまた趣が違うものですね。
2006.01.29