想像してみてください、口に咥えた絵筆で絵や字を描くことを。
星野富弘さんは、中学校教師として赴任後2ヶ月足らずで、クラブ活動で指導中鉄棒から落ち、頚椎損傷を負った。
首から下の運動機能を失いながら、母の手を借りて口に咥えた筆で詩を書き絵を描く。
手が動かないので、三度の食事も母に口に入れてもらっていた。
「産んでくれなけりゃよかったんだ。チクショウ!」そう言って母親を責め、自殺まで考えたという。
それでも星野さんは、手足は動かずとも口が動くと、前向きな考えを持つようになり、絶望の淵から立ち上がり、絵と詩を描きつづけている。
「目が回り、咥えた筆のガーゼは、よだれでぐしょぐしょに濡れ、ほっぺたを伝わって枕に浸みる。そして吐き気がしてきた」
そんな星野富弘さんの詩集には、弱いものへの優しさに溢れた詩が、宝石のように輝いてぎっしりと詰っている。
2006.04.04
星野富弘さんは、中学校教師として赴任後2ヶ月足らずで、クラブ活動で指導中鉄棒から落ち、頚椎損傷を負った。
首から下の運動機能を失いながら、母の手を借りて口に咥えた筆で詩を書き絵を描く。
手が動かないので、三度の食事も母に口に入れてもらっていた。
「産んでくれなけりゃよかったんだ。チクショウ!」そう言って母親を責め、自殺まで考えたという。
それでも星野さんは、手足は動かずとも口が動くと、前向きな考えを持つようになり、絶望の淵から立ち上がり、絵と詩を描きつづけている。
「目が回り、咥えた筆のガーゼは、よだれでぐしょぐしょに濡れ、ほっぺたを伝わって枕に浸みる。そして吐き気がしてきた」
そんな星野富弘さんの詩集には、弱いものへの優しさに溢れた詩が、宝石のように輝いてぎっしりと詰っている。
< 神様がたった一度だけ この腕を動かして下さるとしたら 母の肩をたたかせてもらおう 風に揺れるぺんぺん草の実を見ていたら そんな日が 本当に来るような気がした 星野富弘 |