勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

ちいさいから

2006-04-22 23:49:39 | Weblog
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-ちいさいから-

ちいさいから踏まれるのさ
弱いから折れないのさ
たおれても
その時 もし
ひまだったら
しばらく
空をながめ
また起きあがるのさ

-星野富弘さん-

 病院に運ばれて何日か後、だれかが廊下で、小さな声で話しているのがきこえます。
「今日か明日が峠らしいよ」
それをきいていた人が「わぁ~」と泣きだしました。

 わたしは、天井をを見つめながら「死にやしないよ」と、心のなかでつぶやきました。でもどういうわけか、つぎからつぎへと涙があふれてきました。
涙を母や姉たちに見られるのははずかしいと思いましたが、涙をふく手がどこにあるのかさえわかりません。
天井の大きな電球が、涙でシャンデリアのようにかがやき、まぶしくてしかたがありませんでした。

               ☆ 

 ここに、スケッチブックが七冊あります。
どれもが角がおれて、紙もうす茶色になってしまった、古いスケッチブックです。
1972年12月、私はこのスケッチブックの最初のページに、ひとつの文字を書きました。
              
 かたかなで「ア」と書いたのが最初でした。
文字の大きさは、3センチくらい。書いたときは考えてもみなかったのですが、この「ア」が、わたしを新しい世界へとみちびいてくれたのです。

 そしていま、たまにひらいてみるスケッチブックのその文字を見るたびに、わたしの心は“きりっ”とひきしまるのです。

-星野富弘著・「かぎりなくやさしい花々」より抜粋ー
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-冬に咲く花-

夏に咲く花があり
冬に咲く花がある
どちらがしあわせ
などと
誰にも言えない
走る人がいる
自転車の人がいる
車椅子の人がいる



-雨-

じゃがいも畑の横の道を
その子は後をつけてきた
麦畑をすぎ
墓場の角をまがっても
桃色のスカートを揺らせ
心配そうについてきた

「ありがとう」
家のそばで 私がいうと
その子は黙って
帰って行った

くるま椅子で
雨に降られた日のこと

-星野富弘さん-
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2006.04.22