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勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

花篝(はなかがり)

2006-04-05 23:58:57 | Weblog
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月も朧に白魚の
篝(かがり)も霞む春の空
冷てえ風もほろ酔いに
心持ちよくうかうかと
浮かれ烏(がらす)のただ一羽
ねぐらへ帰える川端で
竿の雫が濡れ手に泡
思いがけなく手に入る百両
ほんに今宵は節分か
西の海より川の中
落ちた夜鷹は厄落とし
豆沢山に一文の
銭と違って金包み
こいつぁ春から縁起が良いわい

「三人吉三」から

 歌舞伎演目の通称『三人吉三』といわれる、和尚吉三・お嬢吉三・お坊吉三という三人の吉三を名乗る盗賊の物語のなかの名台詞である。
季節は今より少し早い、早春の節分。舞台は大川端、今の隅田川といわれる。
篝(かがり)も霞む春の宵の桜も、今日の冷たい雨には耐えられなかっただろう。

 春を表わす言葉には、美しい表現が数限りなくある。
あるブログで「花篝(はなかがり)」という言葉を知った。
「花の名所などで夜焚く篝火」のことだそうだ。


 そのブログの主、無精庵徒然草・やいっちさん花篝は闇を深くする から一ヶ月ほど前の記事にTBをいただいた。
過去のブログを読んでいただくこと自体嬉しいことであるが、さらに嬉しいことには、身に余る言葉を添えて、我がブログを以下のように紹介してくださったことである。

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 全くの偶然だが、このサイトの最新の記事が「桜散る」となっている。「昨夜来の風雨、そして今日も強い北風が吹き荒れ、桜の花も無残に散りその短い命を終え、花吹雪となって地面に舞い降りた。」と、小生の関心事をうまく丁寧に掬い上げてくれている。嬉しい出逢いだ!
 西行の、「風にちる花のゆくへはしらねども をしむ心は身にとまりけり」なる歌の冠せられた画像なども実に素晴らしい。
 なんだか、小生の感傷的な散る花びらへの、あるいは花びらに対する世間の扱いへの狭量なる心の結果としての憤懣が、やんわり窘められたような気がしたりして。

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 この方は文章を書くプロの方 でもあるのだが、この方のブログ、知識の宝庫であり、その方からこの様な紹介をされて嬉しくない筈はない。
ご自身も言っておられるが、僕にとっても嬉しい出逢いである。

 またこの記事のマクラにしようと「三人吉三」の台詞の検索をしていたら、なんとまた、この無精庵徒然草・白魚から歌舞伎に…に行き着いたのである。
2006.04.05