中央競馬の古馬№1&長距離王決定戦・第137回天皇賞・春(GI)が4日、京都競馬場で行われました。昨年天皇賞春秋連覇を果たしたものの、ここ数戦勝利から見放されているメイショウサムソン、菊花賞馬のアサクサキングス、無冠の帝王・ポップロック、前人未到の親子4代天皇賞馬を目指しているホクトスルタン、阪神大賞典を快勝したアドマイヤジュピタなど計14頭が京都の3200mに挑みました。
直前の単勝オッズでは、⑬アサクサキングスが1番人気(3.6倍)、2番人気に⑧メイショウサムソン(4.8倍)、3番人気には⑭アドマイヤジュピタ(5.8倍)、以下⑩ポップロック、⑦ドリームパスポートが10倍を切る人気を集めました。
ややばらついたスタートで始まったこのレース、アドマイヤジュピタが出遅れてしまいます。まず鼻を奪ったのは④ホクトスルタン、⑪トウカイトリックと⑤トウカイエリートのトウカイコンビが2番手争いを形成、果敢に逃げるかと思われた⑥アドマイヤメインが4番手、その横にアサクサキングスが並走。メイショウサムソンはポップロック、ドリームパスポートと並ぶような態勢(7~9番手)。スタートで出遅れたアドマイヤジュピタは10番手、③アドマイヤモナークと①サンバレンティンは大きく離れて後方からの競馬となりました。
先頭を行くスルタンは最初の1000mを1分1秒台で通過。アドマイヤメインが2番手、アサクサキングスは3番手まで上昇。ポップ8番手、サムソンは9番手、ドリパス10番手、ジュピタ11番手ででゴール板を通過。2周目のバックストレートに突入した14頭、まだスルタンが先頭をキープ。アサクサとトリックの3番手争いが続き、ポップロックが5番手まで順位を上げれば、⑫アイポッパーは6番手、サムソンはまだ中段、ジュピタはドリパスを交わして10番手。序盤大きく離されていたモナークは⑨ドリームパートナーを交わして12番手、サンバレンティンしんがりで2度目の淀の坂に挑みます。
いよいよレースも佳境。坂の頂上から下り坂に入っても依然としてホクトスルタンが先頭。2番手以下を離しているみたいだ。アサクサはまだトリックとの攻防戦が続く、ポップロックは手が動いてしまった!これは勝ち目が無い。アドマイヤフジは後退、サムソンはここで勝負と見たか追撃開始!ジュピタも虎視眈々と先頭を狙っている!
4コーナーに入って最後の直線、アサクサとサムソンとジュピタ、先頭を行くスルタンの4頭が横に大きく並ぶ、外からアドマイヤジュピタが先頭に躍り出る。サムソンは4番手と万事休すかと思ったら、アサクサを交わすと残り100mでジュピタを交わして先頭に立ち3連覇か!しかしゴール手前でジュピタが伸び返し、2頭が並んだ態勢でFINISH!際どい1位争いの結果、アドマイヤジュピタが先着!鞍上の岩田康誠がガッツポーズ!メイショウサムソンはジュピタの粘りに屈し2着、アサクサキングスは3着、積極的に逃げたホクトスルタンは4着に終わりました。
最終成績&払戻金
1 アドマイヤジュピタ 3:15.1
2 メイショウサムソン アタマ
3 アサクサキングス 2.1/2
4 ホクトスルタン 3/4
5 アドマイヤフジ 1.1/4
6 アドマイヤモナーク 1
7 トウカイトリック 2.1/2
8 トウカイエリート 1.1/4
9 ドリームパスポート ハナ
10 サンバレンティン ハナ
11 アイポッパー 3/4
12 ポップロック 4
13 ドリームパートナー 8
14 アドマイヤメイン 1.3/4
単勝
14 580円
複勝
14 190円 8 200円 13 140円
枠連
5-8 460円
馬連
8-14 2,000円
馬単
14-8 4,430円
ワイド
8-14 810円 13-14 380円 8-13 500円
3連複
8-13-14 1,880円
3連単
14-8-13 13,500円
というわけで今年の春の天皇賞は、GI初挑戦のアドマイヤジュピタがメイショウサムソンの天皇賞3連覇を阻止して優勝しました。残り100m付近でサムソンが一度は先頭に躍り出たんですが、ゴール前でジュピタが伸び返して勝利したという形でした。スタート時での出遅れをよく取り戻すことが出来たよなあ。サムソンをジュピタとサムソンのゴール前での一騎打ちは、今年の競馬界のベストバウトといっても良いでしょう。
鞍上の岩田騎手は天皇賞初制覇でGIレース4勝目。馬主の近藤利一さんも天皇賞初制覇となりました。この日は「アドマイヤ軍団」から4頭出ましたが、ジュピタが優勝、アドマイヤフジが5着、アドマイヤモナークが6着、アドマイヤメインが最下位の14着に終わりました。
勝ったアドマイヤジュピタは、3歳の時はクラシックの有力候補とされていましたが、骨折でクラシック絶望→1年4ヶ月間の休養を余儀なくされました。その間にメイショウサムソンが2冠達成、翌年には春の天皇賞を制してGI3勝、アドマイヤムーンもドバイを制すと宝塚記念を制していました。7月に復帰してからは1着、2着、1着と続き、アルゼンチン共和国杯で悲願の重賞初制覇。2008年になってからは阪神大賞典を制して、今回の天皇賞でサムソン超えを果たしたのでした。今後は宝塚記念には出走せず、秋まで休養する予定です。
3連覇を逃したメイショウサムソンは、久々に強さを取り戻したような走りを見せました。JCで3着、有馬記念で8着、大阪杯で6着と陰りを見せていましたが、最後の末脚には驚きました。次走の宝塚では完全復活を印象付けるような内容を見せてもらいたいですね。
4着のホクトスルタンは大健闘。親子4代(父・メジロマックイーン、祖父・メジロティターン、曽祖父・メジロアサマ)での天皇賞馬達成とは行きませんでしたが、今後に期待がかかる走りでした。残念だったのは12着に終わったポップロック。内田博幸騎手との新コンビで臨んだのですが、3コーナーで手が動いてしまいました。なんとなくコンビの相性が悪かったようですね…。それに脚の状態が気になりますが、大丈夫なのか?
来週は3歳馬のマイル王決定戦・NHKマイルカップが行われます。昨年の2歳王者ながらもニュージーランドトロフィーで12着と惨敗したゴスホークケン、NZT優勝のサトノプログレス、毎日杯優勝のディープスカイ、皐月賞6着のブラックシェルなどが出走登録をされています。昨年はピンクカメオが制して3連単で973万円の大波乱決着となりましたが、今年も波乱は起きるのか?それとも堅い決着となるのか?