夏の甲子園が今年も到来!第93回全国高校野球選手権大会が6日、阪神甲子園球場で開幕しました。「がんばろう日本!」をスローガンに掲げる今大会、東日本大震災の被災地3県からは、福島・聖光学院、宮城・古川工業、岩手・花巻東が出場。昨年は沖縄・興南高校が春夏連覇を達成しましたが、今年はどこの学校が深紅の優勝旗を手にするのか?大会初日の6日は3試合が行われ、乱打戦、延長戦決着と激しい試合が相次ぎました。
第1試合:高崎健康福祉大高崎(群馬)VS今治西(愛媛)
創部10年目で初の甲子園に挑む健大高崎は、今治西と対戦。愛媛の古豪を破り、大会初勝利なるか?
両チーム無得点で迎えた3回、健大高崎は四球とヒット、犠打で1死2,3塁と先制のチャンスを作り、6番・柳沢潤也がスクイズを決め、3塁走者・竹内司と2塁走者・門村鴻輝が生還。意表を突く2ランスクイズで2点を先取します。4回には2死2塁で竹内がセンター前へのタイムリーヒットを放ち1点を追加し、3-0とします。
しかし、4回裏に今治西が猛反撃を仕掛け、1死から連続ヒットで1,2塁とすると、林正也が健大先発・星野竜馬からレフト前タイムリーを放って1点を返します。なおも1,3塁で伊藤慶太のレフトへの2塁打で1点差に詰め寄り、続く末広朋也がセンター前へのタイムリーヒットで2人が生還。5連打&3連続タイムリーで今治西が4-3と逆転!このあと2死2塁で石丸海渡がセンターへの2塁打で1点を追加。今治西はこの回、健大・星野から4本のタイムリーで5点を奪いました。
このあと、6回に今治西が暴投で1点を追加しますが、7回に健大高崎が先頭の門村が3塁打で出塁し、1死3塁で柳沢がセンターへの犠牲フライで1点を返し、6-4と今治西2点リードで最終回へ。
9回、2点を追う健大高崎は、門村のヒット、内田遼汰の2塁打で無死2,3塁と一打同点のチャンスを迎え、ここまで3打点の柳沢が今治西3番手・矢野敦士の6球目のストレートを振り抜き、左中間を破るタイムリー3塁打で6-6の同点!この後2人が凡退して2死2塁となり、片貝亜斗夢がレフト前にポトリと落ちるラッキーなヒットを放ち、2塁走者生還で7-6と逆転!その裏、逆転打を放った片貝が、今治西を3者凡退に抑えて試合終了!健大高崎が劇的な逆転勝ちで今治西を破り、甲子園初勝利を飾りました!
第2試合:伊勢工業(三重)VS金沢(石川)
春夏連続出場となる金沢は、2回に1死2塁の場面で越田貴之がレフトオーバーのタイムリー2塁打で1点を先制すると、6回には釜田佳直と石田翔太の連続ヒットで2死1,3塁と追加点のチャンスを迎え、越田が伊勢工先発・中川誠也の2球目の変化球を捉え、レフトへの大きな打球はそのままスタンドに飛び込む大会第1号3ラン本塁打を放ち3点追加。投げては先発の釜田が伊勢工打線を10奪三振の好投で9回完封。金沢が投打で噛み合って4-0で快勝して2回戦進出を果たしました。
第3試合:聖光学院(福島)VS日南学園(宮崎)
前回大会でベスト8まで勝ち上り、5年連続出場を果たした聖光学院は、初戦で日南学園と対戦。地震、津波、原発、最近の水害で苦しむ福島県民に勇気を与えるためにも、この初戦は落とせません。
試合は2回まで両チーム無得点でしたが、3回に動きます。日南学園は2死から連続ヒットでチャンスを掴み、4番・草清優真がレフトへのタイムリー2塁打で2点を先取。5回には連打と打撃妨害で満塁とすると、川口宗作の場面で聖光先発・歳内宏明が暴投して1点追加します。
3点を追う聖光は、5回裏に1死2塁で斉藤侑希が右中間フェンス直撃のタイムリー3塁打で1点を返すと、7回には連続四球から遠藤雅洋のライト前タイムリーで1点差に詰め寄り、なおも1死2,3塁で芳賀智哉の2塁強襲のタイムリー内野安打で同点に追いつき、1,3塁で福田瑛史がライトへの犠牲フライを放ち、4-3と逆転に成功します。
聖光1点リードのまま迎えた9回、日南は1死から連続ヒットで1,3塁と同点のチャンス。踏ん張りたい聖光・歳内は、山本樹を三振に仕留めて2死とし、勝利まであと1死。そして武元久徳をフォークで空振り三振で試合終了かと思われたが、まさかの後逸…。3塁走者生還し同点。歳内この試合2度目の暴投を犯してしまった…。
9回裏に聖光がサヨナラのチャンスを作るも無得点に終わり、今大会初の延長戦に突入したこの試合、10回表に日南は歳内の前に3者凡退。その裏、聖光は先頭の中村星太がセンター前ヒットで出塁し、続く駒谷大介の犠打で1死2塁とします。一打サヨナラの場面で歳内が日南2番手・村田陽春のストレートを弾き返してライト前ヒット。2塁走者が一気にホームインして試合終了!聖光学院が5-4で日南学園にサヨナラ勝ち!
初日の試合結果
第1試合:健大高崎7-6今治西
第2試合:金沢4-0伊勢工
第3試合:聖光学院5x-4日南学園(延長10回)
大会1日目は初出場の健大高崎、金沢、聖光学園が勝ち上がり2回戦進出を決めました。開幕戦を制して歴史的1勝を挙げた健大高崎は、2回戦では強豪・横浜高校が待ちかまえており、1回戦以上に厳しい戦いが予想されます。もし横浜に勝ったら、さらに勢いに乗る事でしょう。そんな健大高崎は、校歌が話題となっておりまして、歌いだしが「Be together Let's Be together」と英語詞だったり、歌詞や曲調がほとんどJ-POPみたいな感じでした。「Be together」が今後も聞けるかは、2回戦の結果次第。
サヨナラ勝ちを収めた聖光学院は、歳内投手が序盤から日南打線から三振の山を築き、10回まで16個の三振を奪う力投を披露。9回に勝利まであと1人のところで暴投してしまい同点に追いつかれ、延長10回裏に自ら試合を決めるサヨナラタイムリーを放ち、9回のミスを最高の形で帳消ししました。2回戦では金沢高校と対戦し、歳内投手と釜田佳直投手の投手戦に注目が集まるでしょう。
大会2日目の7日は、第1試合:静岡(静岡)VS習志野(千葉)、第2試合:明徳義塾(高知)VS北海(北北海道)、第3試合:花巻東(岩手)VS帝京(東東京)、第4試合:八幡商業(滋賀)VS山梨学院大学付属(山梨)の4試合が予定されています。特に第3試合は1回戦屈指の好カードであり、帝京はエースの伊藤拓郎がいるのに対し、花巻東はベスト4だった2年前のメンバーが残っています。どちらにも勝って欲しいかと言われたら、正直難しい。素晴らしい試合を期待しております。