2002年日韓W杯の日本代表メンバーで、元横浜Fマリノス、現在は松本山雅FCに所属している松田直樹選手が、2日の練習中に倒れて救急車で病院に搬送されました。2日午前になでしこJAPAN(女子日本代表)の国民栄誉賞が発表されるというおめでたい話題がありましたが、その数時間後に日本サッカー界にとって衝撃的かつ心配なニュースが飛び込んできました。
松田選手は午前10時ごろ、松本市内のグラウンドで行われた全体練習で、ランニング終了後のストレッチ中に体調不良を訴えて倒れ込みました。チーム関係者が119番通報後、心臓マッサージと人工呼吸を行い、緊急車で運ばれましたが、搬送時には松田選手の意識はなく、心肺停止の状態だったそうです。その後信州大医学部付属病院に到着し、集中治療室(ICU)に移りました。
夕方に病院内で松田選手の容態についての記者会見を開き、担当医が松田選手の病名を「急性心筋梗塞」であると明かし、「人工心肺装置を用いて血流を維持していている」と述べました。わずかに心臓の鼓動が戻ってはいるものの、意識は戻っておらず「極めて厳しい状態」とのことです。また、クラブを運営する大月弘士社長は「松田選手はチームにとって影響力のある選手。全国のファンと回復を願っている」と語りました。
松田選手の経歴は、1995年に前橋育英高校から横浜マリノスに入団。サッカー日本代表としては40試合に出場し、五輪代表も2度も経験(1996年のアトランタ、2000年のシドニー)。2002年の日韓W杯ではレギュラーとして活躍しました。2006年に横浜Fマリノスのキャプテンに就任し、16年間Fマリノス一筋でプレーしておりましたが、2010年に戦力外通告。今季からはJFLの松本山雅FCに移籍しました。
かつてのチームメイトだった選手たちも突然の知らせに絶句しており、中澤佑二選手「全く情報がないので分からない。信じられないのひと言」と言葉を失えば、栗原選手は「回復を祈る」とコメント。現在Fマリノスのキャプテンを務める中村俊輔選手は、夜に松田選手のお見舞いに訪れておりました。
このニュースを知った時、最初は熱中症で倒れたんじゃないかと感じましたが、心筋梗塞と分かった時は「深刻だな…」と思いました。まあ2日午前9時~10時の松本市の天気は曇りで、気温は24度と8月とは思えないような温度だったから、熱中症はまず無かったと言えるでしょう。ツイッターで「心拍が戻った」という書き込みを見た時は、一安心したけれど、今でも予断を許さない状態が続いております。Fマリノスをクビになり、JFLの松本山雅に移り、チームをJリーグに昇格させるために奔走していましたが、予期せぬのアクシデントに見舞われました…。
日本ではサッカー選手の突然死はあまり聞かれませんが、ヨーロッパなどでは試合中に倒れて死亡する選手が年に1回くらいはあるそうです。過去にはカメルーン代表のフォエ選手、スペインのプエルタ選手などが心臓発作で亡くなっております。
松田選手は昨年、Fマリノスの退団挨拶でサポーターにこう言いました。「俺マジサッカーが好きなんですよ。マジでもっとサッカーやりたいんです」。こういう言葉を発し、誰よりもサッカーを愛する選手が、多くの仲間、家族、サポーターたちを残して天国へ旅立つなんて正直あり得ない。逝くのはまだ早すぎるし、サッカー人生でやり残していることがまだ沢山あるはずです。今は松田選手の回復を願うばかりです。どうか死の淵から生還して、もう一度サッカーができるようにしてください。