バレンタインも間近となった2月12日は、春のGI戦線を占う重要なレースが行われ、京都競馬場では古馬GⅡ・京都記念、東京競馬場では3歳重賞の共同通信杯がありました。京都記念は実力馬が集結、共同通信杯には今年のクラシックの主役となるだろうディープブリランテが登場!
京都のメイン競走・第105回京都記念(GⅡ・芝2200m)は、GI級のメンバーが揃いました。昨年のダービー&菊花賞で2着の⑦ウインバリアシオン、秋の天皇賞で2着に入った①ダークシャドウ、春の天皇賞馬⑨ヒルノダムール、ジャパンカップ4着の③トレイルブレイザー、ディープインパクト産駒の④トーセンラーなどが参戦しました。
レースは⑧スイートマトルーフが好スタートを切ったトレイルブレイザーをかわし、先頭でゴール板を通過し、トレイルブレイザー2番手、ダークシャドウ4番手、ヒルノダムール6番手、ウインバリアシオンは最後方で1コーナーを回りました。
2コーナーから向正面に入り、紅一点のスイートマトルーフがレースを引っ張り、2番手の②リッツィースターはマトルーフの背後をぴったり追走。少し離れた3番手にトレブレ、ダークシャドウ単独4番手、5番手に⑤ロードオブザリング。⑥ゲシュタルトとトーセンラーが6番手で並走、ダムール8番手。そしてバリアシオンがポツンと最後方。ここは末脚勝負か?
縦長の展開で外回り3コーナーに差しかかり、リッツィーがマトルーフに並びかけ、トレブレが外に持ち出し、ダークシャドウが5番手に下がる。中団待機のト-センラー、ヒルノダムール、ウインバリアシオンが下り坂のところでし始める。そして4コーナー手前でトレイルブレイザーが先頭に躍り出て、最後の直線で2番手以下を引き離しにかかる。2番手で争うダークシャドウとダムールが必死に追い込むが、トレブレとの差が縮まらない。ウインバリアシオンは伸びない。完全に抜け出したトレイルブレイザーは、そのまま押し切って1着でゴールイン!ダークシャドウが2着、ヒルノダムールが3着でした。
戦前はどの馬が勝ってもおかしくなかったこのレース、トレイルブレイザーが2着に2馬身差の快勝で京都記念を制覇。昨年11月のアルゼンチン共和国杯以来となる重賞2勝目を飾りました。鞍上の武豊騎手は今年の重賞初勝利で、デビューから26年連続でのJRA重賞勝ちを果たしました。1番人気に推されていたダークシャドウは2着。2番人気のウインバリアシオンは6着という結果。直線での走りが怪しかったので、レース中にケガしていないか心配だ。
強力なライバルを抑えて優勝したトレイルブレイザー、「ユタカマジック」によって勝利を挙げました。道中は3番手の好位で追走し、3コーナーの辺りで先頭を捕らえ、直線に入ったところで抜け出しました。早めに勝負を仕掛けなかったら勝てなかったと思います。武豊騎手の思い切った判断はファインプレーと言えるでしょう。この1勝は本当に大きいし、GI戦線に繋がりそうな気がします。春天or宝塚記念でオルフェーヴルを倒せるでしょうか?
府中のメイン競走は、第46回共同通信杯(GⅢ・芝1800m)。クラシックを目指す11頭によって争われたこのレースは、デビュー2戦2勝のディープブリランテが参戦。無傷の3連勝で重賞2勝目、クラシックに大きく前進するか期待が集まりました。ブリランテの他にも、⑧スピルバーグ、⑩アーカイブ、⑪エネアドの「ディープ産駒組」、重賞2着2回の③ゴールドシップ、藤沢和雄厩舎の⑦ジャングルクルーズなどが出走。
スタートで⑤タガノグーフォがポンと飛び出したのに対し、①ガッテンキャンパスやや出遅れ。先行争いでディープブリランテがいきなり鼻を奪うが、掛かってしまっている。2番手にダガノグーフォ、3番手の位置にゴールドシップと⑨コスモオオゾラ、④ストローハットが5番手。中団の6番手にガッテンキャンパス、その外側にスピルバーグがつける。エネアド8番手、9番手⑦ジャングルクルーズ、後方2番手に⑥ブライアンズオーラ、最後方がアーカイブという展開。
先頭で逃げるブリランテは3コーナーを回っても少々掛かり気味。オオゾラが3番手に浮上し、ゴールドシップ4番手。スピルバーグは中団、エネアドとアーカイブが進出し始める。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、ディープブリランテが2番手を引き離しにかかり、コスモオオゾラ、ゴールドシップ、ストローハットの3頭が追いかける。残り200mを切り、2番手に上がったゴールドシップがブリランテに迫ると、一気にかわして先頭に立ち、最後は1馬身以上離してゴールイン!ディープブリランテはゴール前で大外から来たアーカイブと並んでゴールし、2着を確保…。
クラシック期待の星・ディープブリランテ、デビューからの連勝が途絶える!共同通信杯は単勝2番人気のゴールドシップが差し切り勝ちで優勝。3度目の重賞挑戦で嬉しい初勝利を挙げました。また、鞍上の内田博幸騎手は復帰後初の重賞制覇です。
圧倒的1番人気のディープブリランテは、折り合わなかったことが影響して2着。掛かりながらもそのまま押し切り勝ちしていたら、評価がまた上がったのに…。なんだかメッキが剥がれたような感じだわ~。レース後の岩田康誠騎手の談話で「一番アカン形になってしまった。夢を壊してすみません」と謝罪。今年もまたダービー初制覇の夢が潰えそうですな…。
来週は今年最初のGI競走・第29回フェブラリーステークスが行われます。ダート日本一を決めるレースには、ドバイワールドカップに選出されたトランセンド、武豊騎手とのコンビで挑むエスポワールシチー、JCダート2着のワンダーアキュート、ダノンカモン、セイクリムズン、テスタマッタ、根岸ステークスの勝ち馬・シルクフォーチュン、平安ステークス優勝のヒラボクキングといったダートの実力馬たちが出走予定。昨年の3歳マイル王・グランプリボスも登録していて、芝のマイルGIで2勝した馬が、初めてのダートで好走できるでしょうか?
昨年の最優秀ダートホースに輝いたトランセンドは、ここまでJRAダートGIで4勝。フェブラリーで勝てば史上初の連覇となります。今のトランセンドの勢いからすれば勝って当然だと思うけど、負ければドバイに不安を残すかもしれません。ダート日本一を懸けた戦いは2月19日の午後3時40分ごろに発走します。