サッカー欧州選手権「EURO 2012」は、日本時間14日未明にグループBの第2戦が行われました。第1戦ではデンマークがオランダを破り、ドイツがポルトガルに1-0で勝利し、ドイツとデンマークが勝ち点3を獲得。迎えた今回の第2戦、初戦同様のサプライズ(波乱)は起きたか?
第1試合:デンマークVSポルトガル@アリーナ・リヴィウ
オランダから金星を奪ったデンマーク、その波に乗って連勝したいところ。連敗は許されないポルトガルは、初戦不発に終わったクリスチアーノ・ロナウドにゴールは生まれるかどうか。
立ち上がりは互角の展開となったこの試合ですが、前半25分、ポルトガル左CKをモウチーニョのセンタリング→ペペのヘディングシュートが決まり、1点を先制します。34分、ペナルティエリア付近でのFKをロナウドが直接狙うが、壁に当たりノーゴール。その2分後の36分、右サイド・ナニのグラウンダークロスをポスチガが右足で流し込んで2点目。2-0とリードを拡げます。
2点を追うデンマークは38分、右サイドのパスを受けたエリクセンがミドルシュートを狙いますが、ポルトガルGK・パトリシオに押さえられます。前半41分、ポウルセンがクロスを上げると、ペナルティエリア左にいたクローン・デリが頭で折り返し、最後はベントナーが頭で押し込み1点を返します。ポルトガルは44分、ナニのクロス→ポスチガ飛び込むも届かず、さらにロナウドが詰めるも押し込むことができません。前半は2-1でポルトガル1点リードで終了。
後半、先にチャンスを作ったのはポルトガル。後半4分にロナウドが味方のパスを受けた後、左サイドをドリブル突破したが、シュートはデンマークGK・アンデルセンに阻まれます。後半8分にナニが右サイドからシュートを狙うも決まらず。さらに12分、右サイドFKをベローゾが直接狙うもGKのパンチングに阻まれます。後半26分に途中出場のオリベイラが中央からミドル狙うもGK正面。
迎えた後半33分、ナニのスルーパスからロナウドが完全に抜け出しますが、シュートはゴール右に逸れて3点目ならず。ポルトガル絶好の大チャンスを逃した2分後の後半35分、デンマークは右サイドのヤコブセンがクロスを上げ、ベントナーがヘディングシュートを決めて2-2の同点!ピンチの後にチャンスあり!このまま引き分けで終了かと思われた後半42分、ポルトガルは、左サイドのクロス→途中出場のバレラが右足シュートを決めて勝ち越し!これが決勝点となり、ポルトガルが3-2で競り合いを制し、貴重な勝ち点3を手にしました!
第2試合:ドイツVSオランダ@メタリスト・スタジアム
優勝候補同士の一戦となったこの試合、ドイツが連勝してベスト8入りに近づけるか?初戦で黒星を喫してしまい、早くも後が無い状態に追い込まれたオランダ、ここで勝たなければ更に厳しい。
試合は前半7分、オランダはファン・ボメルが前線へロングボールを入れると、ファン・ペルシーが抜け出して左足を伸ばしたが、ドイツGK・ノイアーにキャッチされてゴールを奪えず。ドイツも8分にエジルがボレーシュートを放ちますが、GKの正面に阻まれます。10分、ロッベンスルーパス→ファン・ペルシーのシュートはポスト左。前半24分に試合が動き、ドイツはシュバインシュタイガーがスルーパスを出し、マリオ・ゴメスがルーレットターンしてから右足で流し込み1点を先制!
36分、右サイドでのFKをバトシュトゥバーが頭で叩きつけるが、オランダGK・スケテレンブルグの守備に阻まれます。そして38分、右サイドでシュバインシュタイガーのパス→抜け出したゴメスが右足を振り抜きこの試合2点目!前半終了間際には、シュバインシュタイガーが左サイドからFKを狙い、ボールは枠内に飛ぶもGKの好守に阻まれます。後半7分にはDFのフンメルスが中央からドリブルで切り込んだ後にシュートを放つもGKに弾かれ、こぼれ球をもう一度フンメルスが狙うも決まりません。
2点を失ったオランダは、フンテラールとファン・デル・ファールトを相次いで投入。後半13分、ロッベンが左サイドでクロス→ファン・ペルシーがダイレクトボレーを放つも、GKノイアーが片手で防ぎます。16分にはスナイデルが左の位置から強烈ミドルを放つも、右に外れてしまいます。26分、ロッベンが右サイドで攻め上がると、折り返しをスナイデルがシュートを打つも、ドイツDF・ボアテングが体を張ってクリア。そして後半28分、ファン・ペルシーがドリブルからミドルシュートを決め、ようやく1点を返しましたが反撃もここまで。試合は2-1でドイツがオランダを下して2連勝。逆にオランダは連敗を喫してしまいました。
グループB第2戦を終えての順位はご覧の通り。
1位 ドイツ 2勝0敗 勝ち点6 得失点2
2位 ポルトガル 1勝1敗 勝ち点3 得失点0
3位 デンマーク 1勝1敗 勝ち点3 得失点0
4位 オランダ 0勝2敗 勝ち点0 得失点-2
第2戦まで終え、2連勝で勝ち点6のドイツが一歩抜け出して首位に立ちましたが、決勝トーナメント進出は最終戦に持ち越し。2位争いではポルトガルとデンマークが勝ち点、得失点、総得点で並んでいますが、直接対決でポルトガルが制しているため、ポルトガルが2位、デンマークが3位。2連敗のオランダは単独最下位に沈んでいるけど、まだ決勝トーナメント進出の可能性が残されています。でも、今のチーム状況だと奇跡を起こすのは難しいかもしれない。
ポルトガルは勝たなければならない試合で貴重な勝ち点3を手にし、決勝トーナメント進出に望みを繋ぎました。この日はクリスチアーノ・ロナウドが再三に渡り決定機を外し続け、特に後半33分のシーンではデンマークを突き放す大チャンスだったのに、シュートを外してしまう失態。思わず私も「何故外したんだ!?」と抱えたくなりました。もし引き分けに終わっていたら、ポルトガル国内で大バッシングが起きていた事でしょう。エースが不調の中、ポルトガルに救世主が現れ、後半39分から出場したバレラが、出場からわずか3分後に決勝ゴールを挙げ、この試合のヒーローとなりました。チームのスーパーサブが、今後スタメンで使う事もあるかもしれません?
オランダとドイツの一戦は、両チームの主力に明暗が分かれた格好となりました。ドイツはゴメスが2ゴール、シュバインシュタイガーが2アシストと大活躍。特に先制ゴールの場面では、シュバインのスルーパスも良かったけど、ゴメスのルーレットターンうま過ぎ!一方のオランダはファン・ペルシーが決めたけど、前半に頭部を負傷し、後半途中交代のロッベンが元気がありません。DF陣もゴメス1人にやられました。ロッベン不振&ザル守備が連敗の要因でしょう。
グループBの第3戦、「オランダVSポルトガル」と「ドイツVSデンマーク」は6月17日に行われ、日本時間午前3時45分に2試合同時キックオフ。決勝トーナメント進出条件をまとめると、
①ドイツがデンマーク戦で引き分け以上なら無条件で1位通過。
②デンマークが勝つか引き分け、ポルトガルドロー以下だとデンマーク2位以上。(デン:勝ち点6or4、ポル:勝ち点4or3)
③ポルトガルがオランダ船に勝利、デンマーク引き分け以下ならポルトガル2位。(ポル:勝ち点6、デン:勝ち点4以下)
④ポルトガル勝利、デンマーク勝利→3チームが勝ち点6で並び、得失点差次第で順位が大きく変わるかも。もしかしたら現在首位のドイツが得失点差で3位転落→グループリーグ敗退という大どんでん返しが?
⑤ポルトガルとデンマークがともに△or●だったら、ポルトガル有利?
⑥オランダはポルトガル戦で2点差以上で勝利し、デンマークが負ければ、大逆転で2位通過。(1-0で勝ってもダメ)
4チーム全てにグループステージ突破の可能性があり、現在首位のドイツも決してウカウカしていられない。優勝候補の一角であるドイツが敗退するなんてありえないと思うけどなあ。最後に抜け出すのは一体どこだ!?