サッカー欧州選手権「EURO2012」は、18日未明にグループBの第3戦が行われました。ここまで2戦を終えてドイツが2連勝・勝ち点6で首位、2位・ポルトガル、3位・デンマーク、オランダが2連敗で最下位。ただ、全てのチームに決勝トーナメント進出の可能性があり。運命の最終戦、「死の組」から勝ち抜けたのはどこだ?
ドイツVSデンマーク@リヴィウ・アリーナ
2連勝と波に乗っているドイツ、引き分け以上なら1位通過が決定。3位のデンマークは、絶対に勝ち点が欲しい試合でした。
序盤からドイツが主導権を握り、前半5分に決定機を迎え、ポドルスキが左サイドでクロス→マリオ・ゴメスがシュートを放ちますが、GKに押さえられてノーゴール。対するデンマークも13分にベントナーが中央の位置から右足ミドルを放ちますが、ゴール左に外れてしまいます。前半19分、ドイツは右サイドのスローインから、ミュラー折り返し→ゴメスヒールパス→ポドルスキの右足シュートが決まり、ドイツが1点を先制!しかしその5分後の24分、デンマークは右CKをヤコブセンがセンタリング→ベントナーがヘッドで繋ぎ、最後はクローン・デリが頭で押し込み、1-1の同点とします。
ドイツは40分過ぎに決定的なシーンが続出し、41分にペナルティエリア内に進入したケディラのシュートはポスト右に逸れ、43分にはゴメスがDFをかわしまくるも、GKに押さえられてシュート打てず。逆にデンマークは後半6分、左サイドのシモン・ポウルセンのグラウンダークロス→ベントナー→ヤコブ・ポウルセンが中央から狙うも、わずかにポスト左。
一進一退の攻防が続く中で迎えた後半35分、ドイツはカウンターからケディラ→左にいたエジルが逆サイドへスルーパスを入れ、右サイドから走り込んできたラース・ベンダーが右足で流し込んで勝ち越しゴール!結局この1点が決勝点となり、ドイツが2-1でデンマークを下し、グループリーグ3戦全勝・勝ち点9で決勝トーナメント進出決定。
ポルトガルVSオランダ@メタリスト・スタジアム
2連敗と崖っぷちに立たされたオランダ、逆転でのベスト8進出のためには2点差以上で勝利が求められます。対するポルトガルは、ここまで無得点のクリスチアーノ・ロナウドにゴールは生まれるか?
序盤からオランダが攻勢に出て、前半4分に右サイドのクロス→スナイデルが左足シュートを放ちますが、枠を外します。迎えた前半11分、ロッベンがドリブルで持ち込み、ファン・デル・ファールトの左足ミドルシュートがゴール左隅に決まり1点を先制!あと1点取ればミラクルが起きると思われました。
しかし、15分過ぎからポルトガルペースとなり、15分にロナウドが左サイドでドリブル→シュートはわずかに左。さらに17分には相手のバックパスを奪ったポスチガがDFラインを抜け出すも、シュートは右に外れる。そして28分、ペレイラのスルーパスに反応したロナウドが右足で流し込み、1-1の同点。オランダにとっては痛恨の失点。
後半、オランダは後半8分に左のショートコーナーからロッベンクロス→ロン・フラールがヘディングで合わせるも決まらず。ポルトガルは後半14分、ロナウドのパス→ポスチガが合わせて2点目かと思われたがオフサイド。後半21分にはコエントランがペナルティエリア手前からシュートを狙うも、GKの好セーブに阻まれます。27分にはカウンターからロナウドが左サイドで折り返し→ナニのシュートはGKの足に当たる…。後半29分、再び速攻からチャンスが生まれ、右サイド・ナニのスルーパス→ロナウドがフェイントでDFをかわした後、右足で流し込みゴール!ロナウドこの日2得点目で2-1とポルトガルが逆転。
なんとか一矢を報いたいオランダは後半37分にファン・デル・ファールトが左の位置からミドルを放つが、ボールはポスト右に直撃。後半41分にはFKのこぼれ球をファン・ペルシーがダイレクトボレーを狙うもダメ。43分にはロッベンのスルーパス→ファン・ペルシーのシュートも決まらず。試合は2-1でポルトガルが勝利。オランダは3戦全敗でEUROを去ることになりました。
強豪ぞろいのグループBは全日程終了。最終戦はドイツとポルトガルが勝利を収めました。この結果、最終順位はこうなりました。
1位 ドイツ 3勝0敗 勝ち点9
2位 ポルトガル 2勝1敗 勝ち点6
3位 デンマーク 1勝2敗 勝ち点3
4位 オランダ 0勝3敗 勝ち点0
ドイツが3連勝で堂々の1位通過、ポルトガルは初戦落とした後、2連勝を挙げて2位通過。デンマークは3位、グループリーグを突破すると思われていたオランダが全敗で最下位敗退。スナイデル、ロッベン、ファンペルシーとタレント揃いだけど、チームが全く機能できなかった。それに初戦のデンマーク戦で負けたショックが最後まで尾を引いたのかもしれません。優勝候補の一角が未勝利で消える、まさに死の組だ…。
ドイツVSデンマークは、ドイツの若手がヒーローとなりました。右サイドバックで先発出場したラース・ベンダーが、後半35分に決勝ゴールを叩き込み、先発起用に応えるとともにチームの勝利に大きく貢献。このゴールは自身にとってフル代表初ゴールだそうです。グループリーグで強敵を次々と倒して3連勝を挙げたドイツ、決勝トーナメントでも安定感を維持し続け、16年ぶりの欧州制覇となるでしょうか?
ポルトガルVSオランダの試合は、クリスチアーノ・ロナウドにようやくゴールが生まれました。1点ビハインドの前半28分に同点弾を叩きこむと、後半34分には逆転ゴールでオランダに息の根を止めて見せました。デンマーク戦では2度の決定機を外して大きな批判を浴びましたが、この試合で2ゴールを挙げて汚名返上に成功。エースが目覚めた事でチームもこれから波に乗ってくるかもしれません。
これで準々決勝の2試合が決定し、A組1位・チェコVSB組2位・ポルトガル、B組1位・ドイツVSA組2位・ギリシャという組み合わせとなりました。ギリシャは第2戦までA組の最下位でしたが、最終戦でロシアを破って大逆転で2位通過。「ミラクルギリシャ」はダークホースとなりそうな予感…。