2012年秋のGIシリーズがいよいよスタート。30日は中山競馬場で下半期のスプリント王決定戦・第46回スプリンターズステークス(GI・芝1200m 16頭立て)が行われました。当日は台風17号の影響により開催できるか不安視されていましたが、無事青空の下で開催されました。今年のスプリンターズSは、昨年の勝ち馬⑭カレンチャンが前人未到のスプリントGI3連覇を達成できるか注目が集まり、カレンチャンと同じ安田隆行厩舎の⑯ロードカナロアと⑬ダッシャーゴーゴー、前哨戦のセントウルステークスを制した3歳牝馬⑮エピセアローム、サマースプリントシリーズ王者⑪パドトロワ、③ドリームバレンチノ、①マジンプロスパー、④サンカルロといった短距離界の実力者が集結し、海外からは昨年の香港スプリント覇者⑤ラッキーナイン、英国の短距離GI・キングズスタンドステークスを勝った⑦リトルブリッジ(香港)、シンガポール代表⑫キャプテンオブヴィアスの3頭が参戦しました。
直前の単勝の上位人気は、1番人気カレンチャン(2.5倍)、ロードカナロア2番人気(4.4倍)、3番人気のエピセアローム(9.9倍)までが10倍を切り、4番人気以降はパドトロワ、リトルブリッジ、ダッシャーゴーゴー、マジンプロスパー、ラッキーナインと続きました。
ばらついたスタートで始まったこのレース、ラッキーナインと⑨サンダルフォンの2頭が出遅れてしまう。先行争いで、好スタートを見せたキャプテンオブヴィアスをダッシャーがすぐさまかわしたが、マジンプロスパー、パドトロワ、⑥エーシンヴァーゴウも先頭集団に加わる。6番手リトルブリッジ、カレンチャンは7番手に控える。中団グループにはカナロア、エピセアローム、バレンチノ、⑩ブルーミンバー、②フィフスペトルの5頭がひと塊となっている。中団より後ろの13番手集団には⑦スプリングサンダー、ラッキーナインとサンカルロ、サンダルフォンが単独最後方を追走。
先頭を行くプロスパーとパドトロワは前半600mを32.6秒で通過。3番手のところにダッシャーゴーゴーとヴァーゴウ、カレンチャンが5番手に進出し、4コーナーから最後の直線へ。ラスト300mのところでカレンチャンがパドトロワとマジンプロスパーの2頭を捉え、3連覇が近づいたか思ったら、外からロードカナロアが迫る。坂を上がり、カレンとカナロアの2頭が競り合い、内からドリームバレンチノが追い上げ、ラスト100mを切ってロードカナロアが抜け出して先頭でゴールイン!その瞬間、岩田康誠騎手ガッツポーズ!カレンチャンは2着に敗れて3連覇の夢叶わず…。
全着順&払戻金
1着⑯ロードカナロア 1分06秒7
2着⑭カレンチャン 3/4馬身
3着③ドリームバレンチノ クビ
4着⑮エピセアローム 3/4馬身
5着⑤ラッキーナイン ハナ
6着④サンカルロ クビ
7着⑥エーシンヴァーゴウ 1馬身1/4
8着⑪パドトロワ 3/4馬身
9着⑩ブルーミンバー クビ
10着⑦リトルブリッジ クビ
11着②フィフスペトル アタマ
12着①マジンプロスパー クビ
13着⑨サンダルフォン 1馬身
14着⑧スプリングサンダー アタマ
15着⑫キャプテンオブヴィアス 1/2馬身
16着⑬ダッシャーゴーゴー 2馬身
払戻金
単勝 16 440円
複勝 16 140円 14 120円 3 520円
枠連 7-8 330円
馬連 14-16 510円
馬単 16-14 1170円
ワイド 14-16 230円 3-16 1600円 3-14 1170円
3連複 3-14-16 4300円
3連単 16-14-3 17540円
秋の短距離王を決める一戦は、安田隆行厩舎のワンツー決着となり、単勝2番人気だったロードカナロアが、直線で大外からカレンチャンなどをまとめて差し切って優勝し、新短距離王の座に輝きました。優勝タイム・1分06秒7は、中山1200mのコースレコードです。優勝したロードカナロアに騎乗した岩田康誠騎手は、今年のJRAGI4勝目をマーク。スプリンターズステークスは4度目の騎乗で初勝利を飾りました。この日はGI勝利だけでなく9レースの芙蓉ステークスで年間100勝を達成しました。管理する安田隆行調教師は、昨年に続いての同レース連覇達成です。
スプリントGI3連覇を狙ったカレンチャンは、2着に終わり前人未到の偉業達成は幻に。直線で前に出たときは3連覇もあるかと思ったけど、カナロアの気迫の前に敗れました。GI初挑戦のドリームバレンチノが3着と健闘し、3番人気のエピセアロームは4着、サマースプリント王・パドトロワは8着。海外勢はラッキーナインの5着が最高で、リトルブリッジ10着、キャプテンオブヴィアスは15着に終わりました。
ロードカナロアは昨年4月の500万円以下の特別レースから5連勝を果たし、快進撃の勢いそのままに高松宮記念に挑んだものの、カレンチャンの壁に阻まれ3着。その後は函館スプリントステークスで2着、セントウルステークスでも2着と惜敗続き。3連敗だっただけに、この日のスプリンターズSはどうしても負けられない一戦でもありました。道中は中団待機、直線では岩田騎手に導かれ、同じ厩舎の先輩を破ってGI初制覇を成し遂げました。今後はカレンチャンに代わって安田厩舎のエースとなり、スプリント界の中心となるに違いない。日本に限らず、世界でも活躍するスプリンターになってもらいたいですね。
来週からは東京競馬場と京都競馬場の秋開催が始まり、7日は東京競馬場で毎日王冠、8日は京都競馬場で毎日王冠が行われます。そして7日夜には世界最高峰のレース・凱旋門賞にオルフェーヴルが挑戦します!フランス遠征初戦のフォア賞で快勝し、日本馬初の凱旋門賞制覇に弾みをつけ、英国のブックメーカーもフォア賞での勝利が高く評価され、1番人気に推されています。デインドリーム、スノーフェアリーと強力なライバルを破って世界制覇なるでしょうか?このブログを見ている皆さんも、テレビの前でオルフェーヴルを応援しよう!
追記:昨年の凱旋門賞馬で、オルフェーヴルのライバルと目されていたデインドリームのが回避されることが発表されました。ドイツ国内で発生した馬伝染性貧血症の影響で、国外への移動が禁止されたため、凱旋門賞参戦の道が閉ざされてしまいました。スノーフェアリーも脚部不安で回避のため、オルフェーヴルが単独1番人気となりました。ライバル不在で追い風が吹いてきたか…?