夏のローカルシリーズが先週で終わり、今週から秋競馬が開幕。中山競馬場ではサマーマイルシリーズ最終戦・京成杯オータムハンデキャップ、阪神競馬場ではサマースプリントシリーズの最終戦・セントウルステークスが行われました。秋競馬の開幕を告げる重賞レースで、実力派の古馬勢に挑んだ3歳勢が奮闘しました。
阪神のメイン競走・第26回セントウルステークス(GⅡ・芝1200m)は、16頭立てで争われました。「サマースプリント」は最終戦を待たずしてパドトロワの総合優勝が既に決まっております。今回のセントウルは、今月30日に行われるスプリンターズステークスの前哨戦に相応しいメンバーが集まり、現役№1スプリンター⑥カレンチャン、打倒カレンチャンに燃える⑨ロードカナロア、大魔神・佐々木主浩氏の愛馬③マジンプロスパー、更には北九州記念を制した⑮スギノエンデバー、⑩エーシンヴァーゴウ、高松宮記念2着②サンカルロ、阪神1200mの重賞を勝った事がある⑦ヘニーハウンドが出走し、3歳勢からは④エピセアローム、⑤サドンストーム、⑧マコトナワラタナの3頭が参戦しました。
まずスタート直後、マジンプロスパーが好スタートを切りますが、ロードカナロアとカレンチャンも先行争いに加わりますが、プロスパーが抜き返して先頭、カレンチャンは2番手追走、カナロアは3番手に控える。4番手エピセアローム、ヴァーゴウ5番手、ヘニーハウンドが6番手、7番手に⑬エーシンヒットマン。中団には、⑪エーシンリジル、サンカルロ、⑯アンシェルブルー。11番手⑭サドンストーム、マコトナワラタナは道中掛かって12番手まで下がり、スギノエンデバー13番手、⑤エーシンホワイティ14番手。後方は⑫アウトクラトール、①ベイリングボーイ最後方追走。
縦長の展開で残り600mを切り、マジンプロスパーが先頭、2番手カレンチャン、ロードカナロア3番手は変わらず。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、カレンチャンとカナロアがプロスパーをかわして先頭で競り合う。後続からはエピセアロームとアンシェルブルーが追い込んできている。残り100mでカナロアが抜け出すが、ゴール手前でエピセアロームが真ん中から割り込み、最後は2頭並んでゴール!態勢は微妙だったが、エピセアロームがロードカナロアを差して1着!
実績あるスプリンターが集結したセントウルステークス、ゴール前でロードカナロア、エピセアローム、アンシェルブルーの3頭が競り合いましたが、3歳牝馬のエピセアロームの差しが決まり優勝。52キロの軽量を上手く活かせたし、内枠に入ったのもそうだし、武豊騎手の好騎乗ぶりが勝因じゃないかと思われます。エピセアロームは昨年の小倉2歳ステークス以来の勝利で、重賞2勝目。鞍上の武豊騎手は、今年重賞2勝目です。ユタカさんが重賞で勝ったのは本当に久々といえるでしょう。
1番人気だったロードカナロアはアタマ差の2着惜敗。これで前走の函館スプリントステークスに続いての2着。格下相手に惜敗してたら、本番のスプリンターズSでも勝てないぞ。高松宮記念以来半年ぶりのレースだったカレンチャンは、休み明け、56キロの斤量、前走より+22kgの504kgが影響して4着。しかし、残り100mまで先頭争いをしていたので、悲観する内容ではなかったと思います。本番にしっかり絞ってくれば、GI3連覇も期待できそうです。
中山のメインは第57回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)。このレースは今年から始まったサマーマイルシリーズの最終戦でもあります。ここまで2戦終えてドナウブルーとフラガラッハが10ポイントで1位タイ、エーシンリターンズ6ポイント、スピリタスが4ポイントとなっています。今回は⑫エーシンリターンズ⑪とスピリタスが参戦し、総合優勝するためにはどちらも1着が絶対条件です。
このレースには他にもベテランの①スマイルジャック、安田記念3着の②コスモセンサー、③レオアクティブ、⑭マイネルロブスト、⑦ゼロスの3歳勢、⑥ネオサクセス、⑮ドリームバスケットなどが出走しました。
揃ったスタートで始まったこのレース、コスモセンサーが好スタートを切るも、ゼロスが飛び出して先手を奪います。2番手に⑨スペシャルハート、3番手コスモセンサー、4番手⑩ガンダーラ、5番手グループに⑤ファイアーフロート、⑧キョウエイストーム、リターンズ7番手に控え、その後ろにスマイルジャック、スピリタス9番手。10番手にドリバスとマイネルロブスト、レオアクティブは12番手。その後は④レインボーペガサスと⑬ラインブラッド、15番手にネオサクセス、しんがりの16番手⑯ロードバリオス。
3コーナーに入ってもゼロスがレースを引っ張り、コスモセンサーが2番手追走。エーシンリターンズとスピリタス、レオアクティブはまだ中団。4コーナーから直線に入ったところでコスモセンサーが先頭に浮上。最内ではレオアクティブが押し上げ、スマイルジャックも内から狙う。後続ではファイアーフロート、ネオサクセス、スピリタス、リターンズも追い上げるが厳しいか?坂を上がりきったところで内ラチ沿いにいたレオアクティブが先頭に立ち、最後は突き抜けてゴールイン!3歳馬・レオアクティブが、並み居る古馬を抑えて京成杯AHを制しました。
関東メインでも3歳馬が古馬一蹴!2番人気に支持されていたレオアクティブが、最内の経済コースからスルスルと上手く抜け出して1着。昨年の京王杯2歳ステークス以来自身2度目の重賞勝ちを収めました。優勝タイム・1分30秒7は、今年6月の安田記念でストロングリターンが叩き出した1分31秒3を上回るJRAレコード!恐らく世界新記録かもわかりません。
サマーマイル総合優勝の可能性があったスピリタスは3着に終わって4ポイント獲得。しかし、2戦合計8ポイントだったため優勝ならず。このレースの1番人気だったエーシンリターンズは7着に終わり、3戦合計7ポイント止まり。この結果、中京記念優勝・フラガラッハ、関屋記念優勝・ドナウブルー、京成杯AH覇者・レオアクティブの3頭が10ポイントで並びましたが、基準となる12ポイントに達していないため、総合優勝は「該当馬なし」となりました。なんていう不透明でモヤモヤが残る結果、ドナウブルーとフラガラッハが出ていれば…。
来週は東西で秋のクラシックに向けたトライアルレースがあります。16日には阪神競馬場で行われる秋華賞トライアル・ローズステークスには、2冠牝馬のジェンティルドンナが登場!ルドンナの他にもヴィルシーナ、ハナズゴール、ラスヴェンチュラス、キャトルフィーユ、アナスタシアブルー、トーセンベニザクラなどが登録しております。17日は中山競馬場で菊花賞トライアル・セントライト記念があります。このレースにはダービー2着馬・フェノーメノ、上半期クラシックを棒に振ったベストディール、エタンダール、サンレイレーザーなどが出走予定です。