阪神甲子園球場で開催中の第98回選抜高校野球大会は、4月1日に決勝戦が行われました。今大会の決勝カードは、「大阪桐蔭高校VS履正社高校」という組み合わせに。大阪桐蔭が勝てば5年ぶり2度目のセンバツ優勝、履正社は春夏通じて初の全国制覇となります。大阪勢同士の決勝は、大熱戦となりました。
両チームのスタメン
履正社 大阪桐蔭
1(右)石田龍史 (中)藤原恭大
2(二)溝辺冬輝 (左)宮崎仁斗
3(三)安田尚憲 (一)中川卓也
4(左)若林将平 (右)山本ダンテ武蔵
5(一)浜内太陽 (三)山田健太
6(投)竹田祐 (捕)福井章吾
7(中)筒井太成 (二)坂之下晴人
8(捕)片山悠 (遊)泉口友汰
9(遊)西山虎太郎 (投)徳山壮磨
決勝戦はいきなり試合が動きます。1回表、大阪桐蔭の先頭打者・藤原が、履正社先発・竹田の5球目の変化球を捉え、ライトスタンドへの先頭打者本塁打!大阪桐蔭が早々と先制点を挙げると、2回には2死走者無しから坂之下が高めのストレートを叩き、レフトスタンドへのソロ本塁打を放ち1点追加。2-0とリードを拡げます。
大阪桐蔭先発・徳山は、初回に履正社の上位打線から3者連続三振を奪うと、その後もランナーを背負いながらも要所を締め、5回まで履正社打線をノーヒットに抑えます。
6回、大阪桐蔭は1番・藤原が竹田のストレートをジャストミート!今度は右中間スタンドに突き刺さるソロ本塁打!藤原のこの日2本目のホームランで、3-0とします。
1点を返したい履正社は、6回裏に先頭の西山がチーム初安打となる3塁打を放つと、2死後に安田が四球を選び、2死1,3塁とホームランで即同点のチャンスを迎えたが、4番・若林が見逃し三振に倒れて2者残塁。7回も先頭打者が出塁するも、ゲッツーで無得点。
8回、履正社は2死1塁から安田がレフト前ヒットで繋ぐと、2死1,3塁で4番・若林がレフト前へのタイムリーヒット。大阪桐蔭・徳山からようやく1点を返します。なおもランナー2人置いて、浜内が2球目を振り抜き、左中間へのタイムリー2塁打。2塁走者が生還すると、1塁走者もヘッドスライディングでホームイン!履正社が2死からの3連打で、3-3の同点とします。
同点で迎えた9回、大阪桐蔭は先頭の竹之下がヒットで出塁すると、1死2塁で徳山の代打・西島一波が、竹田の4球目のストレートを狙い撃ち!レフトへの大飛球は、グングン伸びてスタンド到達!西島の2ラン本塁打で大阪桐蔭が5-3と勝ち越し!これで勢いづいた桐蔭は、藤原の3塁打の後、途中出場・根尾昂のあと少しでホームランというレフトフェンス直撃のタイムリー2塁打で1点追加。さらに、中川と山本にもタイムリーが生まれ、この回一挙5得点。8-3と突き放しました。
9回裏、履正社は2つの四球で1死1,2塁とするも、石田が遊撃ゴロ併殺打に打ち取られ試合終了。大阪桐蔭が大阪勢同士の決勝戦を制し、春のセンバツ王者に輝きました。
第89回センバツ高校野球大会 決勝 2017/04/01(土)
大阪桐蔭(大阪)-履正社(大阪)
大桐蔭 110 001 005 8
履正社 000 000 030 3
【投手】
(大)徳山、根尾-福井
(履)竹田、松井-片山
【本塁打】
(大)藤原1号ソロ(1回、竹田)、2号ソロ(6回、竹田)
坂之下1号ソロ(2回、竹田)、西島1号2ラン(9回、竹田)
「大阪ダービー」となった今年のセンバツ決勝戦は、大阪桐蔭が一発攻勢で履正社を下し、5年ぶり2度目のセンバツ優勝を果たしました。夏の選手権を含めると、通算6度目の甲子園制覇。さらに、この勝利で甲子園春夏通算50勝目となりました。履正社は8回裏に3連続ヒットで3点差を追いつき、もしかしたら逆転するんじゃないかと思っていたんですが、竹田投手が9回に代打の選手にホームランを浴び、その後も連打を浴び、この回だけで5失点を喫しました…。
大阪桐蔭はこの試合4本のホームランが生まれたましたが、センバツ決勝で史上初の記録も作りました。1番に座った藤原選手は1試合2本塁打。1本目は竹田投手のスライダーを捉え、ライトスタンドへのソロ本塁打。2本目は右中間への完璧な一発を放ちました。その後、9回の打席でライトへの3塁打を打ち、3安打2打点の猛打賞をマークしております。
9回に決勝2ランを放った西島選手は、なんと「決勝戦初の代打本塁打」。西島選手のコメントによると「公式戦初本塁打」。この大会では「ブルペン捕手」を務めていましたが、打席に立つと勝負強さを見せており、2回戦の静岡高校戦では8回に代打で登場し、勝ち越しタイムリー3塁打を打ちました。「代打の神様」的な活躍を見せた西島選手、夏の大会ではレギュラーの座を獲得できるのか?
大阪桐蔭の優勝で幕を閉じた今年のセンバツ。ベスト4には関西勢3チームが残った一方、関東勢は早々と敗退するチームが相次ぎ、昨年夏の王者・作新学院も2回戦で敗れ、最後の砦だった健大高崎も準々決勝で姿を消しました。今年の夏の選手権も「西高東低」となるのか?関東勢の奮起に期待したいと思います。