2017年の牡馬クラシック第1戦・第77回皐月賞(GI・芝2000m 18頭立て)が16日、中山競馬場で行われました。今年の皐月賞は、デビュー3戦3勝の牝馬⑧ファンディーナが、69年ぶりの牝馬制覇を目指し参戦。他にも共同通信杯を勝った②スワーヴリチャード、弥生賞馬④カデナ、スプリングステークス覇者⑰ウインブライト、朝日杯FSを制した⑬サトノアレス、ホープフルステークス以来の実戦となる⑤レイデオロ、毎日杯を勝った⑪アルアインのほかに、⑱トラスト、⑦ペルシアンナイト、⑫アメリカズカップ、③コマノインパルスといった重賞ウィナーが挙って出走しました。
単勝の上位人気は、1番人気がファンディーナ(2.4倍)、2番人気スワーヴリチャード(7.0倍)、カデナが僅差の3番人気(7.2倍)。4番人気ペルシアンナイト(8.1倍)までが10倍以下で、そのあとにレイデオロ、ウインブライト、⑥アウトライアーズ、サトノアレス、アルアイン、⑨プラチナヴォイスと続きました。
スタートは18頭横一線。スタンド前の先行争いで、ファンディーナが前に行くと、アダムバローズ・アルアイン・トラストも先団につく。スワーヴリチャード・⑩ダンビュライト・プラチナヴォイスは5番手グループ、ウインブライト・アウトライアーズ・ペルシアンナイトは中団馬群、カデナとレイデオロは後方、サトノアレスは最後方で1コーナーを回った。
1,2コーナーを回り、向正面に差し掛かり、アダムバローズ先頭、トラスト2番手、⑯クリンチャーが3番手に進出。4番手グループには、内側にファンディーナ、真ん中アルアイン、外側にダンビュライト。7番手プラチナヴォイス、8番手①マイスタイル、9番手にウインブライトが追走。その後ろでは、ペルシアンナイトが内埒に沿ってポジションを押し上げ、11番手コマノインパルス、12番手スワーヴリチャード、13番手アメリカズカップ。14番手にアウトライアーズ、カデナも15番手から進出開始。後方は16番手⑭キングズラッシュ、17番手レイデオロ、サトノアレスが依然としてしんがり追走。
3コーナーをカーブし、トラストがアダバロをかわすと、クリンチャーも先頭集団に加わる。ファンディーナはいったん4番手に下げ、ダンビュが外から押し上げる。さらにはウインブラも好位置につけた。ペルシアンは中団より前の位置、カデナは中団馬郡の中、スワーヴは外に出した。
18頭ほぼ一団で4コーナーから最後の直線へ。ここでファンディーナが先頭に立つかと思いきや、内からペルシアンナイトとクリンチャー、外からダンビュライトが迫り、アルアインも襲い掛かる。ゴール残り200mでペルシアンが前に出るが、馬群を割ってアルアインが外から追い上げ、ゴール前でペルシアンを交わしてゴールイン!アルアインがゴール前差し切って皐月制覇!ファンディーナは馬群に沈みました…。
皐月賞 全着順&払戻金
1着⑪アルアイン 1分57秒8
2着⑦ペルシアンナイト クビ
3着⑩ダンビュライト 3/4馬身
4着⑯クリンチャー 1馬身1/4
5着⑤レイデオロ クビ
6着②スワーヴリチャード
7着⑧ファンディーナ
8着⑰ウインブライト
9着④カデナ
10着⑨プラチナヴォイス
11着⑬サトノアレス
12着⑥アウトライアーズ
13着⑱トラスト
14着③コマノインパルス
15着⑭キングズラッシュ
16着①マイスタイル
17着⑮アダムバローズ
18着⑫アメリカズカップ
単勝 ⑪ 2,240円
複勝 ⑪ 650円 ⑦ 320円 ⑩ 1,340円
枠連 4⃣-6⃣ 2,380円
馬連 ⑦-⑪ 8,710円
馬単 ⑪-⑦ 20,720円
ワイド ⑦-⑪ 2,250円 ⑩-⑪ 16,960円 ⑦-⑩ 6,770円
3連複 ⑦-⑩-⑪ 176,030円
3連単 ⑪-⑦-⑩ 1,064,360円
重賞勝ち経験馬が11頭も参戦した今年の皐月賞は、9番人気の伏兵・アルアインが鮮やかな差し切り勝ちを決め、最初の1冠を手に入れました。勝ちタイム1分57秒8は、昨年ディーマジェスティが打ち立てた皐月賞レコードを0.1秒更新。2着のペルシアンナイトは、内から上手く抜け出したけど、ゴール前でかわされました。池江泰寿厩舎所属の2頭が1,2着を独占。それに2頭とも前走阪神の重賞で勝ってるんだよなぁ…。(アル:毎日杯、ペル:アーリントンカップ)3着に入ったダンビュライトは、単勝で12番人気。3連単も100万超えの高配当となりました。
2番人気だったスワーヴリチャードは大外から追い込むも6着まで。1番人気だったファンディーナは、直線に入ったところで一旦先頭に躍り出たんですが、ラスト200mを切って失速して7着に沈みました。うーん、牡馬の壁は厚かったなぁ。この結果を見て、牝馬で日本ダービー馬になったウオッカは凄いな…。3番人気だったカデナも9着に終わり、人気上位3頭がすべて掲示板を外しました。
GⅠ初制覇のアルアインは、前走の毎日杯に続いての連勝で通算4勝目。毎日杯の勝ち馬が皐月賞馬になったのは、1999年のテイエムオペラオー以来です。鞍上の松山弘平騎手は、デビュー9年目でJRAのGⅠ初制覇。このレースには初騎乗でしたが、大仕事を成し遂げました。松山騎手は1990年(平成2年)生まれの27歳なので、平成生まれで初のJRA・GⅠジョッキー誕生です。
池江調教師は2011年のオルフェーヴルに次いで皐月賞2勝目。昨年はサトノダイヤモンドで悔しい思いをしましたが、1年後にリベンジ達成。しかもワンツーフィニッシュです。レース後の口取り式には、元プロ野球選手の山本昌さんの姿も。実は昌さん、アルアインの一口馬主でもあるんです。愛馬のGⅠ勝ちに昌さんも大感激されていました。
アルアインは道中4,5番手を追走、ファンディーナの外側につけていました。3コーナーで中団に下げ、直線では狭いところから抜け出し、ペルシアンナイトをゴール前捕えました。末脚も力強さを感じたし、何よりも松山騎手の好騎乗が冴えましたね。通算成績も4戦3勝、今度の日本ダービーでは上位人気になりそうです。
来週からは春の東京&京都開催が開幕。23日は東京競馬場でオークストライアルのフローラステークス、京都競馬場は安田記念前哨戦・読売マイラーズカップが行われます。
フローラステークスは、ディーパワンサ、つばき賞でファンディーナの2着だったタガノアスワド、レッドミラベル、ラユロット、ヤマカツグレース、2連勝中のモズカッチャンとホウオウパフューム、フェアリーステークス2着・フローレスマジックなどがオークスの優先出走権獲得を目指します。
マイラーズカップは、東京新聞杯を逃げ切ったブラックスピネルと、京都金杯を制したエアスピネルが3度目の対決。さらには、2014年皐月賞馬・イスラボニータ、マイル重賞3勝のヤングマンパワー、プロディガルサン、フィエロ、ダッシングブレイズ、昨年の優勝馬・クルーガーと好メンバー揃い。ブラスピVSエアスピは今年2度対戦して1勝1敗。3度目の直接対決はどっちに軍配が上がるのか?