2017年春クラシックの開幕戦・第77回桜花賞(GⅠ・芝1600m)が9日、阪神競馬場で行われました。③サロニカ出走取消で17頭立てで争われる今年の桜花賞、目下デビュー4連勝中のフランケル産駒⑭ソウルスターリングが、無敗での桜花賞制覇を果たせるかに注目が集まりました。ソウスタ以外では、阪神JF2着⑥リスグラシュー、同じく3着⑩レーヌミノル、フィリーズレビューを快勝した⑧カラクレナイ、クイーンカップから直行の⑮アドマイヤミヤビ、もう1頭のフランケル産駒①ミスエルテ、2連勝中②ライジングリーズン、重賞2着2回⑫アエロリット、チューリップ賞2着⑯ミスパンテールなどが参戦しました。
単勝の人気は、ソウルスターリングが1.4倍の断然1番人気。2番人気はアドマイヤミヤビ(5.1倍)で、この2頭が10倍以下。3番人気以降は、リスグラシュー、ミスパンテール、ミスエルテ、アエロリット、カラクレナイ、レーヌミノルと続きました。
スタートで⑤ベルカプリがポンと飛び出したが、⑦ショーウェイと⑬ヴゼットジョリー、⑱カワキタエンカも先団につける。5番手レーヌミノル、6番手グループには、ミスエルテ・④ジューヌエコール・ソウルスターリングの3頭が固まっていて、その後ろの9番手の位置にリスグラシューが追走。10,11番手の位置にミスパンテールとライジングリーズンが並び、12番手⑪アロンザモナ、13番手⑨ゴールドケープ。離された後方グループは、14番手アエロリット、15番手カラクレナイ、16番手アドマイヤミヤビ、最後方ディアドラ。
外回り3,4コーナー中間を過ぎ、エンカが後続を離して先頭一人旅。前半800mを46.5秒で通過。ヴゼットが2番手に上がり、ショーウェイが3番手。レーヌが4番手、外に出したソウスタは、レーヌの背後をピッタリとつけている。リスグラ・ミスエルテ・ミスパンの3頭は中団馬群、ミヤビは大外に持ち出して末脚に懸ける。
17頭が一団の状態で4コーナーを回って最後の直線コースへ。カワキタエンカがまだ先頭だが、ヴセットジョリー、レーヌミノルが上がり、ソウルスターリングはまだ5番手。ゴール残り200mでレーヌがエンカをかわして先頭に立つ。ソウスタも前を追うが、なぜか脚が伸びてこない。外からリスグラシューとアエロリットが襲い掛かるが、レーヌミノルが先頭でゴールイン!ソウルスターリングはリスグラシューにかわされ3着に敗れました…。
桜花賞 全着順&払戻金
1着⑩レーヌミノル 1分34秒5
2着⑥リスグラシュー 1/2馬身
3着⑭ソウルスターリング クビ
4着⑧カラクレナイ クビ
5着⑫アエロリット クビ
6着⑰ディアドラ
7着⑱カワキタエンカ
8着②ライジングリーズン
9着④ジューヌエコール
10着⑬ヴゼットジョリー
11着①ミスエルテ
12着⑮アドマイヤミヤビ
13着⑨ゴールドケープ
14着⑪アロンザモナ
15着⑦ショーウェイ
16着⑯ミスパンテール
17着⑤ベルカプリ
取消③サロニカ
単勝 ⑩ 4,080円
複勝 ⑩ 480円 ⑥ 240円 ⑭ 110円
枠連 [3]-[5] 7,470円
馬連 ⑥-⑩ 17,000円
馬単 ⑩-⑥ 45,330円
ワイド ⑥-⑩ 2,760円 ⑩-⑭ 880円 ⑧-⑭ 420円
3連複 ⑥-⑩-⑭ 5,020円
3連単 ⑩-⑥-⑭ 94,890円
「ソウルスターリング1強」と言われていた今年の桜花賞でしたが、単勝8番人気の伏兵・レーヌミノルが優勝しました。リスグラシューは半馬身及ばず2着、無敗の桜花賞制覇を狙ったソウルスターリングは3着。阪神JFで1~3着だった馬が、桜花賞で順位が入れ替わるという結果になりました。なお、リスグラシューはJFに続いての2着です…。2番人気のアドマイヤミヤビは12着、4番人気のミスパンテールは16着大敗でした。
優勝したレーヌミノルは、小倉2歳ステークス以来となる重賞2勝目で、通算3勝目。鞍上の池添謙一騎手は、2002年以来2度目の桜花賞制覇。一昨年はクルミナルで2着、昨年はシンハライトで2着と惜しいレースが続きましたが、ようやく雪辱を果たしました。そういや、初めて桜花賞を勝ったときは、人気薄だったアローキャリーに騎乗。15年後の今年も、人気薄の馬で勝ちましたね。
レーヌを管理する本田優調教師は、厩舎開業11年目で念願のGⅠ初勝利。騎手時代は2001年のテイエムオーシャンで勝利しており、史上4人目の「騎手&調教師ダブル桜花賞制覇」を成し遂げました。また、馬主の吉岡實氏はJRA・GⅠ初勝利です。
レーヌミノルは小倉2歳ステークスを勝った後、京王杯2歳ステークス2着、阪神JF3着、クイーンカップ4着、前走のフィリーズレビューで2着と勝ちきれないレースが続いていました。この日は単勝オッズで9番人気と評価は低め。レースでは序盤からソウルスターリングより前に位置取り、最後の直線では4番手から抜け出し、後続の追撃を振り切りました。圧倒的人気のソウルスターリングを抑えての大金星、池添騎手もテン乗りながら上手さが目立ちました。
無敗の桜花賞制覇が期待されながらも3着に終わったソウルスターリング。まさかの敗戦にスタンドもどよめいてました。3,4コーナーでは好位追走、直線で突き抜けて楽勝かと思ったんですが、やや重の馬場に苦戦を強いられました。ルメール騎手も敗因について「馬場が合わなかった」敗因を挙げていました。ミスエルテも休み明けとはいえ11着と凡走したから、フランケル産駒は日本の重馬場が合わないのかもしれない。
ルメール騎手は昨年、1番人気だったメジャーエンブレムを飛ばす失態を犯しましたが、今年もまたやってしまいました…。ルメールにとって桜花賞は鬼門なのか?これで桜花賞はルージュバック、メジャーエンブレムに続き、単勝1倍台の馬が3連敗。ルージュ、メジャエン、ソウスタはみんな関東馬…。「ソウスタなら勝って当たり前だろう」と思っていたので、この予想外の結果にショックを受けてます。桜の舞台で屈辱を喫したソウルスターリング、次はまさに正念場だ。
来週は中山競馬場で牡馬クラシック第1戦・皐月賞が行われます。共同通信杯を制したスワーヴリチャード、弥生賞を勝ったカデナ、スプリングステークス覇者・ウインブライト、ホープフルステークスから直行となるレイデオロ、朝日杯王者・サトノアレス、毎日杯覇者・アルアイン、きさらぎ賞馬・アメリカズカップ、京成杯馬・コマノインパルス、若葉ステークスを勝ったアダムバローズといった牡馬重賞ウィナーに加え、3戦3勝の牝馬・ファンディーナも参戦します。ファンディーナは前走のフラワーカップでぶっちぎりの圧勝を演じ、その後に皐月参戦を正式表明。もし勝てば69年ぶりの牝馬制覇となります。一度でいいから牝馬の皐月賞制覇が見てみたいですよね。