日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

逮捕から23年。オウム真理教の麻原彰晃が死刑執行される。

2018年07月06日 | Weblog
1995年の地下鉄サリン事件など、多くの殺人事件を起こしてきた宗教団体「オウム真理教(現・アレフ)」の教祖として知られた麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚が、6日午前に東京拘置所内で死刑が執行されました。逮捕から23年の時を迎え、オウム事件は新展開を迎えました。


法務省によると、麻原彰晃こと松本死刑囚の他に、井上嘉浩、早川紀代秀、新実智光、土谷正実、中川智正、遠藤誠一といった、かつての教団幹部だった6人の死刑囚も同日に執行。松本、土屋、遠藤の3人は東京拘置所、新実、井上の2名は大阪拘置所、中川死刑囚は広島拘置所、早川死刑囚は福岡拘置所で執行されました。

上川陽子法務大臣は、死刑執行を受けての臨時会見で「慎重に検討を重ねた上で死刑執行を命じた」と話し、「一連の犯行は社会を震撼させ、被害者、家族が受けた恐怖、苦しみ、悲しみは想像を絶する」と指摘しました。

オウム真理教がこれまでに起こした凶悪事件は、
・1989年2月 オウムの男性信者をロープで殺害。
・1989年11月にオウム問題に取り組んでいた坂本堤弁護士一家3人を殺害。
・1994年1月 富士山総本部で元信者だった薬剤師をリンチ殺害。
・1994年5月に滝本太郎弁護士をサリンで襲う。
・1994年6月 長野県松本市でサリンを散布し、7人が殺害される。(松本サリン事件)
・1994年7月 山梨県上九一色村第2サティアンで男性信者を殺害。遺体はマイクロウェーブ焼却装置を使って処分。
・1994年11月 大阪市内の路上で、「公安警察のスパイ」と疑った28歳の男性会社員をVXガスをかけて殺害。
・1995年1月 教団批判を続けていた「オウム真理教被害者の会」会長をVXガスで襲撃。
・1995年2月 目黒公証役場事務長・仮谷清志さんを拉致、監禁して死に至らせる。
・1995年3月20日 地下鉄丸ノ内線、日比谷線、千代田線の車内でサリンを散布。乗員・乗客13人が死亡、6300人が負傷。(地下鉄サリン事件)

松本死刑囚は1995年5月に地下鉄サリン事件の首謀者として逮捕され、後に坂本弁護士一家の殺害、松本サリン事件にも指示。最終的には17の事件で起訴されました。裁判では「弟子が悪い」と無罪を主張し続けていましたが、2004年2月の一審で死刑判決が言い渡され、2006年に死刑が確定。
裁判中に不規則な発言や奇行が相次いだこと、日常的におむつ着用、拘置所内で異様な行動が見られるとして、「精神障害」が疑われていましたが、関係者の話では「自分で歩いて運動場に行っていて、精神的な問題はなかった」と言われています。死刑執行を逃れようと、最期まで詐病を演じていたのでしょうか…。


オウム真理教は2000年に「アレフ」に改称。その後、2007年に元幹部の上祐史浩氏が「ひかりの輪」を設立。2014年にはアレフから分裂した「山田らの集団」が誕生しました。アレフは現在「麻原帰依」が進んでいて、オウム事件を知らない若い世代の信者を多く獲得しているそうです。「山田らの集団」は、公安調査庁の立ち入りを拒否していました。


オウムを初めて知ったのは幼稚園の頃、地下鉄サリン事件から麻原逮捕のときは10歳のときでした。オウムの強制捜査が始まった頃から、オウム関連の報道特番が毎日のように放送されていたのを覚えています。逮捕から23年、死刑確定から12年目でようやく執行されました。突然の死刑執行も驚いたけど、「20年以上たって今頃か」、「むしろ遅すぎたな」って感じもあります。松本死刑囚から一連の事件についての真相、被害者への謝罪がなかったのもね…。
一部の弁護人からは「違法な執行だ。再審請求し、刑の執行を求めていたので残念だ」と松本死刑囚の執行に抗議していますが、多くの凶悪事件を指示し、多数の犠牲者を出したから、国にポアされて当然でしょう。
心配されるのは、「アレフ」と「山田ら」が麻原彰晃を神格化する、麻原を崇拝する信者が暴走行為を起こすということ。地下鉄サリンの惨劇を二度と起こさないでほしい。
一連のオウム事件の死刑囚は、松本死刑囚を含め13人でしたが、7人が執行されたことにより、残り6人となりました。麻原が死刑執行されても、被害者の遺族の悲しみは一生続きます…。



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