秋の最強牝馬決定戦・第43回エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m 17頭立て)が11日、京都競馬場で行われました。昨年の優勝馬⑦モズカッチャン、昨年2着⑨クロコスミア、悲願のGⅠ初制覇へ⑫リスグラシュー、重賞では2着と3着が多い②フロンテアクイーン、京都大賞典2着⑤レッドジェノヴァ、秋華賞3着⑧カンタービレ、昨年のヴィクトリアマイル覇者⑥アドマイヤリード、4年連続出走の⑪スマートレイアーなどが参戦。4週連続GⅠ勝ちのクリストフ・ルメール騎手は、紫苑ステークスを勝った⑬ノームコアに騎乗しました。
単勝のオッズは、1番人気がモズカッチャン(3.6倍)、ノームコアが僅差で2番人気(3.8倍)、3番人気リスグラシュー(4.7倍)、4番人気レッドジェノヴァ(5.7倍)、5番人気のカンタービレ(7.7倍)まで10倍以下。その後は⑯コルコバード、フロンテアクイーン、スマートレイアー、クロコスミア、⑰ミスパンテールと続きました。
スタートは17頭揃って飛び出し、最初の先行争いで④プリメラアスールとクロコスミア、ミスパンテールの3頭が行ったが、クロコスミアが先手を奪う。カンタービレ、モズカッチャン、ノームコア、レッドジェノヴァの4頭が4番手集団を形成。その後ろではリスグラシューとコルコバード、フロンテアクイーンが固まっている。アドマイヤリードとスマートレイアーは後方でスタンド前を通過した。
2コーナーから向正面に入り、クロコスミアが先頭、2番手にミスパンテール、3番手プリメラアスール、その後ろの4番手にカンタービレだが、ノームコアがカンタービレとプリメラをかわして3番手浮上。ちょっと掛かってるのか?モズカッチャンが5番手で、カンタービレは6番手に下げる。中団勢はフロンテアクイーンとレッドジェノヴァが並走し、9番手コルコバード、リスグラシューは10番手。11番手③レイホーロマンス、12番手に⑮エテルナミノル、13番手⑩ヴァフラーム、14番手アドマイヤリード、15番手に⑭ワンブレスアウェイ、スマートレイアー16番手、最後方に①ハッピーユニバンス。
外回り3コーナーに差し掛かり、先頭のクロコが少し引き離し、ミスパン2番手、プリメラ3番手、ノームは4番手。カッチャンはノームをマークする形で5番手、さらにカンタービレ6番手。フロンテアとジェノヴァが7,8番手で並び、コルコ9番手、リスグラはまだ中団の10番手。
4コーナーから最後の直線コースに入っても、クロコスミアがまだ先頭をキープ。2番手争いでは内からモズカッチャン、ミスパンテール、真ん中ノームコア、外側にカンタービレと激戦だ。大外からリスグラシューが末脚を伸ばしてやってきた。残り200mを切り、クロコが逃げ粘るが、2番手に躍り出たリスグラが徐々に接近。カッチャンは3番手。ラスト100m~ゴール前でリスグラがクロコを捕らえ、先頭でフィニッシュ!ついにやったリスグラシュー!平成最後のエリザベス女王杯で初めてのGⅠタイトル獲得です!
エリザベス女王杯 全着順&払戻金
1着⑫リスグラシュー 2分13秒1
2着⑨クロコスミア クビ差
3着⑦モズカッチャン 3馬身
4着⑤レッドジェノヴァ クビ差
5着⑬ノームコア クビ差
6着⑧カンタービレ
7着②フロンテアクイーン
8着⑯コルコバード
9着⑪スマートレイアー
10着⑩ヴァフラーム
11着⑭ワンブレスアウェイ
12着⑰ミスパンテール
13着③レイホーロマンス
14着⑥アドマイヤリード
15着⑮エテルナミノル
16着①ハッピーユニバンス
17着④プリメラアスール
単勝 ⑫ 470円
複勝 ⑫ 170円 ⑨ 570円 ⑦ 150円
枠連 5⃣-6⃣ 7,480円
馬連 ⑨-⑫ 9,800円
馬単 ⑫-⑨ 12,450円
ワイド ⑨-⑫ 2,630円
⑦-⑫ 360円
⑦-⑨ 1,590円
3連複 ⑦-⑨-⑫ 8,660円
3連単 ⑫-⑨-⑦ 56,370円
「牝馬日本一」の座をかけた一戦は、単勝3番人気のリスグラシューがゴール前で差し切って優勝を果たしました。2着には9番人気の伏兵・クロコスミア。スタートから先頭をひた走り、ラストの直線でも粘っていたので、逃げ切っちゃうのかなと思いました。そんなクロコスミアは昨年と同じくクビ差の2着でした。連覇を目指したモズカッチャンは3着、2番人気のノームコアは5着に終わり、ルメール騎手の5週連続GⅠ勝利はなりませんでした。
勝ったリスグラシューは、8度目のGⅠ挑戦で悲願の初制覇。重賞勝ちも今年2月の東京新聞杯以来通算3勝目となりました。リスグラを管理する矢作芳人調教師は、エリザベス女王杯初勝利です。
鞍上のジョアン・モレイラ騎手は、待望の国内GⅠ初勝利。この日は第8レースで落馬するアクシデントに見舞われましたが、その次の第9レース・黄菊賞で1着になり、JRA通算100勝を達成しています。本当にいろいろあった1日でした。JRA騎手免許試験で不合格になった時は悲しい表情を見せていましたが、その無念を晴らせたと思います。モレイラ騎手にはもう一度JRAの試験に挑戦してほしいです。
リスグラシューといえば、「無冠の女王」または「シルバーコレクター」のイメージが強かったです。GⅠ初挑戦の阪神ジュベナイルフィリーズで2着、それからは桜花賞と秋華賞でも2着。ヴィクトリアマイルでは1番人気になりながらも、ハナ差の2着。GⅠでは2着が4回も経験。このまま無冠のまま引退してしまうのではないかと思われましたが、今回のエリ女で「無冠」に別れを告げました。本当に勝ててよかったなぁ。
今回は同世代のライバルであるディアドラと、3冠牝馬のアーモンドアイが不在でしたが、年末か来年あたりに牝馬界の2強と対戦する機会がやってきます。次からはGⅠ馬・リスグラシューの真価が問われますね。