


2018年秋のマイル王決定戦・第35回マイルチャンピオンシップ(GⅠ・芝1600m 18頭立て)が18日、京都競馬場で行われました。連闘で安田記念を勝った⑧モズアスコットをはじめ、昨年の優勝馬②ペルシアンナイト、2017年皐月賞馬③アルアイン、毎日王冠で逃げ切り勝ちの⑮アエロリット、今年のNHKマイルカップを勝った⑱ケイアイノーテック、ヴィクトリアマイル覇者⑥ジュールポレール、桜花賞馬⑫レーヌミノルとGⅠ馬7頭が参戦。
さらには富士ステークスを制した⑦ロジクライ、京成杯AHを勝った⑩ミッキーグローリー、①ステルヴィオ・⑪ジャンダルム・⑯カツジの3歳世代組、昨年2着⑭エアスピネル、今回でラストラン⑬レッドアヴァンセ、スワンステークスを制した⑰ロードクエストなども出走しました。
単勝オッズは、1番人気がモズアスコット(3.4倍)、2番人気アエロリット(5.1倍)、3番人気ペルシアンナイト(6.5倍)。4番人気以降はアルアイン(6.6倍)、ステルヴィオ(8.7倍)、ロジクライ(9.7倍)までが10倍を切り、その後はエアスピネル、ミッキーグローリー、ケイアイノーテック、ジュールポレールと続きました。
スタートでジャンダルム、③ブラックムーン、⑤ヒーズインラブが少し遅れ気味。先行争いで、好スタートを切ったアエロリットがそのまま行くかと思ったら、⑨ウインブライト、ロジクライ、アルアインの3頭が先手を主張。さらにはジュールポレールもこの争いに加わったが、ロジクライとアルアインの2頭が前に出る。しかし、アエロリットが我慢しきれず、外側からグイッと伸ばして先頭を奪取。4番手以降もケイアイノーテック、レッドアヴァンセ、ステルヴィオ、ウインブライト、ジュールポレールと順位が激しく入れ替わる。中団の9番手にペルシアンナイト、その外側にエアスピネル、11番手にレーヌミノル、モズアスコットは12番手を追走。13番手ロードクエスト、ミック―グローリー14番手、ヒーズインラブ15番手。後方にはカツジとブラックムーンがいて、ジャンダルムがしんがりを進む。
外回り3コーナーの下り坂に差しかかり、アエロが単独先頭、アルアインとロジクラが2,3番手で並ぶ。4番手集団はステル・ノーテック・ウインブラの3頭が固まっている。中団グループにはエアスピ・ジュール・アヴァンセ・ペルシアン・ロークエがいて、モズアスは13番手、ミキグロ16番手。
4コーナーを回ったところで、馬群がごちゃついてモズアスコットが不利を受ける。最後の直線コースに入ってもアエロリットが先頭だが、2番手からアルアイン、ロジクライ、ケイアイノーテック、外側からレッドアヴァンセ、エアスピネルと先頭争いは大激戦。ゴール残り200mを切り、アルアインがアエロをかわして先頭に立ち、アヴァンセとエアスピも接近。さらに後続から追い上げてきたステルヴィオとペルシアンナイトが内側に入ると、残り100mでアルアインを抜き去り、最後はステルヴィオが先頭でゴールイン!3歳馬のステルヴィオが混戦を制しました!
マイルCS 全着順&払戻金
1着①ステルヴィオ 1分33秒3
2着②ペルシアンナイト アタマ差
3着③アルアイン 1馬身1/4
4着⑯カツジ アタマ差
5着⑩ミッキーグローリー クビ差
6着⑥ジュールポレール
7着⑬レッドアヴァンセ
8着⑤ヒーズインラブ
9着⑨ウインブライト
10着⑭エアスピネル
11着⑱ケイアイノーテック
12着⑮アエロリット
13着⑧モズアスコット
14着⑦ロジクライ
15着④ブラックムーン
16着⑪ジャンダルム
17着⑰ロードクエスト
18着⑫レーヌミノル
単勝 ① 870円
複勝 ① 310円 ② 230円 ③ 240円
枠連 1⃣-1⃣ 3,200円
馬連 ①-② 3,220円
馬単 ①-② 6,350円
ワイド ①-② 1,140円
①-③ 1,130円
②-③ 670円
3連複 ①-②-③ 5,480円
3連単 ①-②-③ 29,790円
GⅠ馬が7頭も参戦するなど、豪華なメンバーが揃った今年のマイルチャンピオンシップ。単勝オッズ一ケタ台が6頭、最後の直線での先頭争いは大激戦となりましたが、3歳馬のステルヴィオが「秋のマイル王」に輝きました。昨年に続き、3歳世代の馬がこのレースを勝ちました。
連覇を狙ったペルシアンナイトはアタマ差の2着。外国人ジョッキーがGⅠで席巻している中、ミルコ・デムーロ騎手は勝ち運から見放されてる気がします。3着のアルアインは、一旦は先頭に立ったけど、1枠の2頭にかわされました。
4着以降は、外から突っ込んで4着に入ったカツジは16番人気の低評価を覆す激走。ミッキーグローリーも掲示板を確保しました。ジュールポレールは6着、ラストランのレッドアヴァンセは7着、悲願の初GⅠ制覇を目指したエアスピネルも先頭争いに加わったけど10着。2番人気のアエロリットは直線でズルズル下がって12着、1番人気のモズアスコットは4コーナーで不利を受けたのが響いて13着。人気上位2頭はそろって惨敗でした。
優勝したステルヴィオは、今年3月のスプリングステークス以来となる重賞2勝目。ロードカナロア産駒としては、2頭目のGⅠ馬を輩出。ステルヴィオを管理する木村哲也調教師は、開業8年目で嬉しいGⅠ初制覇を果たしました。
鞍上のウィリアム・ビュイック騎手は、JRAのGⅠ競走で初勝利。ノルウェー生まれ(国籍はデンマーク)のビュイック騎手は、今年のエプソムダービーでマサーとのコンビで優勝。他にもドバイシーマクラシック、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフなど海外のビッグレースを制しています。レース後のインタビューでは「日本のGⅠを勝つことができてうれしい」と大喜びでした。ビュイックに限らず、ジョアン・モレイラ、ライアン・ムーアといった海外のトップジョッキーが日本で見られるのは凄いよねえ。もちろん日本人ジョッキーも頑張ってほしいけど。
ステルヴィオは春の3歳クラシックの有力候補と言われていましたが、皐月賞では2番人気で4着、日本ダービーでは8着と結果を残せず。この馬にとって2000m以上は長いと思いました。秋初戦の毎日王冠では、後方待機から直線追い込んで2着。休み明け2走目の今回は、アルアインの内側に入り、ペルシアンナイトとの叩き合いに勝利。歴戦の猛者たちが集まる舞台で、ロードカナロアの血が炸裂させました。
3歳で秋のマイル王となり、状態が良ければ12月の香港マイル参戦も期待されていますが、予備登録のリストに載ってないので年内は休養の予定。来年の春はドバイか香港遠征を行うかもしれません。うーん、今年の最優秀3歳牡馬の行方が分からなくなってきたなぁ。
来週は東京競馬場で「元祖・国際GⅠ競走」ジャパンカップが行われます。史上5頭目の3冠牝馬に輝いたアーモンドアイ、昨年の優勝馬・シュヴァルグラン、京都大賞典で復活を果たしたサトノダイヤモンド、大阪杯覇者・スワーヴリチャード、2016年ダービー馬・マカヒキ、昨年の菊花賞馬・キセキ、GⅠ2勝のサトノクラウン、海外からカプリ(アイルランド)、サンダリングブルー(英国)が登録しています。