9月24日は東西でGⅡ競走が2つも行われました。阪神競馬場の菊花賞トライアル・神戸新聞杯は、今年の日本ダービーを制したレイデオロが登場!ジャパンカップ制覇に向け、この秋の初戦を勝利で飾れたのか。中山競馬場のメイン・産経賞オールカマーには、秋のGⅠ戦線に向けてアピールしたい古馬勢が集結。1着馬に与えられる秋の天皇賞の優先出走権を手にしたのは?
阪神メイン・第65回神戸新聞杯(GⅡ・芝外回り2400m 14頭立て)は、ダービー馬⑧レイデオロの他に、2連勝中の上がり馬⑤キセキ、皐月賞3着③ダンビュライト、弥生賞馬⑪カデナ、重賞2着2回②サトノアーサー、青葉賞2着④ベストアプローチ、同レース3着⑭アドマイヤウィナー、ダービー4着⑨マイスタイルなどが参戦しました。
スタートで⑥アダムバローズがポンと飛び出して先手を奪う。2番手にダンビュライト、マイスタイルが3番手につけ、レイデオロは4番手辺り。その近くにサトノアーサーとベストアプローチが控えている。カデナは8番手、キセキは中団より後ろのポジションで正面スタンド前を通過していった。
1コーナーのところで早くも縦長となり、2コーナーから向正面に入るところで、アダムバローズが先頭、2番手ダンビュライト、3番手マイスタイル、その後ろの4番手にレイデオロが追走している。5番手のサトノアーサーはレイデオロの背後を見る。⑫エテレインミノル・カデナ・ベストアプローチの3頭が6番手グループを形成。9番手アドマイヤウィナー、キセキは内側10番手。11番手⑩ホウオウドリーム、後方は大きく置かれて①メイショウテンシャ、⑦タガノシャルドネ、⑬タガノヤグラと続く。
外回り3コーナーを回り、アダバロが先頭だが、2番手からダンビュラが接近。レイデオロは残り1000mのところで3番手のマイスタと並ぶ。アーサー5番手、カデナ6番手、ベスアプは7,8番手、キセキはまだ10番手。
4コーナーを回って直線コースに差し掛かり、ダンビュライトがアダムバローズを抜いて先頭に立つ。レイデオロが3番手に上がり、外からサトノアーサーが追い込む。さらにキセキも馬群を割いて猛追。ゴール残り200mを切ってレイデオロがダンビュラをかわして先頭に浮上。キセキとアーサーも追い上げるが、レイデオロが悠々と先頭でフィニッシュ。ここでは力が違ったレイデオロ、ダービー馬の貫禄を示して快勝です。
やはりダービー馬は強かった!レイデオロが好位追走から直線抜け出し、2着に2馬身の差をつけての完勝。単勝1番人気の期待に応え、秋初戦を勝利で飾りました。2番人気のキセキは馬群を割って追い上げるも2着、道中で後ろ過ぎたかな。それでも距離延長で2着と好走したから、菊花賞でも期待が持てそうです。3着に入ったサトノアーサーまでが菊花賞の優先出走権を獲得。4番人気のダンビュライトは、直線で一旦は先頭に立ったものの4着。5番人気のベストアプローチは6着、カデナは9着に終わっております。
レイデオロはダービーに続く連勝で重賞3勝目。通算成績でも6戦5勝としました。鞍上のクリストフ・ルメール騎手は、一昨年のリアファル、昨年のサトノダイヤモンドに続き、神戸新聞杯3連覇。65回の歴史を誇る同レースで史上初の快挙。また、藤沢和雄厩舎はこの日の東西の特別競走で5レース連続で連対を記録しました。
今回は前走から約4か月ぶりのレースでしたが、春の実績馬&夏の上がり馬を抑えての完勝。直線の追い出しでは、馬なりでダンビュライトとの差を詰め、ルメール騎手が鞭を2発入れただけで後続を引き離しました。着差以上の強い競馬、最後は余裕たっぷりでした。ジャパンカップ制覇に向け視界は良好。JCと有馬記念を勝てば、年度代表馬もあり得ると思います。
中山のメイン・第63回産経賞オールカマー(GⅡ・芝2200m 17頭立て)は、大阪杯2着⑧ステファノス、重賞3勝の⑥ルージュバック、3000m超の重賞なら実績ありの②アルバート、AJCCを勝った⑨タンタアレグリア、札幌日経オープンを制した⑭モンドインテロ、中山金杯を勝った⑯ツクバアズマオー、さらには⑦ディサイファ、⑫デニムアンドルビー、⑩マイネルミラノ、④ブラックバゴ、⑮カフジプリンスなどが出走しました。
スタートはブラックバゴが少し出遅れた以外は横一線。好スタートを見せたルージュバックが行くかと思いきや、ディサイファとマイネルミラノがかわし、ミラノがハナを奪い取る。⑬マイネルディーン、⑰トルークマクト、ステファノスが3番手グループ。ルージュバックとタンタアレグリア,カフジプリンスとアルバートは中団に控え、モンドインテロは後方2番手で1コーナーを回った。
外回り2コーナーに向かうところで、マイネルミラノ単独先頭、ディサイファが2番手、マイネルディーンが単独3番手に上がり、トルークマクトとルージュバックが4,5番手で並び、その後ろの6番手にステファノス。7,8番手のポジションにカフジプリンスと①パリカラノテガミ、中団の9番手にタンタアレグリアがいる。⑫マイネルサージュと③ショウナンバッハが10,11番手、12番手にアルバート、13番手ツクバアズマオー、デニムアンドルビー14番手、15番手に⑤グランアルマダ、16番手モンドインテロ、ブラックバゴがポツンとしんがり。
3コーナーを過ぎ、ミラノが軽快に飛ばし、ディサイファがじっくり2番手。3番手ディーンのすぐ後ろに、ステファとルージュの2頭が競り合う。外に出したアレグリアが6番手に進出し、後方でアルバートも進出開始。4コーナーのところでディーンが不利を受けて後退。その影響でアルバートとマイネルサージュが大外に膨れ上がってしまう。
最後の直線コースに差し掛かり、マイネルミラノが大差を守って逃げ続けるが、最内からルージュバック、真ん中でステファノス、外からステファノスとショウナンバッハが追い込む。ゴール残り200mのところでミラノと後続勢の差がなくなり、ラスト100mでルージュが最内を突いて前に出ると、ステファノスが外から接近するが、ルージュバックが1着でゴールイン!インから差し切ったルージュバック、牡馬を蹴散らして久々の重賞タイトル獲得!
秋のGⅠに向けてのステップレース・オールカマーは、スタートから積極果敢に逃げを打ったマイネルミラノがこのまま押し切るかと思われましたが、ルージュバックが最内を上手く突いて差し切り勝ちを収めました。1番人気のステファノスは半馬身差の2着。戸崎圭太騎手がルージュではなくステファノスを選んだけど、ルージュに負けてしまいました。3番人気のタンタアレグリアも伸び脚がよかったけど、あと一歩届かず3着。逃げ続けたマイネルミラノはその後の4着。4番人気・アルバートは7着、2番人気のモンドインテロは9着でした。
勝ったルージュバックは、昨年の毎日王冠以来、約1年ぶりの勝ち星。重賞も今回で4度目の制覇。この日は北村宏司騎手との初コンビでしたが、北村騎手のファインプレーで牡馬勢を撃破。内ラチ沿いから上手く抜け出しましたね。今年は金鯱賞で8着、ヴィクトリアマイルで10着と厳しい結果が続いていましたが、北村騎手に導かれて見事に復活。この次はエリザベス女王杯に向かう予定ですが、年齢的にも今度がGⅠ初制覇へのラストチャンスだと思います。どうかGⅠで勝ってほしいんですがねえ。
来週・10月1日は、中山競馬場で秋のGⅠ開幕戦・スプリンターズステークスが行われます。高松宮記念を制したセイウンコウセイ、昨年の優勝馬・レッドファルクス、約10カ月ぶりの復帰となるビッグアーサー、3年前の優勝馬・スノードラゴン、2015年桜花賞馬・レッツゴードンキのGⅠ馬5頭に加え、サマースプリントシリーズ覇者・ラインミーティア、セントウルステークスを制したファインニードル、4連勝中のダイアナヘイロー、ダンスディレクター、3歳馬・モンドキャンノ、フィドゥーシア、メラグラーナ、さらに香港からブリザードが出走予定。
そして、日本時間1日夜は、フランス・シャンティ競馬場で第96回凱旋門賞があります。日本からはサトノダイヤモンドとサトノノブレスの2頭が出走。GⅠ4連勝中の3歳牝馬・エネイブル(英国)、フランスダービー馬のブラムト、日本でもお馴染みのハイランドリール(アイルランド)、ヴェルメイユ賞覇者バティール(フランス)、フォワ賞を勝ったチンギスシークレット(ドイツ)、ニエル賞を勝ったクラックスマン(英国)、ユリシーズ、オーダーオブセントジョージなどが出走を予定しています。
サトノダイヤモンドは前走のフォワ賞で4着と惨敗。前哨戦で不甲斐ないレースをしたので、本番はとても期待できそうにありません…。何とか無事にゴールしてほしいのが正直な気持ちです。もし優勝してしまったら大変なことになりそうだ…。