サッカー「2016 JリーグYBCルヴァンカップ」の決勝戦が15日、埼玉スタジアム2002で行われました。前身の「ヤマザキナビスコカップ」からリニューアルされた今年は、現在リーグ戦で年間1位の浦和レッズと、3年連続で決勝に進出したガンバ大阪が対戦。両チームは2週間前にも対戦し、その時は浦和が4-0と圧勝しました。「ルヴァンカップ初代王者」を懸けた一戦は、PK戦まで縺れ込みました。
両チームのスタメン
[ガンバ大阪]
GK 1 東口順昭
DF 14 米倉恒貴
DF 5 丹羽大輝
DF 6 金正也
DF 4 藤春廣輝
MF 21 井手口陽介
MF 15 今野泰幸
MF 11 倉田秋
MF 19 大森晃太郎
MF 7 遠藤保仁
FW 9 アデミウソン
[浦和レッズ]
GK 1 西川周作
DF 46 森脇良太
DF 6 遠藤航
DF 5 槙野智章
MF 24 関根貴大
MF 10 柏木陽介
MF 22 阿部勇樹
MF 3 宇賀神友弥
MF 9 武藤雄樹
MF 13 高木俊幸
FW 30 興梠慎三
前半、立ち上がりから浦和がペースを握り、前半9分に遠藤航の縦パス→関根がワントラップから左足ミドルシュートを放ったが、ガンバGK東口の好セーブに阻まれる。ガンバは前半14分にアデミウソンがペナルティエリア内で相手DFをかわしたが、シュートは不発。前半17分、ガンバは自陣で相手ボールを奪うと、遠藤保の蹴ったボールがアデミウソンに渡る。アデミウソンは自陣からドリブルでDFを振り切ると、そのままシュートをゴールネットに流し込む。アデミウソンの個人技でガンバが1点を先制します。
1点を追う浦和は、20分に柏木の左CKを槙野が頭で合わせたが、ゴール右に外れる。ガンバは28分に右サイド倉田がグラウンダーのパス→中央で遠藤スルー→逆サイドのアデミウソンが左足でシュートを放つも、GK西川に防がれる。ガンバはさらにPA内で攻めるも、ファウルを取られた。浦和は36分に宇賀神に代えてMF駒井善成が入る。前半のうちに交代枠を1枚使う羽目に。前半は1-0でガンバのリードで終了。
後半、浦和が開始早々から攻め立てます。後半2分に駒井が飛び込むもダメ。3分には武藤のスルーパス→興梠が右サイドでフリーになるもオフサイド。後半4分には左サイドで関根がクロス→ニアサイドで武藤がヘディングシュートを放つも枠外。後半8分には阿部勇樹が正面からミドルシュートを放つも、大きく外れる。11分には左サイド高木→武藤のシュートも決まらず。
防戦気味だったガンバも、後半15分に左サイドのクロスに遠藤保がシュートを放つも、GK西川にキャッチされる。後半17分には大森がPA左からシュートを打つも枠外。後半20分にアデミウソンに代えてFW長沢駿を投入。22分、カウンターから倉田が右サイドからシュートを狙ったが、GKにキャッチされます。
後半25分、浦和は武藤に代えてFWズラタンを投入。その直後のFKでズラタンがヘディングシュートを狙うも決まらず。後半30分、駒井ドリブルから左サイドへパス→関根→高木の右足シュートはガンバGK東口が横っ飛びでセーブ。高木のシュートも見事だったが、あと一歩及ばず。浦和はCKのチャンスを獲得したところで、高木に代えてFW李忠成
を入れる。すると右CKの場面で、李が頭で押し込んでゴール!李が出場していきなりゴールを奪い、浦和が1-1の同点に追いつきます!
試合は1-1のまま90分が終了。延長戦に入り、浦和は延長前半11分に駒井パス→李がシュートを狙うも左に外れる。ガンバは延長後半14分、MF藤本淳吾のスルーパス→FW呉屋大翔が右足でシュートを放ったが、ポスト右に直撃。ボールはゴールライン上に転がったが、浦和DF森脇が間一髪で掻き出してクリアした。結局延長でも決着がつかずPK戦へ。
迎えたPK戦、両チームとも3人目まで全員が成功。迎えた4人目、先攻のガンバは呉屋がキッカーを務めたが、シュートは浦和GK・西川に止められて失敗。対する後攻・浦和の李はしっかりと決める。5人目、「外せば終わり」のガンバは、遠藤保がゴール右隅に突き刺す。優勝に王手をかけた浦和は、5人目・遠藤航が担当。遠藤航は右側にしっかりと決めて勝負あり。浦和レッズがPK戦の末、ガンバ大阪を下しました。
今年のルヴァンカップ決勝戦は、120分間+PK戦の死闘となりましたが、浦和レッズが優勝を果たしました。ナビスコ杯時代の2003年以来13年ぶり2度目のリーグ杯制覇で、第86回天皇杯(2006年度)以来10年ぶりの国内タイトル獲得となります。(2007年ACLで優勝経験あり)
レッズは毎年のようにガンバにタイトル獲得を阻止されてきました。2014年にはリーグ優勝に王手をかけながらも直接対決で敗れ、その後のリーグ戦でも未勝利に終わり優勝を逃す。2015年にはチャンピオンシップの準決勝でガンバに勝てず、さらには今年元日の天皇杯決勝戦でもガンバの前に敗戦。しかし、今回のルヴァン杯決勝でようやくガンバの壁を破ることができました。
優勝の立役者となった李忠成選手は、後半30分すぎにピッチに入ると、ファーストプレーで同点ゴールを挙げました。このワンプレーで今大会の最優秀選手に選ばれました。いやぁ~、ペトロヴィッチ監督の交代策が即座に的中しましたね。途中出場で結果を出すあたりもすごいけど、李選手は大舞台で活躍するよなあ…。
敗れたガンバ大阪は、2年連続で準優勝。前半にアデミウソン選手が約50mもドリブルで持ち込んで先制ゴールを挙げたんですが、その1点のリードを守りきれず。PK戦ではルーキーの呉屋選手が失敗してしまいました。呉屋選手は延長戦でも惜しいシュートがありましたな…。本人にとっていい経験になったはずだ。
10年ぶりに国内タイトルを獲得した浦和レッズ。現在J1リーグの第2ステージで首位キープ、年間総合でも勝ち点67で首位に立っています。しかも公式戦で現在9戦無敗と絶好調。ルヴァン杯優勝の勢いに乗って、J1リーグと天皇杯でも優勝できるでしょうか。