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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock:The Abominable Bride その9

2016-01-22 20:26:12 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。

※リストの部分、Mistyさんからご指摘いただいたので青字で修正しています。
毎度ありがとうございます!



夢うつつのシャーロックは着陸したと声をかけられ、
「やめてくれ、よりによってこんな時に!」と怒っています。
そしてマイクロフトとジョン、メアリーが飛行機に乗り込んできました。

MH:我々が想像していたよりも若干短い亡命だったな、弟よ。しかしOCDのレベルにはじゅうぶんだろう
マイクロフトがそんな事を言いながらシャーロックに近づくといきなり
「戻らないと!」と言うので「え?」と怪訝そうな顔をします。

SH:もう少しだった、もう少しでわかったんだ!
MH:お前は何を言っているんだ?
JW:どこに戻るんだ?そんなに遠くには行ってないぞ。


SH:リコレッティと忌まわしき妻だ!わからないか?
MM:わかるわけないわ。あなたの言葉は意味をなしていないのよ、シャーロック。
SH:100年前に起きた有名な事件だ。
僕のハードディスクに格納してあったんだ、彼女は死んだように見えたけど戻ってきた。


JW:それって、モリアーティのようにか?
SH:そう、モリアーティのように、彼女は自分で頭を撃ちぬいた。
MM:だけどあなたは知った知ったばかりじゃない。
国中のあらゆるモニターに彼が出ていることが発覚した事を。
SH:だから?マイクロフトの電話から5分たってるぞ。進展はあったのか?何をしてた?
そんなシャーロックにジョンが鼻で笑います。
JW:それよりも、君は何をしていたんだ。
SH:もちろん、マインドパレスにいたんだ。
JW:そうだよな。
SH:実験してたんだ。もし僕が1895年にいたらどうやって犯罪を解決していたのか?


それを聞いたマイクロフトはあきれたように「シャーロック・・」と座席に座ります。
SH:ディティールも完璧にしたんだ。僕はこの目で見てたんだ、何もかもすべて。没頭していた。
MH:そうだろうね。
メアリーはシャーロックのモバイルを手に取ると
「ジョンのブログを読んでいたのね。あなたたちのなれ初めの話。」と言います。
※多分、メアリーが手にしたのはシャーロックのモバイルなんじゃないかと思うのですが。
てか、飛行機に乗ってすぐに出会った頃のブログを読むなんて
どんだけジョンとの別れが辛かったんだ、シャーロック・・・・(涙)

SH:時々、ジョンの目を通して自分を見ると役に立つ。僕はかなり賢いんだ。
MH:誰もがお前を信じると本当に思っているのか?
JW:いや、彼ならやるよ、僕は見てきたんだ。マインドパレス。彼の頭には世界がまるごと入っているかのようだ。
SH:そう、だから僕は戻る必要があるんだ。
MH:マインドパレスは記憶術だ。それで何ができるのか私も知っているし、できないことが何なのかもよくわかっている。
SH:あんたが知らない事がひとつやふたつはあると思うけど。


MH:そうかね。リストは作ってあるか?
SH:太っただろう。そのベストは明らかにジャケットよりも新しいな。
MH:黙るんだ!リストは作ったのか?
SH:何の?
MH:全てだよ、シャーロック。お前が摂取したものすべてだ。
JW:そんなわけないよ、彼は一種のトランス状態じゃないのか。



ジョンが言い終わると同時にリストのメモを投げるシャーロック。
それを拾い上げたジョンが中を見て驚いた顔をします。


MH:私と弟は契約を交わしているんだよ、あの日からずっとね。
どこで見つけても、スラム街や安宿であろうと必ずそこにリストがある。


JW:5分じゃこんなにやってるわけないよ。

MH:彼は飛行機に乗る前からハイになっていた。
MM:ハイになっているようには見えなかったわよ。
MH:中毒者は人を騙すんだよ。
SH:僕は中毒じゃない、ユーザーだ。
退屈しのぎになるし、時々思考のプロセスを高めてくれるんだ。
JW:冗談じゃないぞ!これは君を殺すこともできるんだ!君は死にたいのか!
SH:使用をコントロールすれば通常死に至る事はないし自制したところで死なないわけでもない。


「君は何をしているんだ?」とマイクロフトがメアリーに話しかけます。
「エメリア・リコレッティを調べてるの。」とメアリーは自分のモバイルを操作しながら答えます。
MH:やろうと思っていたんだ。私ならMI5の重要なアーカイブにもアクセスできる。
MM:私が見ているのはそこよ。
MH:君はMI5のセキュリティを何だと思ってるんだ?
MM:グッドアイデアだと思うけど。
エメリア・リコレッティは彼が言うように「未解決」になってるわ。
SH:君たち全員、5分でいいから黙っててくれないか!戻らないといけないんだ。
君たちが乗り込んでぺちゃくちゃ喋りはじめなければ、到達できたんだ。
JW:ぺちゃくちゃ?悪かったな、僕たちは君のセッションの邪魔をしたってわけ?


MH:よく聞きなさい、シャーロック。
SH:いやだ、あんたを助長させるだけだ。
MH:私はお前に対して怒っているわけではないよ。
SH:ああ、それはよかった。僕はすごく気になってたんだ・・・・いや、待てよ、僕は気になんてしてないぞ。


MH:以前はお前のそばにいたんだ。またそうする事にするよ。
常に私が守ってやろう。これは私の責任だ。
※最近「I'll be there for you 」というタイトルの曲で動画を作りましたが
私としてはこのセリフはジョンに言ってほしかったんです(涙)


SH:あんたには関係のない事だ。
MH:独房に1週間入ったな。私は気づくべきだったよ。
SH:何を?
MH:お前の場合、独房監禁はお前の最大の敵と一緒にそこに入る事になるんだと言う事をね。
SH:何を言ってるんだ!
JW:モルヒネか?それともコカインか?
SH:何て言った?
JW:何も言っていない。


SH:いや、言ってた・・・ワトソンの声で。今日はどっちだ?モルヒネ?それともコカインか?

「ホームズ?」


JW:モルヒネとコカイン、今日はどっちだ? 言えよ、くそ!


SH:モリアーティがきた。
JW:モリアーティは死んだよ。
SH:僕は飛行機に乗ってた。
JW:何だって?
SH:君と、マイクロフトがいた。
JW:君は部屋から出ていないんだ、ホームズ。それで、モルヒネか?それともコカイン?
SH:コカイン。7%溶液だ。君もやってみるか?


JW:やらないよ。しかし私は君が所有しているもの全部探し出して窓から外に流してやりたいよ。
SH:僕は君を止めないといけないな。
JW:強引にでも、君に思い出させてやろうか。どちらがソルジャーでどちらが麻薬中毒かって事を。
SH:君はソルジャーではない、医者だ。
JW:私は軍医なんだ、君の身体中の骨の名前を言いながらそれを順番に折っていけるんだぞ。


SH:Oh, Dear watson. 君は感情で判定がくもっているんだ。
JW:捜査中はやるな、約束したよな、絶対にやらないって。
SH:違うよ、それは君の小説の中で僕が言ってたんだ。
JW:いいか、私は君のためならバカの真似だって喜んでするんだ。
私はバカみたいに君の後ろで走りまわるし、君が望めば君を賢く見せたりするんだ。
だがまずは、自分で標準以上の生活を維持しろよ。
SH:なぜ?
JW:みんなが君を必要としているからだ。
SH:なぜだ?君のバカみたいな小説のためか?
JW:そうだよ、私のバカみたいな小説のためだ。


その時、アーチー君が電報を持ってきます。

「Mr.ホームズ、電報です。」


シャーロックは電報を読むとジョンを見ます。


JW:どうした?何があった?
SH:メアリーだ。
JW:メアリー?彼女がどうかしたのか?
SH:危険な状況にあるかもしれない。
JW:危険?
SH:一刻の猶予もならない。
JW:コカイントークじゃないのか?メアリーにどんな危険があると言うんだ。
彼女は友人の家に遊びに行っているだけだと思うぞ。
SH:Come on!

よろけながら階段を降りるシャーロック。
JW:何があったんだ? そもそも君は行ける状態にあるのか?
SH:メアリーのためだよ。心配するな、ワトソン。心配はいらない。
コートを着ながらシャーロックは呻きながら倒れそうになります。
「ホームズ?」と手を貸そうとするワトソンに「大丈夫だ!」とシャーロックは、
シルクハットに手を伸ばしますがワトソンがそれを制し、
「それじゃない!こいつだ。」と鹿撃ち帽を渡します。


SH:なぜだ?
JW:君はシャーロック・ホームズなんだ。こいつじゃなきゃダメだ。



ふたりは馬車に乗り込みます。

※マイクロフトの独房の話は何度も考えたんです。
S2のモリアーティを監禁した話かなーとも思いましたが、
S3でシャーロックが何度か刑務所に入ったような話をマイクロフトがしていたので
結局、それを前提にしちゃいました。間違ってたらすみませんです。
ジョンとの会話も難しいですがマイクロフトとの会話も遠回しすぎて難しいです。

Sherlock:The Abominable Bride その8

2016-01-20 17:20:56 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。



ビクトリア版マインドパレスのシャーロック。
シャーロックの目の前を次々と横切る新聞の切り抜きを手にとっていきます。


しかし傍から見たら部屋の中で微動だにしないシャーロックがいるだけなんですね。
ハドソンさんとレストレードがそんなシャーロックを心配そうに部屋を覗いています。


MrsH:2日間、ずっとああしてるのよ。
GL:食事は?
MrsH:ほんの一口よ。
GL:マスコミが大騒ぎしている。レポーターがまだ外にいたよ。
MrsH:いつもいるのよ。追い払えないの。お茶を入れるのも大変だったわ。
GL:どうして彼にお茶を?
MrsH:わからないけど何となくやっちゃうのよ。
GL:「容疑者はひとりだ。」と言った後にその場から立ち去ってから何の説明もないんだ。
MrsH:おかしいわね、彼はそれを披露するのが好きなのに。
GL:すごく簡単だから私でも解決できると言っていたよ。
MrsH:大げさに言ったのよ。
GL:彼は何をしているんだと思う?
MrsH:待ってるって言ってたわ。
GL:何を?
MrsH:悪魔よ。私はもう驚かないわ。あらゆるものがここに来るの。
GL:では、何か変化があったら電報してくれ。
MrsH:わかったわ。

ハドソンさんたちが消えたのを見計らってシャーロックはコカインに手を伸ばします。


目を閉じて自分の世界に入っていくシャーロック。


その時、ふと影が通り背後から声がします。


「私が言うべきことは全て君の脳裏に浮かんでいる。」

シャーロックは答えます。
「僕の答えも君の脳裏に浮かんでいるはずだ。」
男が答えます。
「弾丸のように。」

シャーロックは立ち上がり後ろを振り向きます。
そこにはモリアーティが立っていました。


JM:ドレッシングガウンのポケットの中で弾丸の入った拳銃を触るのは危険な習慣だ。
それとも僕に会えて嬉しいだけか?
SH:安全策を取ってるんだ、許してくれ。
JM:警戒してくれなかったら僕は傷つくよ。君に返礼をするつもりだからね。
モリアーティはポケットから銃を取り出します。


JM:僕は君の部屋が好きなんだ。実に男らしい匂いがする。
SH:君自身がよく知っている匂いだと思うが。
JM:ストランドの小さな冒険ではいつも君は遠くに行くね。
イラストレーターは君と一緒に旅行するのか?
君が推論している間はずっとポーズをしているのか?


SH:6つの根拠が僕の不在中に君がここを訪れたことを示している。
JM:そうだろうね。

モリアーティは暖炉に近づきます。
JM:ところで君のベッドは素晴らしく寝心地がいいね。
君は塵の大部分が人間の皮膚からできてるって知ってるか?
SH:知っている。


そしてマントルの埃を手に取りそれを舐めます。
JM:味が変わった。君の皮膚も生え変わるんだな。少しだけサクッとしている。
SH:座らないか?
JM:凡人とはみなそうしたものだ、わかるだろう、やがて塵はばら撒かれる。
そしてそれは至る所にたどり着く。
呼吸を繰り返し、日の光の中で踊り、疲れ切って死んでいく凡人たち。
SH:興味深いね。座ってくれないか・・・
JM:凡人、凡人、凡人!自分では輝くこともできない。
僕がこれを撃つかどうか気にしてるのか?
空にするだけだよ。

モリアーティがシャーロックに銃を向けるのと同時にシャーロックもモリアーティに銃を向けます。
お互いに銃を向けたまましばらく向かい合うふたり。


シャーロックが銃をテーブルの上に置きます。
JM:そうだね、遊ぶのは止めよう。我々が殺し合うのにおもちゃは要らないし。
どこか人目につかない場所はある?
SH:座れ。
JM:なぜ?何か用があるんだろう?
SH:君がここに来たんだ。
JM:違うな、それが真実ではないことは君もわかっているだろう。
何が欲しい?シャーロック。
SH:真実。


JM:それね。真実なんて退屈なんだよ!
君は僕が犯行現場に現れるなどとは思っていなかった。そうだろう?
気の毒な老ユースタス卿。彼は当然の報いを受けた。
SH:だが、彼を殺したのは君ではない。
JM:だから?そんなのどうでもいいじゃないか。君はユースタス卿や花嫁なんてどうでもいいんだ。
今回の一連の事件でひとつだけ、君が興味を持つ事がある。
SH:(君が何をするか僕にはわかる)

その時、地震のように部屋が揺れシャーロックは思わず目を閉じます。


JM:花嫁は自分で銃をくわえ、後頭部を吹っ飛ばし、また戻ってきた。
あり得ない。しかし彼女は戻ってきた。君はその方法が知りたい。どうやって?
そうだろう?
それは君の世界をバラバラに引き裂くんだ、知らずにね。
SH:君は僕を止めようとしているんだ・・・・僕の気を散らし、挫折させるために。
JM:もうひとつのケースを思い出せないから?すべては以前に起きたことじゃないのか?
この世界に新しいものなど何もない。何だっけ?覚えているか?
(のどまで出かかっているんだけど。のどまで出かかっているんだけどね。
それは僕の舌に先端が乗っている・・・)
※ここは「It's on the tip of my tongue. 」というセリフで、
のどまで出かかっている、という意味だそうですが、
このセリフを言いながらモリアーティが自分の舌に銃を押し付けているので、
両方の意味を掛けているのかなーと。


何度も部屋が揺れる中、シャーロックは何とかこらえ、冷静に言います。
SH:ハドソンさんの壁紙のために君の指が少しでも変なマネをしたら君は死ぬことになるって事を覚えておけ。
銃をくわえながらごにゃごにゃ言うモリアーティ。
SH:何だって?
JM:死は・・・新しいセクシーだ。
再び部屋が揺れる中、モリアーティは口にくわえた銃を撃ちます。


が、すぐに立ち上がりおどけて見せるモリアーティ。
この時のBGMは例のアレですよ。シャーロックが落ちるときの曲なんです。


JM:じゃあ、こうしよう、頭のモヤモヤを吹き飛ばすんだよ。
SH:なぜ生きているんだ?
JM:どう思う?正直言うと、注目に値する?
SH:君は自分で頭を吹き飛ばしたのになぜ生きている?
JM:逆毛を立ててたからかもね。
SH:君が死ぬのを見た。なぜ死んでいないんだ?
JM:君が落ちても死ななかったからだよ、シャーロック。
他の誰よりも君は知っているべきだ。落ちなかった、決して落ちなかった。


「着陸するよ!」
モリアーティの言葉に突然部屋が大きく揺れます。
そして、
飛行機が着陸します。


S3のラストでシャーロックを乗せた飛行機が戻ってくる場面になります。
様子を見守るジョンとメアリー。
飛行機が到着するとシャーロックの後ろ姿が映ります。


※ライヘンバッハでのモリアーティとの対峙を彷彿させる場面でしたが
アンスコさんのモリアーティはどこか壊れている感じがして
何というか、紙一重な部分を絶妙に演じている印象を受けます。
このふたりの対決はいつ見ても凄いです。

SPの撮影でジョンとメアリーのこの姿の画像があったのでどこかで現代とリンクするとは思いましたが
まさか、シャーロックに会えるとは思っていませんでした。
クルクルヘアーが愛しいです・・・・(変態)

続きます。

Sherlock:The Abominable Bride その7

2016-01-18 22:57:04 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。



シャーロックとジョンの目の前には花嫁姿の女性がいました。
SH:リコレッティ夫人だ、間違いない!時節柄、楽しい夜じゃないか。
と叫ぶシャーロックを制するように
「そんなはずはない、ホームズ、あり得ない!」とジョンが言うと
「その通りだ。」とシャーロック。


ゴーストが消えかかったその時、ユースタス卿の叫び声とガラスの割れる音がします。
家の中に入ろうとするシャーロックですが鍵がかかっていました。
JW:鍵がかかってるのか?
SH:指示通りだ。
JW:窓が割れたよな?
SH:僕たちが目をつけていた窓がひとつだけあるからそこから入ろう。
シャーロックは小さな窓のガラスを割り、中に入ります。


家の中に入りランプに火をともすシャーロック。
SH:そこにいろ、ワトソン。
JW:は?やだよ。
SH:家中のドアや窓は鍵がかかっている。ここは唯一の出口なんだ。だから君はここにいろ。
JW:しかし、音はすごく近かった。家のこちら側からだ。
SH:動くなよ!
シャーロックはジョンを残し部屋を出ます。


シャーロックはランプを片手に2階にあがると夫人の叫び声が聞こえてきます。
シャーロックがその部屋に入ると床には血の跡があり、夫人が立っていました。
「あなたは彼を守ると約束したのに。」と夫人。


ジョンはどこからか足音が聞こえてくるのでリボルバーを構えます。
そしてゆっくりと部屋を出て広間に向かいます。


JW:君は人間だろう、わかってるぞ。
我々が暗がりで立っていても何の役にも立たないな。

ジョンは手元にあるロウソクに火をつけます。

JW:しょせん、ここは19世紀だ。

シャーロックは廊下に倒れているユースタス卿を見つけます。
彼は胸を刺されて死んでいました。


と、突然どこからか女性の悲鳴が聞こえます。
後ろを振り返るシャーロック。
そして悲鳴がした途端にジョンの手元のロウソクが消えます。
ちょっとドキドキしながらもう一度火をつけるジョン。
もう一方の手にはリボルバーが握られています。

その時、ジョンの後ろに花嫁が現れます。


「Do not forget me」

その声に恐る恐る後ろを振り向くジョン。
女性が両手で襲うような身振りをするとジョンは一目散に逃げ、シャーロックとぶつかります。

JW:彼女がいた!彼女が出たんだ!
SH:まさか君の持ち場から離れたとは言わないだろうな!
JW:何言ってるんだ、ホームズ、彼女が出たんだ、私は見たんだぞ!

その言葉に急いで部屋に向かうシャーロックですが部屋には誰もいませんでした。

SH:もぬけの殻じゃないか!ありがたいね。鳥に逃げられたぞ!
JW:違う、ホームズ、違うんだって!彼女を見たんだ!ゴーストだよ!
ジョンの言葉に大声で「THERE ARE NO GHOSTS!(ゴーストなんていないんだ!)」と叫ぶシャーロック。
ジョンはそんなシャーロックの様子に少し冷静になります。

JW:何があった?ユースタス卿は?
SH:死んだよ。


警察が現場検証をしています。
レストレードもいます。
GL:自分を責めるなよ、わかってるだろうな。
SH:ああ。
JW:わかってもらえてうれしいよ。
SH:ワトソンの行為は犯罪にも匹敵する。


SH:ここだけの話だが、僕たちはしくじったんだ。
僕はあの男を守ると約束したが、彼は胸に短剣を刺されてそこに横たわっている。
と、レストレードに愚痴るシャーロック。
ジョンは死体のそばに行きながら、
JW:実際には、殺人の調査を約束したんだ。
と、言いますが
SH:こんなことにはならない自信があったんだ!
と叫ぶシャーロック。


GL:わかった事を教えてくれ、ドクター。
JW:彼は相当な力で刺されている。
GL:犯人は男か?
JW:おそらく。
GL:非常に鋭利な刃だし、女性の可能性もあるんじゃないか?
JW:理論上では、そうだ。しかし我々は誰がやったのかわかっている。私は彼女を見たんだ。
興奮気味のジョンに「ワトソン」と制すシャーロックですが、
JW:私はこの目でゴーストを見たんだよ!
と、興奮がおさまらないジョンに、シャーロックも大声で応じます。


SH:君は何も見ていない。君は見るんじゃないかと思っていたから見たんだ!
JW:君は自分で言ってたじゃないか、私には想像力がないって。
SH:君の頭を使って、大した頭じゃないが、不可能を除外して、今回だとゴーストだが、
そして遺体をよく観察するんだ。
そうすればこの事件は疑いの余地もないほど明らかだからレストレードだって解決できるんだ!
GL:サンキュー ← レストレード、とばっちり(笑)
SH:あの世のゴーストは忘れろ!殺す動機とチャンスがある容疑者はひとりだけだ。
そいつがメモを残してくれたらよかったのにな。
GL:メモを残したんだ。


SH:それから別の割れた窓の問題もある。
GL:別の割れた窓って?
SH:割れた窓はひとつじゃない。
割れた窓はワトソンと僕が入ったひとつだけだ。にもかかわらずそれより前にはっきりと音が聞こえ・・・・
今、何て言った?メモの事で、何て言ったんだ?


GL:殺人犯はメモを残したって言ったんだ。
SH:そんなはずはない。
GL:短剣にメッセージが結ばれてたんだ。お前は見てるはずだろう!
SH:メッセージはなかった。僕が死体を見つけた時はメッセージなんてなかった。
シャーロックは死体に近づきます。


メッセージを見たシャーロックは呆然とその場を離れます。


不思議に思ったジョンがメッセージを手にするとそこに書かれていたのは・・・


「Miss Me?」

茫然と漂うように階段を下りていくシャーロック


場面はディオゲネスクラブに変わります。
MH:どう思う?
SH:何が?
マイクロフトは「Miss Me?」と書かれたメッセージを見せます。


SH:どうやって手に入れたんだ?僕は犯行現場に置いてきたぞ。
MH:犯行現場?お前はどこでそんな尋常ではない表現を覚えたんだ?
彼がいなくなって寂しいか?
SH:モリアーティは死んだんだ。


MH:にも関わらず・・・?
SH:彼の死体は回収されなかった。
MH:数学教授が滝に落ちたのだから当然だよ。
純粋理性は純粋なメロドラマによって崩壊した。要するにそれがお前の人生なのだ。
SH:あんたはどこでそんな尋常ではない表現を覚えたんだ?


シャーロックはライヘンバッハの滝が描かれている絵を見つめます。


そして再びマイクロフトに向き合い「太ったか?」とシャーロック。
MH:お前はつい昨日、私と会ったのに。あり得ると思うか?
SH:いや。
MH:体重が増えたとしても私はここにいるよ。
イングランドで最高の犯罪捜査官にどんなことを教えてくれるのかな?
SH:イングランドで?
MH:深く入り込んでいるね、シャーロック、お前が思うよりも深く。
リストは作ったか?
SH:何の?
MH:全てのだよ。我々にはリストが必要だ。
シャーロックはポケットからメモ用紙を出します。


MH:いい子だ。
しかしシャーロックは寸前で渡すのをやめます。
SH:ダメだ、まだ終わっていない。
MH:モリアーティとは意見が違うようだな。
SH:彼は僕の注意を逸らそうとしている。僕を挫折させるために。
MH:そう。彼は拡大鏡にひびを入れ、計画を台無しにする、データに入り込むウィルスだ。
SH:僕はこれを終わりにしなければならない。
MH:モリアーティがライヘンバッハの大釜から生き返ったとしたら、彼はお前を探し出すだろう。
マイクロフトの言葉に、「僕はそれを待っているんだ。」と言って部屋から出て行きます。

ひとり残されたマイクロフトは静かに呟きます。

「わかっているよ。お前はそうすると思っていた。」


続きます。

Sherlock:The Abominable Bride その6

2016-01-16 11:08:56 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。


Mistyさんからご指摘いただいた部分を修正しています。青字部分です。
Mistyさん、毎度ありがとうございます!前文まるっと頂いちゃいました。



今回も会話ばかりです。
シャーロックとユースタスの会話と、
後に出てくるジョンとシャーロックの会話が難しくて3日くらい悩みましたが、
多分こんな感じじゃないかと・・・
他にもちょっと違う?な部分がたくさんありましたが、
100年悩んでも答えが出なさそうなので気にしない事にしました(いい加減)
もし映画を観る事ができたらこっそり修正しようと思います。
(S3の時も同じこと言ってたなー・・・進歩してないのね。)

列車に乗ってカーマイケル家に向かうシャーロックとジョン。


JW:君は言わないだろうけど・・・
SH:僕は言わないし、君もそうするべきだ。
JW:私が何を言うつもりだったのか君は知らないだろう。
SH:君はこの件を扱っている超自然現象の機関があるかもしれないと提言しようとしていた。
君がそれを言ったら僕は笑い飛ばしていただろうね。
JW:だけどまた花嫁だよ、ホームズ。エメリア・リコレッティだ。大地を歩く死んだ女性。
SH:君には驚くよ、ワトソン。
JW:なんで?
SH:君はいつからその手の創作をするようになったんだ?
JW:おそらく一般読者に無節操な麻薬中毒者を紳士だと思わせた時からだな。
SH:君が今その話を出してくるのには感動すら覚えるよ。
だが、この世にゴーストはいないから安心しろ。
(小声で)自分たちで生み出したもの以外は。


JW:え?何て言ったんだ?ゴーストは自分たちが生み出すってどういう意味?



カーマイケル家でユースタスと話しをしています。
ユースタス = Eu


Eu:夢遊病だ。
JW:今、何と?
Eu:私は夢中歩行する、それだけだ。ありふれた病気だよ。
あなたは医者だったはずだ!すべては悪い夢だったんだ。
JW:あなたが受け取った封筒の中身もですか?
Eu:そうだ、あれはグロテスクな冗談なんだ。
JW:あなたが奥さまに与えた印象とは違いますね。
Eu:彼女はヒステリックで、よく妄想するんだ。
SH:違う。


Eu:失礼だが、今何とおっしゃった?
SH:違うと言ったんです、彼女はヒステリックではありません。
類まれな見識のあるとても聡明な女性です。
Eu:妻はオレンジの種に何か恐ろしいものを見たんだ。
SH:あなたの妻は誰ひとりとしていかなる価値も見出せないものを理解する事ができます。
Eu:妻が?どうやってそれを証明するんです?Mr.ホームズ。
SH:あなたと結婚したからです。彼女は動機を見つけ出す事ができたんですよ。
シャーロックに皮肉られちょっと怒り気味のユースタス氏。


SH:今夜、あなたを守るべく最善を尽くしますが、
最初にあなたがリコレッティの事件との繋がりを説明してくれると助かります。
Eu:リコレッティ?
SH:詳しく話してください。
Eu:彼女の事など聞いたことが無い。
SH:興味深いですね。僕は女性だとは言っていませんよ。
さて、我々は外にいます。朝に再び会えるといいですね。
Eu:そうはならないよ。
SH:そうなれば残念ですが僕があなたの殺人を解決することになるでしょう。
ではこれで。

部屋を出て使用人に「カーマイケル夫人に渡してくれないか。」とメモを渡すシャーロック。

JW:何だったんだ?
SH:カーマイケル夫人は今夜は激しい頭痛がすると言ってひとりで眠ることになる。
家のドアと窓は全て鍵をかけてね。
JW:は!君は亡霊・・あー、花嫁が再びユースタス卿を外に誘い出すと思ってるのか?
SH:当然だ。これ以上に不吉な脅しはないよ。「今夜あなたは死ぬ。」だ。
JW:彼女を追っていかないんじゃないか?
SH:彼が何をするのかを一言で言うのは難しいな。罪の意識が彼の魂を蝕んでいる。
JW:罪の意識?何に対して?
SH:彼の過去の何かだよ。オレンジの種がそれを思い出させるんだ。
JW:冗談ではないのか?
SH:まったく違う。オレンジの種は死によって報復するという伝統的な警告でアメリカに由来している。
ユースタス卿がなぜ罰せられるのか、彼は痛いほどよく分かっている。


JW:エメリア・リコレッティに関係しているのか?
SH:恐らく。誰にでも過去はあるよ、ワトソン。ゴーストだよ。
それらは幸せな日々につきまとう影なんだ。

ユースタス卿は自分がマークされていることを知っている。
彼は殺されるよりも恐れている何かがある。
亡きリコレッティ夫人の死体が蘇った事によって地獄に引きずり込まれると思っているんだ。
JW:そんなのすごくバカげてないか。
SH:まったくだ。君、リボルバー持ってきたか?
JW:ゴーストに効力があるのか?
SH:そうだな。で、持ってきたのか?
JW:もちろんだとも。
SH:ではいくぞ、ワトソン。The game is afoot.




夜。
物置小屋のようなところで屋敷を見張るシャーロックとジョン。
画面が非常に暗いです。


ワトソンがうめきながら立ち上がるので小声で怒るシャーロック。
SH:かがんでろ、ワトソン、頼むよ、ホントに!
JW:悪い。けいれんだ。灯りはまだついてる?
シャーロックは部屋の様子を見ながらついてる、と答えますが
その時、ユースタス卿の部屋の灯りが消えました。

SH:ユースタス卿の部屋が消えた。カーマイケル夫人もだ。家中が眠りについたな。
JW:やれやれ、私の人生で一番長い夜になるよ。
SH:忍耐だよ、ワトソン。
JW:ようやく夜中だ。我々がこうして一緒に座るのは珍しいよな。
SH:僕も座るべきだな。膝を痛めそうだ。
JW:旧友ふたりのおしゃべりタイムだな。1対1で。


何か嫌な予感がするのかキョドるシャーロックが(笑)
何だか気まずそうな雰囲気のふたりなんですけど。

JW:その、素晴らしい女性だな。
SH:誰が?
JW:カーマイケル夫人
SH:女性は君の得意分野だ、ワトソン。君が言うなら確かだろう。
JW:君だって彼女が好きだろう。「とても聡明な女性」って。
SH:それに、土踏まずが非常に発達している。彼女が部屋に入ってすぐに気づいた。
JW:彼にはもったいない女性だよ。
SH:そう思うのか?
JW:いや、君がそう思ってるんだろう。僕にはわかる。


SH:それどころか、それに関しては何の見解もないけど。
JW:いや、あるね。
SH:結婚は僕が論じるテーマではないよ。
JW:そうか?
SH:今夜の君はどうかしたんじゃないのか?
JW:君が身につけている懐中時計の内側に写真があるだろう。
以前、ちらっと見たんだ。あれはアイリーン・アドラーだよな。


SH:ちらっと見たんじゃない、君は僕が眠るまで待って、それを見たんだ。
JW:確かにそうだ。
SH:僕が気づかないとでも思ってたのか?
JW:アイリーン・アドラー。
SH:手ごわい相手だった、驚くべき冒険だ。
JW:すごくいい写真だよね。
SH:君はなぜこんな話をするんだ?


JW:なぜ君はそんなに独りでいようとするんだ。
SH:どこか具合が悪いのか?ワトソン。
JW:そんなに妙な質問か?
SH:ウイーンの精神科医ならともかく、退役軍医の質問としては、全く妙だ。
(ウィーンの精神科医はフロイトの事なんでしょうね。ホームズVSフロイトとかいう話もありました。
このあたりの会話も訳がかなり怪しいです。大事な場面なのに多分に間違いがあると思います・・・すみません。)
JW:誰ひとりとして異議を唱えることはないと確信しているが、私たちは親友なんだ。
SH:それは認める。
JW:私は今、君とごく普通の会話をしようとしてるんだ。
SH:やめてくれ。
JW:なぜ孤独になる必要があるんだ。
SH:君が恋愛問題に言及するなら、ワトソン、残念だが、
以前から説明している通り全ての感情は僕にとっては忌まわしいものなんだ。
「The crack in the lens.」だよ。
(※「The crack in the lens.」は物語のタイトルですがタイトルのセンス皆無なので訳しませんでした。
「The crack in the lens.」という本は実在するようです。日本語版はなさそうですけど)
※※「The crack in the lens」はボヘミアの醜聞からの引用との事でした。
確かにアイリーンと彼の感情についてワトソンが言及していました。なるほどです。
なのでThe crack in the lensは「拡大鏡のひび割れ」なんですね。


JW:ああ、「The crack in the lens.」か。
SH:そうだよ、そこでも同じことを言っているだろう。
JW:違うよ、私がその話を書いたんだ。君は自分でストランドマガジンから引用したんだよ。
SH:確かにそうだな。
JW:私の言葉であって、君のではないんだよ!
君についての考察を私が読者に公表したんだ。心のない頭脳。計算機。
私がそのすべてを書いてるんだ、ホームズ。そして読者がそれを楽しむ。
だが私は君がそうだとは思ってないぞ。


SH:では、僕は君の編集者に手紙を書くことにしよう。
JW:君は生きて、呼吸をしているんだ。君は人生を送ってるし過去もある。
SH:何だって?
JW:だから君にもあったはずだ・・・・
SH:何が?
JW:わかるだろう。
SH:わからない。
JW:経験だよ。
SH:リボルバーを貸してくれ。急に必要になった。
JW:ホームズ、君は生身の人間なんだよ、感情もあるし、君は・・・欲求だってあるはずだ。
SH:頼むからやめてくれ、僕は今ほど殺人ゴーストに襲われたいと思ったことはない。
JW:君の友人として、君を心配する者として言ってるんだ。何が君をそうさせる?


SH:何を言っているんだ、ワトソン・・・僕は僕の意思でそうしているんだ。


その時、あたりを動き回る物音と気配がし、シャーロックは思わず、
「レッドベアード?」と呟きます。

ワトソンが「何だ?」と言い、視線のほうを見ると花嫁衣裳の女性が現れ宙に浮いていきます。


JW:どうする?
SH:話をしようじゃないか。


外に飛び出すシャーロックと後を追うジョンでした。

続きます。

最後の会話はトレーラーの時もかなり悩みまして、
そんなに間違ってはいないと思うのですが(・・・間違ってないよね・・・??)
何だかしっくりこないのはやっぱりセンスなんでしょうか。
良い日本語が思いつきません(涙)

そして、出てきましたねーレッドベアード。
そういえば御大たちがレッドベアードについて言及したことがありました。
シャーロックはREDBEARDが死んだときマイクロフトに
「REDBEARDは幸せの谷に行ったんだよ」と言われそれをずっと信じていたという話です。
そしてマインドパレスでレッドベアードと再会したときのセリフ、
「They're putting me down, too, now」は僕も殺される、とか死んじゃうとか、
そんなニュアンスだと思われるのでレッドベアードに何らかの秘密がありそうな・・・・予感です。

Sherlock:The Abominable Bride その5

2016-01-14 14:37:29 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。

会話ばかりになっていますが、相変わらず怪しい訳です。


2人はマイクロフトに向かい合って席につきます。
MH「数日前にマナーハウス事件の件でお前に会えると思っていた。
あれには少し困っているんじゃないかと思ってね。」
SH「いや、もう解決した。」
MH「当然、アダムズだった。」
SH「そう、アダムズだったよ。」
(この事件はマイクロフトが登場したギリシア語通訳からの引用ですね)


MH「嫉妬による殺人。
彼は王立天文学会に黄道の傾斜角の論文を書いたがその後に彼を凌ぐような論文を読んだ。」
SH「知ってる、僕も読んだ。」

MH「理解できたかね?」
SH「もちろんだ。極めてシンプルだ。」
MH「そうじゃない、嫉妬による殺意を理解しているのか?
偉人がさらなる偉人を眺めるのはたやすい事ではない。」
SH「あんたは僕に屈辱を与えるためにここに呼んだのか?」
MH「そう。もちろん違うとも。しかしそれもまた間違いなく無上の喜びだ。」
マイクロフトの言葉に席を立つシャーロック。

SH「で、呼び出した理由を説明してくれないか?」
MH「我々の生き方は見えない敵の恐怖にさらされている。
毎日のように我々のそばをうろついている。
こういった敵が至る所にいる・・・ひっそりとね・・・どうにもならない。」

JW「社会主義者?」
MH「社会主義者ではないよ、ドクター。」
JW「アナーキスト?」
MH「違う。」
JW「フランス人?婦人参政権論者?」
MH「君は心配にならない身体の大きな人がいるのかね?」
JW「Dr.ワトソンは際限なく用心深いんだ。詳細を・・・」
MH「捜査だ。私の憶測はあるが、お前に裏付けてもらいたい。」
と、いう会話をしているのにジョンは「スコットランド人?」とまだ敵が誰なのか、
気になるようで、思わずシャーロックが「スコットランド人?」と反応しています。
マイクロフトが「君はパラノイアに関する新しい理論を知っているかね?」と言うと、
「セルビア人か。」とジョンの言葉に少々呆れ気味のシャーロック。


「女性がお前を訪ねるだろう、カーマイケル夫人だ。彼女の依頼を受けて欲しい。」とマイクロフトに
「しかし、こうした敵について我々に何も教えないのであればどうやって倒せばいいんだ。」と、
まだまだやる気のジョン。

MH「倒すことはしない。我々は間違いなく負ける。」
JW「なぜ?」
MH「なぜなら、彼らが正しいからだ。そして我々は間違っているんだ。」

SH「カーマイケル夫人の事件とは?」
MH「興味を引く特徴があるから安心しろ。」
SH「僕はそんな事は絶対に言わない。」
JW「絶対に言っているぞ。」
SH「あんたは既に解決していると思うが?」
MH「私の頭ではね。お前の聞き込み捜査が必要なのだよ。」
JW「なぜあなたの回答を教えてくれないんです?」
MH「気晴らしをするにはどこでやるのかね?
やってくれるだろうね、シャーロック?お前に上質の娯楽を約束しよう。」

SH「ひとつ条件がある。プラムプディングをもうひとつ食べろ。」
MH「すぐに届くよ。」
SH「2年11か月と4日だ。」
MH「面白くなるな!チックタック、チックタック、チックタック。」

シャーロックたちがいなくなるとワイルダーがプディングを持ってきます。
MH「ありがとう、ワイルダー。」
Wi「Mr.メラスも来ておりますが、Mr.ホームズ。」
MH「5分待ってくれ、私は勝つ賭けをする。」


221B
カーマイケル夫人が訪ねてきています。


La「Mr.ホームズ、私は助言を求めに来ました。」
SH「それは容易い御用です。」
La「そして助けを。」
SH「必ずしも簡単ではありません。」
La「何かが起こったんです、Mr.ホームズ。何かが・・・普通ではない恐ろしい事が。」
SH「あなたは運が良いですよ。」
La「運が良い?」
SH「それらは私の専門です。ふむ、これは非常に期待ができる。」
JW「ホームズ・・・」
SH「何があなたを悩ませているのか話してください。」
La「私はどうすればよいのかずっと必死に考えましたが、
私の夫があなたのお兄様と面識があることを思い立ち、もしかしたら彼を通じて・・・
実を言えば、あなたの範囲内なのかわかりません、Mr.ホームズ。
信じられない事ですが、もしかしたら神父様の範疇ではないかと。」

カーマイケル夫人の回想。

Eu「今朝は何をして脅かすのかな?
精力的な刺繍縫い?疲労困憊な帽子職人の指名?」
La「あなたをいじめたいわ、ユースタス。」

届いた封筒を開けるとユースタスの顔色が変わります。
ただならぬ空気を感じ夫人は子どもたちを部屋から出します。
「ダニエル、ソフィー、向こうで遊びなさい。」

そして、夫人が封筒の中身を見るとそこにはオレンジの種5粒が入っていました。

La「これは何なの?ユースタス。」
Eu「死だ。」
La「何ですって?」
Eu「死ぬということだ。」
Eu「ああ、いや、何でもない。何でもないよ。私の勘違いだ。」
La「顔色が悪いわ。」
Eu「何でもないんだ!」

221Bに戻ります。
SH「封筒は保管してありますか?」
La「夫が破棄しましたが、封筒には何も書かれていませんでした。名前も住所も何も。」
SH「ユースタス氏はアメリカで過ごした事はありますか?」
La「いいえ。」
SH「結婚する前もありませんか?」
La「私の知る限りではありません。」
SH「どうぞ、あなたの興味深い話を続けてください。」


La「事件は月曜日の朝に起こりました。
夫が初めて彼女を見たのはその2日後の水曜日です。」
JW「誰を?」


再び回想です。
夫人が目を覚ますとユースタスが窓の外を見つけて脅えていました。
La「ユースタス?」
Eu「彼女が私を迎えに来た、ルイーザ!神よ、私の罪が暴かれるのだ!」
La「誰が迎えに来るの?ユースタス。脅かさないで。」
Eu「見ろ!彼女が見えないか?」
La「いいえ、誰もいないわ。」
Eu「消えた」
La「あなたははたくさんの隠し事があるけど、これもそうなの?誰を見たの?」
Eu「彼女だった。花嫁だ!」

221B
「花嫁」という言葉にシャーロックとワトソンは一瞬顔を見合わせます。
SH「あなたは何も見ていない?」
La「はい。」
SH「あなたの夫から何か説明は?」
La「今朝までは何もありませんでした。」

回想。
夫人が目を覚ますと再びユースタスの姿がありませんでした。
夫人は屋敷の外に出て、迷路になった生け垣を探します。
La「ユースタス?どこなの?」

どこからか歌が聞こえてきます。

♪Do not forget me

夫人はユースタスを見つけますが彼の前には花嫁姿の女性が立っていました。


「誰なの?誰なのか言いなさい。」
夫人はユースタスの腕をつかんで「ユースタス、話して。お願いだから。」と言います。
Eu「彼女・・・彼女はエメリア・リコレッティ。いや、違う、そんなはずはない。」
ユースタスはひどく脅えています。

女性は近づくと、
「今夜、ユースタス・カーマイケル、あなたは死ぬのよ。」と言って
顔のベールを取ろうとしますが、夫人が気絶したユースタスに気を取られているうちに
女性の姿は消えていました。

221B


JW「ホームズ?」
SH「静かに、ワトソン。」
JW「だが、花嫁のエメリア・リコレッティって。」
La「名前をご存知ですか?」
SH「彼には分かった事を口にする熱意があります。マニアみたいなものです。
失礼ですが、今朝のあなたの夫の様子はどうでしたか?」


La「そのことについて彼は私に一斉何も話しません。もちろん、私は彼に家を出るように言いました。」
SH「いや、彼は家にいなければなりません。」
La「では、彼に危険はないと?」
SH「ああ、いや、もちろん誰かが彼を殺そうとしていますが我々には都合が良いのです。
餌無しで罠を仕掛ける事はできませんから。」


La「夫は餌ではありませんわ、Mr.ホームズ。」
SH「もちろん、だが我々がうまくやれば彼は安全です。
さて、よろしいですか、あなたはすぐに家に帰るのです。Dr.ワトソンと私は次の電車で追いかけます。
一刻の猶予もありません、ユースタス氏は今夜死ぬのですから。」
JW「ホームズ。」
SH「我々はそれを回避すべきでしょう。」
JW「間違いなくだよ。」
SH「間違いなく、回避します。」


場面はマイクロフトに変わります。

MH「当然ながら、弟は依頼を受けた。
私はあなたがこの件から目を離さないと信じているが、私のために動いていることを決して彼が知ることはない。
わかっているね?ワトソン。」
マイクロフトの背後に現れたのはメアリーでした。
MM「任せてください、Mr.ホームズ。」