漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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夏の食養生

2008-07-15 | 薬膳・食育
中国漢方養生研究家・高橋楊子先生の講義で教わったこと。

この本の著者の一人です。
この本、インド人のミラ・メータさんも著者でいらっしゃるので、漢方からアーユルベーダに至るまで幅広い知識に基づいて、しかも美しい写真とともに編集されているので、読んでいてワクワクする本です。

「夏の養生(黄帝内経素門)」の話題も高橋先生の講義の一部でしたが、料理の話も素晴らしかったのです。中国の家庭って体と食べ物、薬が一体となった生活で感動しました。

        

夏が旬の野菜が湿気や暑さでだるくなった体にぴったり。

ラッキョウ
汗をかきすぎると、血流が悪化して心臓に負担がかかります。
ラッキョウは、胸のつまりを開く働きがあり2,3粒食べると胸苦しさが楽になります。
括楼薤白白酒湯(かろがいはくはくしゅとう)という胸が苦しいとか呼吸が苦しいという時に用いられる漢方処方には、ラッキョウが含まれています。
この処方に配合されている当時の「白酒」は、今の黒酢に近いものらしいので、ほとんどラッキョウの酢漬けみたいな処方です。
漢方薬って料理とすごく近いものなのです。

スイカの皮
スイカを食べると、昔は残った白い部分を浅漬けにして食べたものですが、スイカの皮は、これ一つで白虎湯(びゃっことう)に相当するといわれるほど、体のほてりを冷ます作用があります。

スイカの皮料理・あなたのうちでは?

ニガウリ(ゴーヤ)
苦いものは全般的に熱を冷ます働きがあるようです。
暑さだけでなく血圧が上がりそうなほどイライラしているときもお勧め。


これ以外の夏の瓜科の野菜には利尿作用を持つものが多く、湿気が多い時期のむくみ解消にもぴったり。
緑豆(もやし、春雨)、海藻類もむくみによい。

先生の子供のころには、夏、遊び疲れて帰ってくると、お母様が緑豆の冷たいぜんざいを作って食べさせてくれたそう。

わがHPのその他の夏の料理メニュー

五行草(スベリヒユ)
湿と熱を取り去る働きがあります。
日本ではまったく食べる習慣がないスベリヒユは、西洋では炒め物やサラダなどにして食べるそうです。
当店でも、夏場になると五行草茶が大人気となります。
五行草写真