漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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漢方覚書:四逆とは

2013-02-21 | 漢方的話題
四逆(しぎゃく)という言葉がある。

氷のように冷たい状態を「厥冷(けつれい)」または「逆冷」といい、
手足は4つあるので、手足がとても冷たくてなかなか温まらない状態を「四逆」という。
手足厥冷(しゅそくけつれい) 手足逆冷(しゅそくぎゃくれい)も同じ意味。

夕日の色を写した暖かそうなシンビジウム。二年ぶりに咲きました

さて、四逆という名前がついている漢方薬がいくつかある。
四逆湯、当帰四逆湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、四逆散

前3つは温裏剤
芯から冷え切っているような状態には、
四逆湯(生附子、乾姜、炙甘草)
少陰腎に寒邪が侵入し心、脾の陽気まで衰えた状態なので全身が寒くて縮こまる状態。
温める力が強い生薬が配合されている。

血虚のために手足が冷える状態には、
辛燥による陰血消耗を避けたいので附子や乾姜を用いない。
当帰四逆湯(当帰、桂枝、白芍、細辛、炙甘草、通草、大棗)
血虚に乗じて寒邪が侵入し血寒が肝脈に停滞
そのため肝脈に沿って冷えや痛みが発生しやすい。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(当帰、桂枝、白芍、細辛、炙甘草、通草、大棗、呉茱萸、生姜)
冷えが長く続いて寒飲を伴い、嘔吐、腹痛、頭痛などが起こる場合に
当帰四逆湯に呉茱萸、生姜を加えたのが当帰四逆加呉茱萸生姜湯。

4つ目は調和肝脾剤
四逆散(炙甘草、枳実、柴胡、白芍)
陽気内鬱。寒邪によって厥陰の陽熱の布達が阻害され四肢末梢に達しないため四肢が冷える。
というより四逆散はこれからのシーズン、ストレスによる肝脾不和に使われることが多いかもしれない。


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