著者ポール・ナースは2001年ノーベル生理学・医学賞受賞を受賞しています。
翻訳(竹内薫)がうまくてフレンドリーな文章で、話しかけられているような気分になります。2021年3月発行
生命体ってどうやって生きてるんだろう。それを知るときっと、頭でっかちな妄想で自分を孤立させることがなくなるでしょう。
私たちの体は強固な構造の遺伝システムによる情報によって、驚きべき機能を化学的物理的にこなす精密機械である。
そして「生命体は依存しあっている。ヒトもヒトとヒト以外の多くの細胞が混ざりあってできたひとつの生態系だ。われわれの30兆個の細胞など、この生態系からすれば微々たるものだ。われわれに依存したり、われわれの内側で生きている多様な細菌、古細菌、真菌、単細胞真核生物などの共同構成員の数は天井知らずなのだから。さらにわれわれが食べる一口ごとの食べ物は、他の生き物によって作り出されている。」
「われわれは、他のすべての生命と深い絆で結ばれている」
「自然淘汰が効果的に機能するには、生物は死ななければならない。競争上強みのある遺伝的変異を持っている可能性がある次の世代が、古い世代にとってかわることができるからだ。」
生命はすべて、こんなに素晴らしいのだけれど、そのことを知っているのはおそらく人間だけだ。
だから人間は地球のすべての生き物を守らなければならないと結んでいます。