漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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幸福な食卓(映画):家族の自由度アップ

2007-02-09 | 映画
どこでボタンを掛け違えちゃったのか・・・

だけどそのままうやむやにすれば、きっとつまらない
家族生活になってしまうんだろう。
だから、いろんな事件で、膿を出すべきだ。

そういう意味では、自殺しようとした父、家を出た母、
農業に方向転換した兄、さらに「父さんをやめる」という父、
それぞれとても行動的だと思った。
自殺は困るけど、こんな風に素直に行動を起こせたらいいなって思った。
それを家族みんなに伝えることができる場面が朝の食卓だ。

ドキッとする台詞が、いいタイミングで出てくる。
覚えておこうと思ったのに、映画が終わればすっかり
思い出せない、情けなさ・・・

うろ覚えだけど、書いておこう。


『どうして・・・』母
風呂場で手首を切り倒れている夫を前に、そう言うだけで動かない妻。
思いっきり裏切られた気がするよね。
今までの私たちはなんだったの? 
だから、
家を出る気持ち、痛いほどわかる。そしてそう行動したのはすごい。

『父親のようにならないために・・・』兄
子供なら一度は思うこと。親っていつも反面教師なのかもしれない。
親に疑いを持ち、気持ちが離れていく始まりでもあるんだろうと思う。
だけど新たな行動を起こした父を観て、また彼は学んでいた。

『家族の責任を放棄している・・・』兄。
そうそう、しっかり放棄してました。
だけど、家族の中での自分の存在がわからなくなったとき、
自分を見つめなおすために、離れてみるのも必要なのかも。
まるで他人のただの友達みたいに・・・

『育てたものをおいしくいただくって大切なことなんだよ』

『他人じゃなきゃ見えないことがある』

『気づかないところでいろいろ守られてる』

『家族ってどんなことがあっても家族だから』

淡々と物語が進みながらも、じわじわと感動が増す。
家族って、頼りあい縛りあうだけじゃなく、
こんなに自由な関係なんだと気持ちが軽くなった。

登場人物全員が、いい雰囲気をかもし出してとてもいいバランス。
熱くなくちょっとクールな演技、それが返って熱い気持ちを共感させる。

そして食事をする相手がいるってとても幸せなことなんだ。
心地よい幸福感が自然に最後を満たした。
エンディングの曲もステキ。

★★★★☆

監督:小松隆志

原作:瀬尾まいこ

音楽:小林武史

出演:北乃きい 勝地涼 平岡祐太 羽場裕一 石田ゆり子


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは♪ (kan)
2007-02-13 14:33:37
「幸せな食卓」家族で観に行ったらいい映画のようですね。
考えさせられる内容ですね。
家では、家族みんなが食卓を囲むこともなくなりました。(寂しい)

先月「硫黄島」を観てきました。
玉が飛んでくる場面で思わず「うわあ~」と一人声を上げてしまい恥ずかしかったです。
今月は時間が取れたら「幸せのちから」を観てこようと思っていますが、果たしていけるだろうか・・
やくさんは、すでに観られたんですね。
返信する
kanさん、いらっしゃいませ。 (やく)
2007-02-13 18:01:22
きっと「硫黄島」は、みんな声が出そうだったと思いますよ。
ぐっとタイミングで声をあげてくれたりすると、うれしくなるときあります。
最近、邦画がなかなかいいですね。
この映画もすごく洗練されていて、後味のいい作品でしたよ。
返信する

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