漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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長年のめまいが漢方養生で解消

2025-01-16 | 頭痛、めまい、目
わが薬局の漢方お馴染みさんから「自分が飲んでいる杞菊地黄丸がいいのかしら?」とご紹介くださった70代女性。ずっとふわふわするめまいが治らず病院薬を飲んでいるが変わらないとのこと。

体調を伺うとこの女性の場合に考慮すべきは、治す力が足りない(気虚)ところでした。

そのためには、効能に「めまい」とは書かれていない処方で対策することになるのだが、この対策を手抜くと、長年治らない症状はなかなか改善しない。
このことを納得いただいて、気虚対策と、「めまい」の効能がある漢方薬の2種類で服用を始めると、幸いたった2か月ほどで解消され、今は補気薬だけで元気を保ち、めまいは再発してない。

漢方の考え方は西洋医学と異なり、養生とか予防のために使うものがある。これは食事療法に近いものかもしれない。

そもそも、病気になる、症状がなかなか取れない、という状況は治癒力が落ちているからだ。症状を抑える薬が体を元気にしてくれるわけではない。
「薬が効かない」のは自分の効かせる「体力が足りていない」場合も多い。手を抜かず日々ちゃんと養生することです。
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初詣は北印旛沼のトモエガモ

2025-01-04 | 植物&動物
本年もどうぞよろしくお願いします。
1/4(午後5時まで)から営業しています。

我が家の初詣は、近所の神社とトモエガモ詣になりました。

鳥肌がたちそうな、北印旛沼のトモエガモ
水しぶきに虹が。
今年は一層数が増えています。
お近くにお住まいの方はぜひ、見に行って、この声や羽音やダイナミックな情景を実感してみてください。
トモエガモの顔も面白いです

いつまでもこの自然が維持されますように。
そして、今年が穏やかな一年となりますよう祈ります。
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血流が悪いってどんな状況?:手荒れ、しもやけ、目の乾燥などなど

2024-12-28 | 老化・血流
このところ、手荒れとか、しもやけとか、手足だけ冷えるとか、目が乾燥してゴロゴロするなどのご相談が続く。足は冷たいが顔はのぼせるという人も多い。
これらの多くは、全身にくまなく血液を巡らせられていない状況。
そのため末端は栄養不足に陥って冷えて皮膚などはカサついて荒れるのだ。そして上半身は熱が昇ったまま廻らないので火照る。

つまり末端は「部分的貧血」に陥っていて、老廃物の掃除も栄養補給もできていない。


朝は冷え込み厳しくなりカシラダカも寒そう

血管が固くても(動脈硬化)通りにくいし、血球の弾力性(変形能)がなくても通れない。30代半ばからは動脈硬化は進むのですでに若い頃より血流量は減っている。
ストレス続きとか疲労がたまっている状態でも血液は動きにくくなる。
脂っこいものや甘いものの食べすぎも赤血球がどろどろして流れにくい。
運動不足で筋肉が細いと血の動きも悪く、このタイプには冷え性が多い。

このごろの私のティータイムは婦宝当帰膠+冠元顆粒(補血+活血)

このように中医学的に考察すれば、対策は、気虚血虚陰虚など「虚」を補いながら「活血」すればよいことがわかる。
自分がどのような体質なのかは、よくご相談ください。


朝ウォークで、アカハラ、シロハラなどに出会う

沼にはヨシガモ

1/1~1/3は休業します。
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夏の後は冬だった

2024-12-21 | 暦・季節ごとの養生法
「夏の後は冬だったね~」
「合いものを着る暇なかった」
「体が夏バージョンのままで寒さが堪える~」
という話が出るこの頃の薬局です。
地球温暖化というのか、四季が二季になるようですが、それでも気候に慣れていかなきゃね。
戸外に出て、運動すること大切です。
だけど寝る時はしっかり温かくしてね。

なかなかクリスマスの気分も出ないけれど、気づけば年末。
そして今日は冬至。
一年中で一番昼が短い日で、明日からは日が長くなる新スタートの日とも言えます。

年末年始の予定
12/31は午後5時閉店
1/1~1/3は休業します

セイヨウヒイラギと違って、ヒイラギの花は冬に咲く。

これは何でしょうか?そうロウバイです。
今年は葉が青々茂って、この写真で検索してもロウバイは出てきませんよ(笑)
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胃弱なのに食欲が出て口内炎、その対策は?

2024-12-16 | 胃腸
口内炎というと、甘いものや脂っこいものの食べ過ぎで「胃熱」が生じているタイプが多く、対策はこれを冷ます漢方薬を用いて大概よくなるのですが、口内炎もいくつかのタイプがあります。
さて、
もともと胃弱な女性の口内炎の話。
珍しく食が進んだせいか口内炎がなかなかひかないという。赤みも少なく痛みもひどくなく水膨れみたいな口内炎で「ちょっと微熱もあるかも」というので、気虚かな、お手持ちの補中益気湯を飲んでもらったがあまり変わらず、サンプルに差し上げていた晶三仙2包を飲んでみたらあっという間に口内炎が消え体も軽くなったそうです。

人によって「食べ過ぎ」の基準は異なるのです。
胃弱な人は少しでも食べ過ぎると胃に無理が生じ食滞を起こしがちです。
彼女の口内炎は、食滞を晶三仙で取り去ることで問題が解消され治ったようです。


過食気味の人も、ふだんから晶三仙などの消導薬で掃除をしておくと、痛い口内炎を予防できることでしょう。

皮膚や粘膜に何か噴き出すものがある時は、「体内に溜まり物がないか」突き止めてこれを掃除するとわりにスッキリ治るものです。
なんでもチョコラBB、でもありませんね。


オオジュリンやミコアイアもやってきた西印旛沼です

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現代の不妊治療について婦人科医の講義を受ける

2024-12-10 | 子宝・妊娠体質つくり
自然妊娠率は低下していて、いまや不妊治療を受けたことのある夫婦は約23%、不妊治療で生まれた子供は7万人近くに達する(11.6人に一人2021年)
(2024年は出生数は68.5万人の予定)

不妊治療を受ける女性側の負担は相変わらず大きい。公的補助は増えたといっても、夫婦の治療に対する気持ちの温度差、仕事などによるすれ違い、職場で休暇をとる難しさ、キャリアが失われる恐れ、治療に専念できない焦り、精神的プレッシャーは限りない。

わが薬局で妊活漢方対策をしている中でも、気持ちを穏やかにする対策だけで、うまく妊娠される人もいるほど、現代の生活事情は女性にとって妊娠には適さないのだろう。

「卵子の老化」が騒がれて久しいが、依然としてそのことに変わりはなく、いくら治療技術が進んだとはいえ、親の精子と卵子が良質であることは必須。保険適応年齢も42歳だし、実際それ以上の年齢だとなかなか妊娠には至らない。

あまり話題にされないが、実は男性の精子の質、量ともに低下は激しく、それも自然妊娠が難しくなっている一因でもある。

若いうちから、戸外での適度の運動、十分な睡眠、ストレス発散などいつもの生活養生を欠かさず、漢方も利用して健康な体をキープする努力が必要だろう。

やっと冬鳥のツグミが近所の雑木林に落ちついてくれた

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咳がなかなか収まらない主な原因は気逆ですが

2024-12-04 | 肺、咳、喘息
このごろ咳のご相談が多いなあと思ったら、入口に小さいながら咳のポスターを張っていたのでした。
それにしてもご相談者は深刻で、ずっと咳が治らず悩んでいる人ばかり。
咳止めを飲んでも吸入薬を使ってもなお、収まらないのです。
気管が過敏になってアレルギー状態になっていると言われたりするのですが。

なぜ咳がなかなか収まらないのか中医学的に考察してみましょう。
咳は、体の問題があっておこしている信号なのです。

・気の流れが逆流している(気逆)
鼻から空気を吸うとそれはすーっと下に降りていくべきです。しかし胸のあたりで「気が停滞」していると、スムーズに降りていかず痞えて、こみ上げて咳払い、呼吸が浅くなる、激しく咳き込むという症状が出ます。
緊張やストレスから解放されず体がこわばっている人に多いです。

・潤いが不足している(陰虚)
咳が長引いて粘膜が弱ってしまったり、加齢により潤い不足の体質だったり、咳止めや風邪薬の飲み過ぎで分泌液を抑え込んだりしていると、粘膜がカサカサになり、痰が濃縮して絡みやすくイガイガしがちです。

・疲労が溜まっている(気虚)
咳をすることはとても疲れます。これが長引くとすっかり疲労が蓄積してしまいます。もともと疲労蓄積が原因でカゼをしっかり治せず、体の外側であるのどや気管が弱ったままで外気に触れるだけで咳き込むということもあります。

というわけで、咳は「止める」でなくても、これらの問題を上手に解消すればおのずと収まります。
今のところ、相談者の方々は、数日ごとの漢方対策で匙加減して、生活養生も行い、徐々に収まり顔色もよく元気になられています。

早く咳から解放されるよう、よくご相談になりご自分の体質の偏りを改善してください。

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多発性子宮筋腫の漢方養生

2024-11-27 | 婦人科・嚢腫・筋腫・更年期

多発性子宮筋腫とは、筋腫の数が多く、手術で切除してもまた次々と筋腫が再発してしまう状態です。多発性の原因ははっきりしませんが、生理を運営するあらゆるホルモンが刺激となって筋腫が増大するらしいのです。そのため不妊治療などでホルモン剤を使うとますます筋腫が増える可能性もあります。また切除を繰り返していると子宮筋層が減るので子宮の形を維持するのが大変になってきます。

何とか漢方養生で良い状態を維持したいものです。

中医学では、活血化瘀・去痰消堅・軟堅散結です。 つまり末梢血流を改善し、塊を和らげて散らす対策を取ります。漢方薬にもホルモン様作用を持つものがありますから、それらの使用を控えることがひとつのコツでもあります。

漢方相談をされるとき、漢方対策の選択に大切な情報となるので、筋腫やポリープなどの実態をお話くださるとともに、婦人科の検査も定期的に受けてください。

ヤクシソウ 薬効はないそう。


クコの花

キヅタの花

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エンド オブ ライフ 佐々涼子著:人の死期を受け入れる社会を

2024-11-25 | 
看取りをいくつも経験してきた誰からも一目置かれる訪問介護士でさえ、自分の余命宣告に、受け入れられずもがいていた。

この本は、すい臓がんを患った訪問介護士森山文則さんを、佐々涼子さんが取材したノンフィクションです。


家で最期を過ごしたいという気持ちが今までわかっていなかった。介護する家族は大変だもの。
だけど、病院は病気を対策するところで死にゆくところではない。

今後私たちは、「死」を日常から隠さず、毎日の生活の中が死に場所でもあるようにすることだろう。どうか訪問介護やホスピスがもっともっと充実しますように。

生きとし生けるものはみな死ぬ。なのにその当たり前のことを受け入れるのに苦労する。
読むほどに、現在のシステムではどうすればいいのかわからない。行き詰ってしまう終末の過ごし方。みっともなくあがくのは仕方がなさそう。周りに迷惑をかけ嫌がられるのも避けられなさそう。
ただ、いよいよ死期を知った時、人は何かを悟り何かを後世に残すものらしい。

2024年9月に亡くなられたノンフィクション作家の佐々涼子さん。この小説を書かれたときは、まだ脳腫瘍が発覚していなかった。そして「夜明けを待つ」を出版された2023年はすでに病と闘っていた。

エンドオブライフ 2020年2月発行
佐々涼子 1968年神奈川県生まれ

風邪(ふうじゃ)は上から湿邪は下から:カゼの漢方薬

2024-11-19 | 
目まぐるしく天候が変る今年の冬。生暖かい雨天曇天が続いていましたが、冷たい空っ風も吹くようになりました。
カゼを引く人も多くなり、ご来局の方のご相談内容もこの頃日替わりです。
手持ちの漢方薬のあるご常連さんからは「今日はどれを使ったら、いい?」というご質問を受けます。

カゼを「風邪」と書きますが、中医学では「ふうじゃ」つまり外気の邪気を受けることを言います。

「風邪」は体の上半身から侵入するのですが、これに「湿」が絡むと胃腸や下半身に症状が現れます。

現れている症状がどんな邪気によるものかを、判断してください。

〇風寒邪(冷たい風にあたった)
・頂調顆粒(川キュウ茶調散):寒気、頭痛、鼻づまり
・葛根湯:寒気、頭痛、首筋の凝り
・小青竜湯:寒気、水っぱなやくしゃみ

〇風湿邪(湿気にさらされた、雨天曇天)
・勝湿顆粒(カッ香正気散 ):ムカムカ、モヤモヤ、軟便下痢、体が重だるい

これくらいは覚えておき、侵入した邪気を追い出すのです。
症状が出たら、すかさずその漢方薬を服用すると、あっという間に治ります。
症状もないのに「カゼ引きそうだから総合感冒薬を飲んでおく」なんてことは体に負担になるだけなのでやめてください。
何年振りかで見つけた美しいイシミカワ


散歩道で見つけた赤い実。名前不明、わかる方お教えください。
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