アーバンライフの愉しみ

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本という歓び~小川洋子著「博士の本棚」

2015年05月01日 | 読書三昧
「博士の愛した数式」で第1回本屋大賞を受賞した著者が、大好きな本の数々を紹介しつつ、本とともに送る生活の幸福を伝える極上のエッセイ。



こんな力強い、実のあるエッセイを読んだのは初めて。それほど1本1本のエッセイに魅せられた。

特に、プロの作家が記す「書評」の何たるかを知るに及んで、日頃、小生がブログにアップしている「書評じみたもの」の何と薄っぺらなことか。

また、著者の作家としての原点ともなった「アンネの日記」への想いやアウシュビッツで目にした無数の遺品を前に打ちのめされる著者の心情を思うとき、全身に鳥肌立つ思いがした。

一方、「博士の愛した数式」が読者大賞を受賞し、副賞で得た10万円分の図書券で購入するとしたらこんな本になる、また、人生を閉じる間際に置いておきたい7冊の本のリストなどの記載もある。何ともユニークなエッセイ集ではある。ご一読をお薦めします。(お勧め度:★★★)
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