立冬に あさがお咲きぬ 紫紺なり
馬糞 Bafun
立冬の朝、一気に10度も気温が下がった。
夜に吹き始めた強風は木枯らし一番になった。
それでも朝顔が、震えながら花を開いた。
立冬に、紫紺の旗を立てたのだ。
「立冬に、いい青しているねぇ。」
「立冬だってねー、夏の続きみたいなもんさね。朝顔が木枯
らしに咲くのも風流だ。その風流が今朝はきりっと冷えて、いい
顔してるね~。」
「いよっ、根性花!粋だねぇー。やせ我慢も風流のうちさね。
いい咲きっぷりだよ。」
「ありがとよ。だけどね、晩成の花だもの、冷えてしぼむよう
なやわな花じゃないよ。立冬に立てた紫紺の花を二日間咲い
て見せようじゃぁないか。めでたい立冬の朝顔だよ。」
そして二日目の朝、立冬の朝顔は咲いていた。
もう、おしゃべりはしなかったが、約束どおりに立冬の壁を越
えた。
冬を迎える人々への「紫紺の応援花」のようであった・・・。
立冬越えの朝顔に今日も水を遣る。
おかげで今年の冬は、健康に年を越せそうだ。
Bafun