啓蟄の 音を聞きつつ 土の蝉
馬糞 Bafun
日々風がぬるんで、虫たちも冬眠から目覚める季節になった。
世の中は新年度の準備にあわただしい。
土の中の蝉は、出るにはまだ早いが、八年越しの羽化登仙の
夏を感じているのではないか。
そのような素朴な季節の巡りが、膨張し続ける人類の傲慢によっ
て崩壊しつつある。
人類の天敵は、恐ろしい疫病か、天変地異か、戦争である。
どれもが、啓蟄のようにパンドラの箱を押し開けて出てくること
であろう。
都会を中心に鬱が広がっているという。
心の闇が、子供にも大人にも広がっている。
心の闇は、私利私欲、自己中心の裏返しである。
欲張りすぎた結果である。
つかんでいた果実が腐っているのだから、捨て去ればよいのだ。
それは、失望ではない。
欲望からの解脱である。
こだわってきた欲望を捨て去って、晴れ晴れとすればよいのだ。
それなのに、なぜ、闇に支配されてしまうのだろうか。
心に闇が近づいてきたならば、
日本創始の神々に、
愛をといたイエスキリストに、
智慧と慈悲と悟りを説いた仏陀に、
そうした偉大なる仏神への信仰に目覚め、
希望の光を掲げるべきである。
心の太陽とは、仏神への信仰心に他ならない。
その執着を投げ捨てよ。
心の闇に灯をともせ。
いつも心に太陽を!
太陽は、万物を生かし育てる光である。
梅士 Baishi