Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

岐阜、奥三界岳登山

2012年05月30日 | 山歩き

5月28日(月)   岐阜、奥三界岳     天気=晴れ後雨


05:55夕森公園林道ゲート発→ 06:15~18銅穴ノ滝→ 06:26吊り橋→ 07:14~24林道出合→ 07:54~56奥くらがり渓谷→ 08:07昇竜ノ滝→ 08:27~39林道終点→ 09:58~10:18奥三界岳→ 11:16林道終点→ 11:34昇竜ノ滝→ 11:46奥くらがり渓谷→ 12:17~20林道出合→ 12:53吊り橋→ 13:01銅穴ノ滝→ 13:17夕森公園林道ゲート着


 「ホーホッケキョー」とウグイスの声で眼が覚めた。早々にユースホステルを出発し、JR中央線、坂下駅近くの「道の駅きりら坂下」で簡単に朝食を済ます。ラジオからは「寒気が日本上空に入り午後から全国的に雷を伴った大雨に注意してください。」と報じている。此処中津川の予報も午後から雨、山中で雷雨に見舞われるのは悲惨だから早めに行動せねばと気が引き締まる。
 奥三界岳の登山口、夕森公園の林道ゲートにはAM6時前に到着した。昨日の戸倉山キャンプ場は人気が無く荒廃した感じだったが、夕森公園は森林機関車等展示され、施設も中々充実している様子です。ゲート脇には白い車が1台停まっている。




 夕森公園登山口ゲート




 我々も準備を終え、AM6時前に歩き始める。ゲートの横を抜け切り立った谷間に続く林道を20分歩くと左に小さなあづま屋が建ち、その奥に「銅穴ノ滝」が見える。高さ30m程、ドウコノ滝と呼ぶそうで流水豊富な滝です。この辺りの道沿いはモミジの木が多く秋の紅葉時はさぞかし艶やかだろうと想像される。



 銅穴ノ滝



 滝から少し先で沢に降立ち吊り橋を渡る。定員お一人様よく揺れる頼りない橋で、雨に濡れたら一寸渡るのが恐い。橋からは標高差400m程上の林道まで一気登りの山道になる。つづら折りの急登にいい加減ウンザリし始めた頃上の林道に着いた。この林道は夕森公園の方から山腹を延々と巻いて夕森山の下まで伸びているのだが、ゲートで閉じられ車の通行は出来ない。それ以前に落石で何箇所も塞がれているのでオフロードバイクの上級者以外は通行不可能だろう。



 沢に架かる吊り橋




 上の林道出合




 ここからは長~い林道歩きが続く。新緑の中、時折展望も効いているので単調な歩きもそんなに苦にはならない。所々の落石現場も歩く分には支障が無いが、上を見上げれば今にも崩れ落ちそうな岩壁で、地震になったらと不安な思いもする。やがて左手に奥くらがり渓谷が現れ、橋の上から美しい渓谷が望まれる。奥三界岳は渓谷の奥にあるのだが、姿を見出せない。



 長い林道歩き



 渓谷の少し先で林道支線が左に分岐し、奥三界岳へは支線を進む。分岐点では本線の鋼製橋と支線の木製橋が上下に重なって見える面白い眺めで、橋の奥には「昇竜の滝」がある。流水は少ないが、幅広で立派な滝だ。木製橋の上からは歩いて来た林道がクネクネ続いているのが望見できた。橋の少し先で男性2名、女性3名の中年登山者達が休んでいた。ゲートに停めていた白い車の人達だろう。女性の一人は随分高齢に見受けられ、楽な山ではないのにと少し驚かされた。



 林道から見上げる支線の木製橋



 昇竜ノ滝




 林道支線は落石の為ほぼ壊滅状態、歩くのさへ支障をきたす程荒廃が進んでいる。分岐から20分ほどで着いた林道終点には屋根だけが辛うじて残るプレハブの残骸が残っていた。、此処から登山道が始める。道標には「此処から山頂まで2H」と記されている。先が長いので一息入れる。休憩を終えて、木製階段を登り始めたら5人パーティが姿を現したした。



 林道終点



 急登しばしで笹原の道になり展望が拡がる。春霞に大気の透明度は低いが、東の方向にゆったりした恵那山の輪郭が見える。笹原と森が混在した三界山や夕森山のピークも確認できるが、肝心の奥三界岳は前山に隠れて望めない。やがて道は岩がゴロゴロした沢に変る。流水もあり此処が最後の水場となる。



 笹原の道から恵那山方面



 標識に従い右に曲って沢から離れ、再び笹原の道で最後の休憩をとる。時間はAM9時20分頃、まだ空は明るいけれどこれからの天気が気になってしかたない。笹原から緩やかな尾根の樹林帯に道は変る。多くの木々は曲がりくねっており冬の多雪を物語っている。一旦降って山頂へ向け最後の登り、相変わらず樹林で視界は効かない。道は泥濘状の所が多く雨天時には苦労させられそうだ。やがて「鏡池」と小さな標示板がる湿地帯に着く。池とは名ばかりで大きい水溜りと言った方が良い。この辺りには水芭蕉が群生していたので一寸驚かされた。



 湿っぽい樹林帯の道



 湿地帯に咲く水芭蕉




 湿地帯を通過してほんの一登りで奥三界岳(1810m)に到着した。笹原の山頂にはネットで見覚えのある古びた木製の展望台が建ち、その上から視界を得る事が出来るが、早くも上空の雲が厚みを増し展望はパッとしない。大気も冷たくなり天候の悪化が心配になってきた。ノンビリラーメンでも食べるか何て気にもならず、パンとお茶で食事を済ます。水気の多いグレーツフルーツがとても美味だった。


 奥三界岳山頂



 山頂からの展望(小秀山方面)



 「もう此処には2度と来る事は無いだろう。」と展望台に一瞥をくれ山頂を後にする。灰色を増す空に気をせかされ黙々と降って行く。5人パーティとは中々遭遇しないので諦めて下山したのかな。と思っていたら彼(女)等が登って来た。高齢の女性は男性に荷物を預け腰を曲げて必死の登り、いつ雨になってもおかしくない状況なのに大丈夫かな他人事ながら気になる。
 そんな思いで降っているといきなり雨が降りだしたので、慌てて雨具を着込む。しかし雨は長く続かず沢を降る頃には日差しが出る程に回復した。雨の中石ころだらけの沢を降るのは大変なのでホッとした。雨にせかされて休憩を取ることなく林道まで降立った。林道歩きを始めた途端、再び雷とともに強い雨が降り始めた。その後は降ったり止んだりの複雑な天候が続く。




 落石に塞がれた林道支線(下山時)


 林道から吊り橋までの急な下り坂は、雨に遭わなかったので問題はなかった。吊り橋を渡ってやっと一安心、気持ちが緩む。
その後も脚を止める事無く登山口のゲートに戻った。出発からの行動時間は7時間20分とけっこうハードな山行だった。車に乗り込むと直ぐに中津川市川上地区にある公共の温泉「かたらいの里鶴寿の湯」で山の汗を流す。此処は地元民優先の温泉で、係りの女性も感じ良く素朴な雰囲気が好ましかった。アルコールは禁止だが入浴料も400円と安く(地元民は200円)てお勧めです。
 温泉を出て中央高速道、中津川ICに向う途中から土砂降り雨となった。登山中で無くて本当に良かった。中央道は渋滞する事も無く車は順調に走って夕刻には我家へ戻る事が出来た。留守番していたキキは少し吐いて布団を汚してはいたものの、元気にその役割を果たしていた。
 日本300名山踏破という指標が私の頭の片隅にあり、今月初めに登った男鹿岳と今日の奥三界岳もその範疇でした。いずれも手強い山でしたが、今回は妻と一緒に登れた事が一番の喜びでした。何時まで二人で登れるか判りませんが、少しでも長く続く事を願うばかりです。


コメント
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