Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

楽古岳登山

2012年08月27日 | 山歩き

8月27日(月)   日高、楽古岳   天気=晴れ


05:31楽古岳登山口→ 06:14~26上二股(尾根取り付き)→ 07:50~58楽古ノ肩→ 08:19~40楽古岳→ 08:57楽古ノ肩→ 09:48~10:01上二股→ 10:33楽古登山口


 東大雪、ニペソツ岳を登り終えた後、まず日高のカムイエクウチカウシ山に向ったのだが、道路が雪崩で破損した為登山口手前の札内ダムの所から通行止めになっていた。日本2百名山の中でも最も困難と言われるカムイエクウチカウシ山に気後れがあった私は、これですっかり登山意欲が削がれ、しばらく躊躇した後、「通行禁止が解除された時に挑戦しよう。」と自分に言い訳し登山口を引き返した。と言ってこのまま日高の山を登らず帰るのも口惜しい。で、日高南部にある三角錐の山容が美しい楽古岳を目指す事にした。日高を愛した山岳画家、坂本直行氏が最も好んだという楽古岳なら日高のシャープな山稜を眺める事ができるだろう。
 昨日午後、早めに登山口にある楽古山荘へ到着した。無人小屋だが室内外共とても綺麗で蛇口から」水も得られ、中々快適な環境だ。脇の駐車場には傷だらけの大型RV車1台がポツリと停まっていた。車や衣服を洗って時間をつぶしていると只者でない雰囲気のオッサンが山から降りてきた。
 RV車の持ち主で東京の人だが、話を聞くと既に3百名山を踏破し、毎夏北海道の山を歩いているとの事、私が登りたかった「カムエク」も2度登頂していると言い、いろいろ北海道の山情報を教えてもっらた。昨夜は小屋で一人寝るのが何となく不気味だったので、車の中で寝た。




 
登山口の楽古山荘



 未明に朝食をとっていると車が1台上がってきた。中から大学生風の若者が二人降りて、どうも沢登りで楽古岳を登るようで登山口とは別の方向へサッサと歩いていった。
 登山口にある入山ノートに記帳した後出発する。最初は荒廃した林道を歩いて行くが直ぐに尽きて、沢沿いに踏み跡を進んで行く。何度か徒渉を繰返すが徒渉の際は目印に気をつけないと踏み跡を見失いそうになる。40分余で尾根の取り付き点である上二股に着いた。




 
最初の徒渉地点




 
上二股(尾根取付き点)



 此処で沢用の運動靴を脱ぎ、登山靴に履き替える。今までの水辺歩きとは一変し、取り付き点から山頂まで標高差1000mの尾根道を一気に登る。これでもか。これでもか。というような急登で、笹や潅木が被る踏み跡だからノンビリ休む場所も無い。笹や潅木を掴み両手両足を駆使して強引に登って行くと、見る見る高度が上がるのを実感できる。



 
登山道から日高の稜線



 支尾根の稜線上の楽古の肩に着くと三角錐の楽古岳が遠からぬ位置に見える。尾根伝いにハイ松を掻き分けて行く。最後の急登を頑張って誰も居ない楽古岳(1472m)に到着した。




 
山頂直下から楽古岳




 
楽古岳山頂




 
山頂から北の山々




 
山頂から南の山々



 
山頂から十勝の海岸線




 山頂からの展望は期待に違わず素晴らしいの一言、南北はウネウネ続く日高山脈の山並み、東は十勝、西は日高の海岸線がくっきりと見える。携帯が通じるので妻に「今日高の山頂に居るんだ。」と電話したが、朝飯の後らしい妻には私の感激が十分伝わらないような返答だった。
 何時までも居たい山頂だったが、明日登る予定の神威岳の登山口に今日中着かねばならぬので、山頂を後にする。尾根取り付きまで降ると再び登山靴から運動靴に履き替え、沢沿いを降る。その途中の踏み跡に往路では無かった黒々とした大量の糞を発見、どう見ても熊のものだ。その後は必死に客引きする按摩さんみたいに警笛を吹き続けながら降った。




 
山頂直下から登って来た尾根を望む。



 登山口の車に戻ると一旦浦川の街まで降り食料を調達して、神威岳の登山口を目指す。この林道が長くてかつ悪路だった。昨日の3百名山踏破のオッサンは「大した道じゃないよ。」と言ってたが、彼のボロボロRV車と私の買ったばかりのコンパクトカーじゃ条件が違い過ぎる。2時間近く走って、宵闇迫る頃やっと神威岳登山口に着いた。小さな神威山荘(無人)にはプリウスが1台停まっている。

 暗くなった頃3人登山者が降りて来て、そのプリウスに乗り込み下って行った。あの悪路を夜間走行するなんてと驚いた。明日は登山よりも長い悪路を車が無事降れるか、その方が心配だ。今夜も小屋に泊らず車中泊とした。深夜車外に出ると頭上には美しい天の川が横たわっていた。

コメント
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